平成23年 第1回
深川市議会定例会会議録 (第3号)
日程第 1 | 一般質問 | ||
1−1. 2番 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
2. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
3. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
4. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
5. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・鈴木教育長 | ||
6. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
7. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
8. 質問 | ・山田圭二君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
答弁の訂正 | ・山下市長 | ||
2−1.12番 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
2. 質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
再質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
3. 質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
4. 質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
5. 質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・鈴木教育長 | ||
再質問 | ・川中 裕君 | ||
答弁 | ・鈴木教育長 | ||
3−1. 8番 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・沢田経済・地域振興部長 | ||
再質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・沢田経済・地域振興部長 | ||
再々質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・沢田経済・地域振興部長 | ||
2. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
3. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・松浦建設水道部長 | ||
再質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・松浦建設水道部長 | ||
4. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
再質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
再々質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
5. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・通市民福祉部長 | ||
6. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・一原教育部長 | ||
4−1.13番 | ・東出治通君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
2. 質問 | ・東出治通君 | ||
答弁 | ・沢田経済・地域振興部長 | ||
再質問 | ・東出治通君 | ||
答弁 | ・沢田経済・地域振興部長 | ||
3. 質問 | ・東出治通君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
再質問 | ・東出治通君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 |
(午前10時00分 開議)
〇議長(北本 清美君) これより本日の会議を開きます。
〇議長(北本 清美君) 事務局長から諸般の報告を申し上げます。
〇議会事務局長(山岸 弘明君) 第1回定例会3日目の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。
以上で報告を終わります。
〇議長(北本 清美君) 日程第1 一般質問を行います。
初めに、山田議員。
〔山田議員、質問席へ〕
〇2番(山田 圭二君) 平成公明クラブの山田です。通告に従い、一般質問をいたします。
光陰矢のごとしと申しますが、早いもので今期最後の一般質問となりました。幸いにしてトップバッターの幸運を引き当てさせていただきまして、大変うれしく感激いたします。さて、質問に先立ち、このたびニュージーランドで起きた大規模地震によって、絶望的と言われている邦人27人の早期確認を願い、昨日、邦人で初めての死亡が確認されたと発表されました平内好子さんを初め、亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。そして、大規模災害の少ない本市に居住していることの幸せに感謝しつつ、質問に入ります。
最初に、人口減少と市政運営について伺います。今、世界の人口は爆発的にふえ続けており、国連人事部の推計によれば、2011年すなわち本年でありますが、後半には70億人に達すると言われており、年間およそ8,000万人のペースでふえ続け、2045年には90億人になると予測されております。さらに、2050年までの最大増加の場合は、105億人との驚愕の予測もあります。このような世界の爆発的な人口増加の中にあって、日本は、ご案内のとおり少子化が急激に進展し、世界一の長寿国でありながら、既に人口減少国に突入してしまいました。昨年10月1日の国勢調査によりますと、北海道の人口は550万7,000人で、前回2005年調査より12万人、2.1%減少であり、これは深川市が5個喪失した数に相当いたします。空知管内は33万6,320人で、7.5%、2万7,322人の減少となっています。本市は、市政方針でも述べられておりますとおり2万3,720人で、8.2%、2,118人の減となり、2万4,000人を切ってしまったということでございます。人口は住民であり、住民なきところに行政も存在しない、ゆえに人口問題は、行政の根幹であります。山下市長は、2期目の初年度として、人口減少問題に重点を置いた施策を展開しようとしていることは、まさに時宜を得た挑戦であり、住み続けられる深川を目指す戦いのスタートでもあります。深川市の人口に関する実態の把握を含め、以下、何点かお聞きします。
1点目は、市制施行後の国勢調査に基づく人口動態及び高齢化の推移についてであります。人口動態の推移を把握するために、本市が市制施行後、最も人口の多かった年次の人数と、平成22年の人数、そしてこの間に減少した人数、減少率、高齢化率の推移、さらに12年から22年までの同様な方法による数値についてお示しをいただきたい。また、直近の2月末の状況についてもお知らせください。
2点目は、社会動態の減少の要因分析についてであります。人口動態は、出生と死亡で構成する自然動態と、転入転出で構成する社会動態がありますが、住民の移動の要因はさまざまであります。移動の要因をどのように分析されているか伺います。
3点目は、人口減少に歯どめをかける一層の取り組みについてであります。市民がこの地に住み続けるには、働く世代にとっては職場があり暮らせる収入が得られることが一義的な条件でありますが、一人一人それぞれの条件があり、幅が広く、人口減少に歯どめをかけるには総合的な施策が求められると考えます。冒頭申し上げましたように、平成23年度の予算は、子育て支援に重点を置きながら、福祉、雇用、産業振興等きめ細かな対策を掲げていて大いに評価するところでありますが、限られた予算の範囲ではおのずと限界もあります。しかし、人口の維持対策は、不断の取り組みをしなければなりません。今後に向けて、どのような政策に力点を置いて進めようとするのか伺います。
4点目は、10年後、20年後、30年後の推測される人口動態を踏まえ、長期的展望に立った市政運営についてであります。国土交通省の国土審議会長期展望委員会は、2050年の国土の姿を推測し中間報告をまとめたとの報道がありました。これによりますと、全国で居住地の20%は無人化する。北海道は50%を超えるとの驚愕の内容であります。山下市長には、道内でも上位を占める過疎化進行地域にある深川市の現状を踏まえ、報道から読み取れる未来を想定し、高い見識と洞察力をもって望まれる未来の姿をデザインした上で市政運営に当たっていただきたいと願うところでありますが、見解をお伺いします。
5点目は、仮称人口対策協議会の設置の考えについてであります。人口減少にかかわって何点かの質問をしてまいりましたが、人口問題は職場の確保が第一ではありますが、出産、子育て環境、学校、交通、買い物環境、病院、福祉施設、芸術やスポーツ環境、コミュニケーション機能などなど、人々の日常の暮らし全般にかかわりますことから、全方位の視点に立つ必要があります。このような観点から、幅広い分野から成る仮称人口対策協議会を設置し、協働の理念に基づき、広く意見を集め、政策立案の糧としてはどうかと考えますが、協議会設置の考えについて伺います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) ただいま、人口減少と市政運営についてということで、何点かにわたり質問をいただきましたので、順次お答えをしたいと思います。
まず、1点目の市制施行後の国勢調査に基づく人口動態及び高齢化率の推移についてでございますが、議員も指摘されましたが、ことし2月に報告されました平成22年国勢調査の速報値によりますと、本市の人口は2万3,720人で、世帯数が1万100世帯ということでございました。一方、昭和38年に本市が市制を施行いたしまして、後の人口のピークというのは、40年の国勢調査となっております。このときの数字を申し上げますと、人口が3万9,812人で、世帯数9,196世帯ということでございまして、昭和40年と平成22年のデータを比較いたしますと、人口では1万6,902人、率にして40.4%の減少ということになっております。また、世帯数では904世帯、率にして9.8%の増加という数字です。また、全人口に占める65歳以上の人の割合、いわゆる高齢化率についてですが、平成22年の国勢調査速報値では、年齢別の人口がまだ公表されておりませんのでその部分はわかりませんが、5年前の17年の国勢調査の数値ということで比較を申し上げますと、昭和40年の国勢調査時点では、高齢化率は5.6%という数字になっておりまして、一方で平成17年の国勢調査は30.6%。この時点で既に本市は3割を超えていたということです。この昭和40年と平成17年、これは40年の開きがありますが、40年間で既にこの高齢化率というのは25%ポイント上昇しているという数字です。
次に、平成12年から22年までの国勢調査の数値の推移で、人口について申し上げますと、12年から17年、その5年前、さらに5年前ということになりますが、この12年から17年では1,741人の減少、率で6.3%の減少。そして、平成17年から今回の22年まででは2,118人の減少、率にすると8.2%の減ということ。世帯数では、平成12年から17年で391世帯、3.6%の減少。それから平成17年から22年の間の比較では454世帯、4.3%の減ということになっております。高齢化率につきましては、平成12年から17年、この間の数値が、12年が26%、そして17年が先ほど申し上げましたように30.6%ですので、その差4.6%ポイント、12年から17年の間で上昇しているということです。なお、住民基本台帳における一番直近のデータ、平成23年2月末現在の人口の状況を申し上げますと、人口は、2月末ではさらに減少いたしておりまして2万3,656人、世帯数では1万1,267世帯、高齢化率で見ますと34%という数字に上っているということです。以上は、1点目のデータに関する報告、説明でございます。
2点目に、社会動態によります減少の要因分析ということについてですが、議員もご指摘のように、人口動態には、自然動態、出生と死亡の差、それから転入転出の差である社会動態と二つあるわけですが、本市の昨年1年間の状況で申し上げますと、自然動態は173人の減少。他方、社会動態で見ますと148人の減少ということでございまして、この社会動態の要因などを分析しようということで、昨年1年間、市民課に転入転出の届けを出しにこられました方にアンケート調査などを実施しているところであります。現在、そのアンケート調査の集計作業を行っておりますが、傾向で申し上げますと、本市の場合、20歳代の方の転入者が転出者を大きく上回っている。他の年代では、転入転出ともほぼ同じということになっています。職業別で申し上げますと、転入される方、これは会社とか官公庁に勤めておられる方がその約6割を占める。学生の方が12%ぐらいを占めている。他方で、転出では、同様に勤め人の方が50%、学生が25%という数字になっているところであります。転入転出の理由としましては、どちらも今言ったような仕事の都合ということで転入転出される方が約6割、そのうち理由を回答いただいた方の半分近くが、これも当たり前ですが、就職あるいは転職ということを理由に移動するという回答をいただいているところです。これらの傾向から、若い世代の方の働く場がなかなか十分でないということから、若い世代で転出が転入を上回る、人口減少の大きな要因になっていると思われるところでございます。
それから、3点目の質問で、人口減少に歯どめをかけるための取り組みについてということと、その後で言われました10年先、20年先、長期的な展望に立った市政運営をどう考えるかといった質問がございました。関連がありますので、あわせてお答え申し上げたいと思います。市政方針の中でも申し上げたところですが、本市は少子高齢化、それから人口減少がかなり進んだことに伴って、地域経済・産業の停滞、それから雇用情勢の悪化、さらには中心市街地の空洞化などなど、さまざまな問題に直面いたしているという認識を持っております。この人口減少傾向というものは、全国的に進んでいることですので、容易にこれがおさまる、とまるといったことにはなかなかならないのだろうと思いますが、本市の10年先、20年先を展望したときに、やはりこのまま手をこまねいているということは許されない。今から人口減少傾向に多少でも歯どめをかける努力をすることが、本市の将来にとって大変重要な課題であると認識しております。そこで、そのために新年度から人口・経済対策ということで、例えば保育所保育料、それから乳幼児医療に対する市からの支援といったものをかなり踏み込んで拡充する、そういう対策を講じたいと思っております。また、就労の場の確保、拡充のためのいろいろな産業振興施策、そして中心市街地の活性化対策、さらにはこれまでもやってきておりますが、移住定住対策のさらなる推進など、あらゆる可能な政策手段を横断的に組み合わせながら、総合的な対策として効果を求めて、そういった施策を講じていきたいと真剣に考えているところであります。こうした取り組みを通じて、子育て世代など若い人たちが、本当にこのまちで将来に夢と希望を持って暮らせるような、活力のあるまちにすることとあわせて、高齢の方を含め本市に暮らすすべての市民が、安心して安全に、また心豊かに暮らせる長寿のまちに、ぜひしていかねばならないと考えておりまして、そうした方向でさらに精力的に施策を展開していければと考えているところであります。
最後に、人口対策協議会の設置についての提案がございました。問題意識はまさに議員と共有しているところでございまして、こうした問題については幅広い分野の皆さんからさまざまなご意見をお聞きするといったことが大事なことだと認識いたしております。ただ現在、総合計画策定といった課題を抱えて、先般、新たに深川市新しいまちづくり市民協議会というものを立ち上げましたし、また昨年、新たに協働のまちづくり推進市民協議会といった組織も既に立ち上げておりますし、あわせてそれ以外にも、市にはさまざまな協議会ですとか委員会などもございますので、こうした既にあるものの活用といったことを通じて幅広く市政に対する、また人口政策に対するご意見やご要望などを伺いながら、今言った政策の立案、そして執行に万全を期していきたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) 転出転入で私の認識と違った感じがありますが、2番目にいきます。
中山間地域と深川市の未来ビジョンについて伺います。人口減少の厳しい現実は、本市の中山間地域に目を向けてみるとき、まさに喫緊の課題であります。中山間地域の農業は、市政方針にもありましたように、今は中山間地域等直接支払事業や農地・水保全管理支払交付金及び先進的営農活動支援交付金という農業政策によって、どうやら保たれておりますが、耕作不利地域のため農業後継者が育たず過疎化と高齢化のみが進行し、耕作放棄地がふえ続ける状況が想定されます。
このような状況にかんがみ、以下2点について伺います。1点は、20年、30年後の中山間地域の人々の想像される暮らしについてであります。車の運転ができなくなった。買い物をしたいが公共交通機関はバスのみでバス停が遠く不便だ。ネット社会になったがパソコンは使えない。長年一緒に暮らしてきた友達もいなくなったなどなど、大変厳しい生活を私は想像してしまいますが、市の認識を伺います。
2点目は、山林を活用した中山間地域の新しい価値観を生み出す取り組みを、深川市の将来を展望した施策として、第五次総合計画を含む長期ビジョンとして取り組む考えについてであります。中山間地域の状況がこのように想定されるとするならば、農地保全、環境保全はもちろん、何よりもそこで生きていきたい市民の安心を守らなくてはなりません。今、住んでいる方々は、一生住みなれたこの地で暮らしたいと思っており、土地を捨て、地縁を捨てて転居することは、人生の終えんを迎えるに等しい思いであることは、病気がちになって施設や都市部の子供の家に行ったら人生おしまいだという過疎集落の高齢者の言葉が如実に物語っています。このような思いを受けとめ、政策としてやれることはないか。コンパクトなまちづくりに相反する方向とも受けとめられかねませんが、住み続けられるふるさとをつくる事業は、地域で生きる人たちに喜びと安心を与えるばかりでなく人口対策上も、あるいは深川市のイメージの向上にも大いに役立ち、人口減少の歯どめにも貢献するはずであります。中山間地域は農地と山林の混在した地域であり、この一体的環境は、都市生活しか経験していない人々にとっては夢のような世界であろうと推察します。人間は動物の一類であります。動物は、土や水、木や草、きれいな空気の自然を求めるのは本性でありましょう。したがって、人は自然を求めると思います。森林浴や野菜づくり、春の山菜とりや秋のキノコとりなど、すばらしい楽しみがいっぱいであり、滞在型観光やセカンドハウス、移住定住にも大いに活路を見出すことができると信じています。既存の居住者は、集積した集落をつくり、新規居住者と共生し、地縁を守りながら地域の再生と暮らしの安心を確保し、余生を心安らかに過ごすことができると思います。絵に描いたような理想形の一例を申し上げましたが、現実は、それぞれの地域にそれぞれの事情があり、その地域に応じた政策が求められると思います。結局は住んでいる人の意思でありますので、どのような形にするにしても、具体的には十分な話し合いが前提となりますが、国も、新過疎法で支援を用意しているはずであります。第五次総合計画を含む深川市の長期ビジョンとして取り組む考えについて伺います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 中山間地域と深川市の未来ビジョンについてお答えをいたします。
1点目の20年後、30年後の中山間地域の人々の暮らしの認識についてでありますけれども、人口減少の状況につきましては、先ほどの質問で市長より答弁申し上げておりますが、今から少しでも歯どめをかけていくことが本市の将来にとって重要な課題であると認識いたしております。市内各地区の高齢化率を見てみますと、これは昨年7月末の数値ですけれども、深川地区が31.1%、一已地区が30.6%、音江地区が39.1%、納内地区が42.0%、多度志地区が40.6%となっており、農村地区のほうが高齢化率が高い状況となっております。このような状況から、議員の質問にもありましたように、農業後継者不足や耕作放棄地の増大などが懸念されるわけですけれども、活力ある高齢者はもとより、本市に暮らすすべての市民が心豊かに安心して暮らせるまちとするためにも、各種交付金なども活用し、中山間地域農業の持続的な発展と資源保全を図ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の山林を活用した新しい価値観を生み出す取り組みを長期ビジョンとして取り組むべきという考えでございますけれども、中山間地域は豊富な森林資源や水資源、美しい景観のほかその地域が培ってきた伝統や文化など、有形無形の地域資源を数多く有しておりまして、このような豊かな地域資源はそこに住む住民の生活を支え、豊かなものにするだけではなく、都市住民が豊かな自然や文化に触れ合う場や心身をいやす場として、また環境保全や水源涵養機能など森林の有する多面的機能の活用も期待されるところです。今後とも基幹産業である農業の振興発展を図る施策の推進や環境保全、公共交通の確保対策などさまざまな施策や事業を着実に進めていくことが、中山間地域の振興に、ひいては将来に夢と希望を持って暮らせるまちづくりにつながるものだと考えております。山林を活用した中山間地域の新しい価値観を生み出す取り組みを、総合計画を含む長期ビジョンとして取り組むべきということですけれども、市有林運営委員会や農業振興委員会などを中心に、山林や中山間地域の活用方法や振興策などについてご意見をお聞きするほか、新しい総合計画に関して設置しております深川市新しいまちづくり市民協議会の委員の皆さんなどからご意見をお聞きしてまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) それでは、通告の3番目、財政運営について伺います。
国政においては、昨年来、極めて不透明な状況が続いております。政府原案が決まってからも政局は一向に落ちつく気配はなく、今回の前原外務大臣の辞任もあり、ますます混迷の度を深めております。通常国会が始まり、本来であれば新年度の予算が議論され予算関連法案が審議成立して、経済、福祉のさまざまな政策課題が予算の成立とともに動き出さなくてはならないにもかかわらず、いまだにどうなるのかわからない状況となっております。特に、予算関連法案は予算案と表裏一体のものであり、その成立は地方自治体の新年度予算にも数多く関連施策が含まれていると思いますし、本市だけでなく、地方自治体全体にとって大きな問題となるものであります。新聞報道によれば、地方交付税、子ども手当、そして税制にかかわる法案の成立の見通しが立っていない。特に、地方交付税法の改正案が成立しない場合は、4月の概算交付がおよそ1兆5,000億円と大幅に減額となるとあります。
そこで、こうした予算関連法案の動向をどのように認識しているのか、またその影響としてどのようなものが想定されるのか、そして対応はどうするのか所見を伺うものであります。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 財政運営についてお答えいたします。
平成23年度の国の予算関連法案につきましては、その成立が不透明な状況にあるということから、本市としてもその動向を注視しているところでございます。本市の平成23年度予算と深く関連するものといたしまして、子ども手当法案、地方交付税等法案、地方税法案などでございますけれども、特に地方交付税につきましては、法案が成立しない場合、4月の概算交付額の総体、国全体でございますけれども、4兆1,000億円から2兆6,000億円になり、1兆5,000億円減額されることになりますので、本市におきましても、財政運営、資金計画に大きな影響を生ずるものだと考えております。そのため、こうした流れを受けまして、2月22日、全国市長会では、全国町村会とともに政府及び与野党の政策責任者に対して緊急要請活動を実施したところです。地方交付税にかかわる法案は、地方交付税の法律、特別会計に関する法律及び地方財政法などの一部改正という内容ですけれども、この改正の内容を申し上げますと、地方交付税の総額に関して、国税5税の法定率分等に一般会計及び特別会計からの加算等を行いまして地方交付税の出口ベースの額を17兆4,000億円とすることや、特別交付税の割合を6%から5%に改め普通交付税に移行すること。さらに、臨時財政対策債を発行することができるようにするなどの改正内容です。つまり、この改正がなされない場合、地方交付税は、国税5税の法定率分のみとなるということでして、その総額は11兆円ほどになり、この場合、6.4兆円減額ということで、36.78%の減となります。本市の新年度予算は、当然、法律改正を前提に積算しておりますけれども、仮に改正案が成立しない場合には、単純に率を当てはめてみますと、当初予算74億9,000万円の地方交付税となっておりますが、その6割程度、45億3,000万円程度になりまして、また市債に計上している臨時財政対策債3億7,000万円強でございますけれども、これがゼロになるということで、その影響額については33億3,000万円にもなるものです。したがいまして、本市財政への影響という質問でございますけれども、これは影響額というレベルを超えまして、予算及び財政に甚大な影響を生ずるものでありますので、政府、与野党は十分に議論を尽くし、市町村行政に影響が出ないよう、あらゆる手だてを尽くしてもらいたいということを切望しているところでございます。こうした事態への対応といたしまして、全国市長会などを通じての要請活動が重要であると考えております。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) 大変な事態にならないように、政府の対応を望むものであります。
次の4番目、学校運営について伺います。
1点目は、小学校の外国語教育導入の問題点と対策についてであります。本年の教育行政方針として、4月から新学習指導要領への対応がなされる状況でありますが、小学校でも外国語授業が必修となり、本市では年間35時間の英語教育を行うことになったと聞きますので、何点か伺います。
一つは、小学校5、6年生の新学習指導計画による英語は教師の負担増にならないのか、また教師の配置等について問題はないか。
二つは、英語必修化による外国語指導者の確保のための人材活用として、特別教師ボランティアの必要性について。
三つには、新学習指導要綱では、外国語教育以外にどのような改正があるか伺うものであります。
2点目は、学校給食の食中毒に対する対策についてであります。学校給食については、来年度から妹背牛町の委託を受けて給食を生徒に提供することになりますが、日ごろよりその安全安心でおいしい食事を基本に、地場産の野菜や加工品を活用した特色ある給食に努力されていることを高く評価するものであります。さて、先月の岩見沢市における学校給食による食中毒は、9校の小中学校児童生徒、教職員など1,500人余りが下痢や腹痛を起こしたものであり、給食のメニューのブロッコリーサラダから検出されたサルモネラ菌が、患者の便から検出された菌と遺伝子が一致し、この菌による食中毒と判明したのであります。
この際、本市の給食状況について何点か伺います。
一つは、食料品の品質管理や調理器具等の洗浄状況について。
二つは、調理員の注意力や体調、健康管理などの状況と健康管理方針について。
三つは、保健所との連携及び調理場の点検整理状況について。
四つには、施設の老朽化が顕著で、食中毒の発生等衛生管理が危惧され、早期の改築が必要と判断しますが、その計画についても伺います。
3点目は、いじめによる登校拒否と児童虐待の状況と対応についてであります。ことしの教育行政方針に、心身ともに健やかな子供の育成を目指すためには、未然防止と早期対応が重要とし、いじめ根絶に取り組むために、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、心の相談員などの充実を図る努力が表明されております。さきに、北海道教育委員会は、この種の問題についての事件は3,640件あり、前年より183件増加したとの実態を発表されましたが、本市にはこのような事態がないことを願いながらお聞きします。
小中学校におけるいじめによる登校拒否や児童虐待の状況について。加えて、家庭における児童虐待の存在については、教育現場での発見機会が最も多いと思われますので、この点も含め、あればその実態と対応について伺うものであります。
4点目は、新型インフルエンザ対策についてであります。ことしの冬は、昨年のような爆発的な感染流行は見られませんでしたが、感染の危険が全く去ったわけではなく、春、渡り鳥の飛来に伴い、鳥インフルエンザの危険も増すものと考えられますので、小中学校における新型を含むインフルエンザの発生状況と予防対策について伺っておきます。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) 学校運営について、順次お答えをいたします。
初めに、小学校の外国語教育導入の問題点と対策についての一つ目、教師の負担にならないのか、また教師の配置等については問題ないかについて、お答えをいたします。新学習指導要領を4月から完全実施する小学校では、新しい教育課程での教育活動を進めることになります。本市での外国語活動として、小学校5、6年生は、英語活動を年間35時間実施することになり、他の教科と同様に主に担任教師が文部科学省発行の英語ノートなどの指導資料を活用しながら進められます。完全移行の前の措置期間として、平成21年度に10時間、本年度は15から20時間の英語の活動を既に行っておりますし、また教師も学校内外においてこれらに関する研修に参加するなどの準備を行い、小学校の外国語教育導入による教師の負担軽減と適正配置を図ってきたものでございます。
次に、二つ目、英語必修化による外国語指導者の確保のための人材活用として、特別教師ボランティアの必要性についてお答えをいたします。一部の学校では、移行措置が始まった平成21年度から、学校支援地域本部事業の学習支援として、個人ボランティアの方による英語活動が行われている例もありますが、英語活動は新たな取り組みであることから、英語指導助手の活用や英語ノート、発音に関するCD、さらに電子黒板などを有効に活用するなど効果の上がる活動となるよう、教育委員会としても各学校の取り組み状況などを見きわめながら、できる限り支援をしてまいります。
次に、三つ目、新学習要領では、外国語教育以外にどのような改正があるのかについてお答えいたします。学校の教育課程の基本的な枠組みについては、高学年で週1時間新設された外国語活動以外に、国語、社会、算数、理科、体育などの授業が6学年合わせて350時間程度増加し、一方、総合的な学習の時間は、教科の知識、技能を活用する学習活動を各教科の中で充実することから週1時間程度縮減しますが、教科全体としては授業時数が低学年で週2時間、中高学年で週1時間増加するものです。なお、この授業時数が増加することは、指導内容をふやすということを主な目的としているものではなく、子供たちがつまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習や知識、技能を活用する学習を行う時間を充実していくため必要なものといった基本的な考え方によるものでございます。
次に、学校運営の2点目、学校給食の食中毒に対する対策について、4点にわたり質問をいただきましたのでお答えをいたします。学校給食におきましては、これまでも安全安心で、良質な地元農畜産物を基本に進めてきているところであります。このたび、岩見沢市で発生しました学校給食における食中毒の報道を受け、本給食センターでは、その日のうちに職員に対し衛生管理の遵守と危機管理の徹底についての訓示を行い、翌15日には深川保健所から食中毒に関する資料提供をいただき、再度職員に配布したところであります。
質問の一つ目、食料品の品質管理や調理器具の洗浄についてでありますが、品質管理につきましては、食材納品時に製造年月日、賞味期限、品質、鮮度などを点検記録し、その後、食材の鮮度保持ができるように保管しておりますし、調理器具等の洗浄につきましては、毎日、洗浄後、電気式消毒保管庫にて熱消毒を行うなどしております。
二つ目、調理員の注意力や体調、健康管理などの状況と方針につきましては、食中毒発生を予防するために、日常の手洗いなどの衛生管理の徹底を図るとともに、特にノロウイルスによる食中毒については、2次感染を防止するため、職員に対しては、ノロウイルス感染が疑われる場合にはまず出勤を控えること、ノロウイルス検査の必要がある場合には検査結果が確認されるまでは出勤しないこと、家族の中にノロウイルスに感染した方がいる場合には、同様な対応をしております。また、職員の毎日の健康状況については、腹痛、下痢、嘔吐はしていないかなどの衛生管理チェックを家族を含めて毎日行っており、万が一、本人の体調が万全でない場合にも代替職員を手当てし対応しているところであり、今後とも適正な管理に努めてまいります。
三つ目、保健所の連携と調理場の点検・整理状況については、当センターも毎年2回、深川保健所による抜き打ちの衛生管理点検を受けておりますし、保健所との連携では、日常業務での疑問に対し業務の相談の対応、さらに学校給食センター運営委員会の委員として衛生面からの運営にご協力を賜っているもので、今後とも深川保健所と十分連携を図りながら適正な管理に努めてまいります。
四つ目、施設の老朽化による食中毒の発生と衛生管理が危惧されることから、早期の改築が必要と判断するが、その計画についてであります。本センターでは、これまでも衛生管理に配慮した対応を行ってきております。特に、平成8年から10年にかけて、天井、床、電気設備の改修を行い、また13年からは、従来のウエット方式から細菌の増殖を抑えることができるドライシステムの運用を行うなど、適正な管理に努めているところであり、質問にありました改築につきましては、前段申し上げたように施設などの整備を行っておりますが、本センターは設置後約45年が経過し、また衛生管理基準も強化されていることなどを踏まえ、北空知の広域連携を展望しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、学校運営についての3点目、いじめによる登校拒否と児童虐待の状況についてお答えをいたします。現在、本市の不登校児童生徒には、いじめが原因による登校拒否はないものと把握をしておりますが、いじめは、どの児童生徒にも、どの学校においても起こり得るものであるという危機意識を持つことが重要であると十分認識しており、教育委員会では、これまでと同様に関係する方々と連携する中で、いじめの早期発見、早期解決に向けて取り組んでまいります。次に、児童虐待についてですが、教育現場における児童生徒への虐待などはあってはならないことであり、本市の学校においてはそのようなことはありませんが、今後とも学校と連携する中で児童生徒への適切な対応に努めてまいります。また、教職員は、学校の中で児童生徒とともに過ごす時間が長時間となり、児童生徒の心身の状況を観察する機会が多いことから、家庭における児童生徒への虐待を発見する機会が多いと考えられます。学校は教育機関であり、その根底には、子供の生命と安全を守ることが最重要視されなければなりません。虐待を受けたと思われるような児童生徒を発見した場合には、虐待について対応する機関等への通報を初め、安全確保の適正な措置をとるよう教職員全体の連携と情報の共有を図っており、迅速かつ適切に対応することとしております。
次に、学校運営の4点目、新型インフルエンザ対策についてお答えいたします。今年度、インフルエンザの学校での発生状況は、昨年10月から11月にかけて、深川小学校2学年、3学年、6学年で学年閉鎖を行って以降、学級閉鎖等の状況はなく、学校教育への大きな影響もなく済んでおりましたが、先月末、音江小学校の6学年で、2月25日から28日までの間、学年閉鎖をいたしました。前年度の新型インフルエンザ等の大流行もあったことから、児童生徒のインフルエンザへの感染予防には早い時期から指導に努めてきたところであります。学期末を迎え、受験、卒業、進学の準備など、児童生徒にとっても大切な時期を迎えております。今後もインフルエンザの発生状況に留意するとともに、引き続きうがい、手洗いの励行、十分な睡眠時間の確保、栄養摂取など、各家庭と連携をとりながら感染予防の指導をしてまいります。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) それでは、続いて5番目の深川市学校配置基本方針について伺います。
深川市学校配置基本方針について、3点お聞きします。1点目は、配置の基本方針と地元協議についてであります。まことに残念な事態ではありますが、本市においては、過疎と少子高齢化が急速に進み、児童生徒の減少により学校を中心とする地域に大きな変化が起き、地域住民のコミュニティの場が消えていく状況に拍車がかかってきたものであり、学校再配置の検討がやむを得ない状況と理解をいたします。そこで、学校配置の方針については、教育行政方針で表明されているところでありますが、改めて基本的な方針を伺うものであります。あわせて、地元関係者との協議手順等についても伺います。
2点目は、保護者及び生徒の心配についてであります。学校統廃合にかかわるさまざまな環境の変化に対する保護者や生徒同士の人間関係の心配に対し、安心感を抱かせる丁寧な説明が求められると思いますが、その対応について伺います。
3点目は、跡地の利活用について伺います。本市は昭和38年に合併市となり、およそ半世紀を迎えようとしておりますが、学校統廃合については、高い地域特性のため、特に地域との約束事が多く存在した事態を貴重な教訓とすることが望まれます。廃校に伴う跡地対策の基本方針を伺っておきます。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
鈴木教育長。
〇教育長(鈴木 英利君) 深川市学校配置基本方針について、順次お答えを申し上げます。
初めに、基本方針と地元協議の状況についての1点目、基本的な方針についてお答え申し上げます。質問の中にもありましたが、全国的に少子化が進み、本市においても児童生徒の減少に伴う小中学校の小規模化が進行する中で、教育委員会では子供たちによりよい教育環境を提供するためにはどのようにすべきなのかなどを検討するため、平成21年度から市内各小中学校のPTAの役員の方、各町内会連合会の役員の方、学校関係者の方から成る深川市小中学校適正配置のあり方に対する懇話会を、昨年10月までに4回開催させていただきまして、それぞれご意見、ご提案等をいただきました。その過程を経まして、小中学校の小規模化に伴う課題に対し、市民と教育委員会が協働して対応していくための素案として、深川市学校配置基本方針(検討素案)をまとめたものでございます。今後、地元協議など、この検討素案の論議を通しまして、子供たちにとって望ましい教育環境の実現に向けての検討を深め、教育委員会として最終案を示すように考えておりますが、基本方針(検討素案)の中では、小学校が地域の教育の拠点となっていることや、低学年児童の通学距離、あるいは通学時間などを踏まえまして、当面、現状のまま推移をするといたしました。一方、中学校につきましては、将来的には一つの中学校において1学年2学級以上の規模の学校にしていくこととし、中学校ごとに統廃合の検討を進めるものとするという素案をお示ししております。
次に、2点目、地元関係者との協議手順等についてお答え申し上げます。地元協議の取り組みにつきましては、検討素案の中でもお示しをしておりますとおり、対象地区である中学校区ごとに実施をすることとし、主な参加者として、保護者の方や、学校地域に関係する主な団体の代表者の方などと想定をしており、既に1月末から2月にかけて、各中学校区において、保護者の方を対象とした説明会を実施いたしました。これらの地元協議を通じまして、小中学校の児童生徒数や学級数などから、小中学校の現状についての理解を深めていただき、地元での合意形成が得られるように努め、平成23年度には、教育委員会としての学校配置基本方針についての最終案をお示ししたいと考えており、今後、統廃合について検討を要する中学校区を中心に、関係するPTAの方々とご相談申し上げながら地元協議を実施してまいります。
次に、保護者及び生徒の心配についてですが、地元協議では、地域の方々が学校の小規模化とそれに伴う諸課題を地域の問題として理解し、共有していただいた上でその解決策を話し合うことを目的としております。今後、検討素案についての協議を進める際には、保護者、地域、学校、教育委員会が十分な対話を重ね、子供たちの教育にとって最も望ましい結論を導き出せるように取り組んでいく必要があると考えており、学校統廃合による環境変化などに対する保護者や生徒の心配などに十分に気を配りながら協議に当たってまいりたいと考えております。
次に、跡地の利活用についてですが、学校統廃合が実施されたとして、その廃校施設あるいは校舎などの利活用につきましては、この検討素案にも記しておりますように、地域合意の後に協議することを基本としながらも、協議の中で場合によっては並行して地元の方々のご意見を伺っていくことがあると考えております。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) 通告の6番目、海外資本による山林買収について伺います。
我が国のGDPはついに中国に抜かれ、景気の低迷も長期化している状況下で、予期せぬ海外資本による森林買収がばっこしております。財務省の取りまとめ等によりますと、道内の外国資本による土地取得が、2007年度以降3,682ヘクタール、604件に上るとのことであり、近隣の自治体では、砂川市で292ヘクタールもの広い面積が買収されているようであります。2月20日の北海道新聞は、山形でも最上川源流の10ヘクタールが外国資本に買収されたと報じております。土地の所有権を外国に売るという行為は、日本の国土を外国に売る行為であり、領土問題で領有権を争っている意味を考えますと、この行為は国がしっかりと法規制をすべきと考えます。地方自治体でも先々の対応が求められると思います。1月27日の北海道新聞の報道によりますと、ニセコ町では海外資本による乱開発規制を目的として、地下水保全条例と水道水源保護条例を制定する意向であります。
以下、2点について伺います。1点は、土地買収のグローバル化現象に対する認識について。
2点目は、本市の現状と今後の対策について伺います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 海外資本による山林買収についてお答えいたします。
1点目の土地売買のグローバル化現象に対する認識と見解についてでありますが、近年、外国資本による森林買収が全国各地で起きているという報道がなされておりまして、昨年の北海道の調査では、道内でも33件、820ヘクタールの林地が海外資本によって取得されていたことが明らかになっております。これら外国資本による森林買収につきましては、日本の水資源をねらって河川の源流となっている水源林を買収しているのではないかなどといったような報道もありまして、森林の無秩序な開発や水資源の保全等に対する懸念が生じているようであります。日本国内における土地の売買については、農地法の制約を受ける農地のほかは、土地の売買は原則自由となっているものでございますが、法的な届け出については、森林の場合1ヘクタール以上の売買について国土利用計画法に基づく北海道への届け出が、契約締結後2週間以内に義務づけられている状況にございます。なお、政府におきましては、昨年10月の参議院予算委員会における外国人の土地取引の規制について、一つの考え方をまとめてみたいとの首相答弁を受けまして、与党民主党の中で、外国人による土地取引に関するプロジェクトチームが設置されたと伺っております。また、北海道におきましては、知事が来年度内に水資源を保全することを目的とした条例制定の考えを示しているということもございまして、市としましては政府及び北海道の検討結果を見守ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の本市の現状と今後の対策についてでございます。本市における外国資本による森林買収の土地所有の現状ということですけれども、法務局からの異動通知では、所有者が外国資本による法人等か否か特定するというのは非常に難しい面がございます。なお、国土利用計画法に基づく届け出の内容などからも判断しますと、これまでのところ外国資本による土地所有はないものと判断をしております。しかし、質問にもございましたように、近隣の砂川市では外国資本による森林買収の事例が報告されているということもございますので、前段申し上げましたように、政府、北海道におけるさまざまな検討状況も十分に見きわめながら、今後とも注視してまいりたいと考えているところでございます。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) しっかり監視をお願いしたいと思います。
通告の7番目、北海道からの権限移譲について伺います。
2000年の地方自治法の改正に合わせ、地方分権一括法として457本の法律が採択され今日に至っており、新政権も地方主権を掲げて一層の推進を図ろうとしており、身近な例としてパスポートの発行など、徐々にではありますが進展していると受けとめられ、市民生活の利便性の向上の観点からも一層の推進を図るべきとの立場から、以下、2点について伺います。
1点は、平成22年度の権限移譲の状況と実績についてであります。平成22年第1回市議会定例会での質問に対し、22年度の事務事業の権限移譲は、中小企業等協同組合法における員外利用の特例の許可等に関する事務外3件、計4件の移譲を受けるとの答弁がありましたが、結果として予定どおりなのか状況と実績について伺います。
2点目は、平成23年度に移譲が予定される事務事業とその効果についてであります。新年度には、農地法にかかわる農地等の権利異動の許可に関する事務等、重要な許認可事項の権限移譲があると聞きます。担当所管は忙しくなると思いますが、市民の立場から大いに歓迎すべきことであります。しかし同時に、担当機関及び担当者は、許認可に当たって法に照らし、厳正・公正な判断が求められる義務と責任が生ずることも覚悟しなければなりません。新年度に権限移譲が予定されている事務事業とスケジュール、市民への周知方法及びその効果について伺います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 北海道からの権限移譲についてお答えいたします。
1点目の平成22年度の権限移譲の状況と実績についてでありますが、昨年の第1回市議会定例会で申し上げましたとおり、4件の事務権限の移譲を受けたところでございます。このうち、母子保健法における低体重児の出生の届出の受理及び未熟児の訪問指導につきましては、昨年4月の移譲後、届出の受理件数が10件、訪問指導が7件の取り扱いとなっております。このほか、他の3件の移譲事務であります中小企業等協同組合法における員外利用の特例の許可等に関する事務、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律におけるとがりねずみ科及びねずみ科に属する獣類の有害捕獲等の許可に関する事務、及びニュウナイスズメの卵の有害採取等の許可に関する事務につきましては、今のところ取り扱い件数はないという状況でございます。また、平成21年6月に移譲を受けましたパスポートの申請及び交付事務につきましては、申請者の方々に今までより身近で申請ができるということで大変喜ばれておりまして、昨年4月から本年2月末までの発行状況は、5年申請が129件、10年申請が198件、訂正申請が8件となっております。月平均30件程度となっておりまして、平成21年度の平均よりも5件ほどふえているという状況でございます。
次に、2点目の平成23年度に移譲が予定される事務事業と効果についてでございます。新年度に移譲を受ける権限は合計で9件でございまして、既に北海道議会で移譲に関する条例が可決されておりまして、このうち老人福祉法における有料老人ホームの設置に関する事務、農地法における農地等の権利異動の許可に関する事務、工場立地法における特定工場に関する届出の審査等に関する事務、特定非営利活動促進法における特定非営利活動法人の設立認証等に関する事務、都市計画法における開発行為の許可等に関する事務、及び市街地開発事業等予定区域内における建築等の規制に関する事務、浄化槽法における届出の内容が相当であると認める旨の通知の7件につきましては本年4月から、農業振興地域の整備に関する法律における農用地区域内における開発行為の許可等に関する事務、森林法における開発行為の許可等に関する事務の2件につきましては平成24年1月から、それぞれ事務権限の移譲を受けるということになっております。移譲事務の周知についてですが、広報やホームページなどで周知を図るほか、各事務の担当から関係する団体の方々に直接お知らせをするなど、普及啓発に努めてまいりたいと思います。また、事務権限の移譲による効果についてですが、申請から許可までの期間が短縮され、さらに事務の効率化とともに関係する方々の利便性が向上するものと考えております。そういった意味で、今後も市民の利便性やサービスの向上、効率的な行政運営などの観点から十分検討を行いまして、積極的に対応してまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) 大変重要な権限移譲があったようで、しっかりよろしくお願いしたいと思います。
最後になります。深川市の市歌について伺います。
少しとっぴな発想かもしませんが、国には国歌があり、小中学校、高校、大学では、どこの学校にも通常は校歌があります。しかし、地方自治体では、その例を私は知りません。ご案内のとおり、花、木、鳥については、当然のように各自治体が一様に指定しております。その根拠は何であるのか私は知りませんし、求めるものでもありませんが、童謡から演歌も含め、さまざまな歌の分野でプロ歌手が活躍する世界の存在が、人々の心の中に占める歌の重要性をいみじくも物語っていると考えます。
以下2点について伺います。1点は、開基100年を記念して創作された「北斗わが市ふかがわ」を、市歌として制定、普及する考えについてであります。この歌は、高橋啓治氏が作詞、丸谷晴彦氏が作曲で、両氏とも深川市出身であって、極めて故郷を思う心がこもった歌であり、かつプロ歌手イルカが歌う優しく美しい歌声と、川の流れのようなメロディーで、さわやかで現代的な印象の歌であります。深川市の市政ハンドブックの2ページにもイメージソングとして掲載されていますが、残念ながらこの歌の存在を知る市民は少ないようであります。前例のないことに、なかなか取り組みづらいと思いますが、話題づくりも深川のPRの一つでありますので、ぜひご検討を願いたいのであります。普及については、市の各種行事はもちろん、各種市民団体にもお願いし、市民生活のあらゆる場面において活用してほしいし、バックミュージックとしても有効性が高いと思います。ぜひ普及に力を注いでいただきたいと思いますが所見を伺います。
2点目は、学校教育でも普及し、郷土愛の醸成に努めるべきと思うが、見解をということであります。ちまたでは、歌は世につれ世は歌につれと言われますように、世相をも映し出す歌の力は偉大なものがあると私は思っていまして、幼少時から築き上げられた郷土愛は成人してますます強く、ふるさとを思う心となりましょう。「北斗わが市ふかがわ」は、大いにその力を発揮することと確信します。将来、子供たちが深川を出て、就学や就職をした後、この歌を口ずさむ者がおり、それを聞く者がいれば、そこには大きな連帯が生まれるでしょう。学校教育の現場でも、総合の時間を利用したり放送部の協力を得たりして、「北斗わが市ふかがわ」の普及ができないものか見解を伺います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 深川市の市歌についての1点目、「北斗わが市ふかがわ」を市歌として制定、普及する考えについてでございます。現在、本市におきましては、市の木、市の花、市の鳥をそれぞれ制定いたしておりますが、市の歌については定めていない状況でございます。この「北斗わが市ふかがわ」でございますけれども、平成4年に開基100年記念のイメージソングとして詩を広く募集し、深川市出身の作曲家によってメロディーをつけ、でき上がった歌を歌手のイルカが歌い、CDとして作成したものでございます。完成いたしましたCDは、当時、市内の公共施設、学校、事業所などに配布いたしまして、現在は、在庫分につきまして、企画課にて希望者に配布をするとともに、深川市のホームページに楽譜を掲載し、抜粋版でございますけれども、ダウンロードして聞くことができるようになっております。成人式ではオープニングセレモニーとして歌われ、新成人を含めた市民に親しまれているという状況にございます。したがいまして、市歌として制定するということよりも、今後も末永く「北斗わが市ふかがわ」を開基100年記念の歌として大切に位置づける。そういった意味で、市で実施するイベントなどに加えまして、生きがい文化センターや文化交流ホールみ・らいを利用する際や、さまざまな民間団体のイベントなどでも活用していただけるように努めてまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) 2点目の学校教育でも普及し、郷土愛の醸成に努めるべきと思うが見解を、についてお答えいたします。
各学校では、限られた教育課程の枠組みの中で、それに基づく必要な教育活動を実施しており、その中には、ふるさとに対する愛着や誇りが持てるよう、地域の歴史や文化、伝統などについて理解を深める教育も行い、郷土愛の醸成に資しているものと認識しております。先ほど申し上げましたように、新学習指導要領の実施により総合的な学習の時間は週1時間程度縮減することになります。今、新たに開基100年記念の歌としての「北斗わが市ふかがわ」を、教育課程の強化や活動に直ちに取り組まなければならない状況の変化はないものと受けとめており、これまでと同様、教育委員会が実施する行事などで市民の皆様にも数多く聞いていただけるようにしてまいりたいと存じます。
〇議長(北本 清美君) ただいま山下市長から先ほどの答弁で一部訂正したい旨の申し出がありますので、これを許可します。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) 申しわけございません。
質問項目1点目の人口減少と市政運営についての質問に対する答弁の中で、2点、申し上げ間違いといいましょうか、言い間違いをしてしまいましたので訂正をお願いしたいと思います。
1点目は、昭和40年の国勢調査と平成22年の国勢調査における人口の差、人口減少の数について、正しくは1万6,092人と申し上げるべきところを、1万6,902人と間違えて申し上げたと思いますので、訂正をお願いしたいというのが1点。
それから、もう1点は、人口動態の部分の社会動態について、20歳代において、正しくは、転入者、入ってくる人よりも、転出者、出ていく人が大きく上回っているということを申し上げるべきところを、間違えて逆に申し上げたようでございますので、訂正をお願いしたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 山田議員。
〇2番(山田 圭二君) 以上、「北斗わが市ふかがわ」のますますの普及をお願いして、一般質問を終わります。
〇議長(北本 清美君) 以上で山田議員の一般質問を終わります。
暫時休憩します。
(午前11時18分 休憩)
(午前11時28分 再開)
〇議長(北本 清美君) 休憩前に引き続き開議します。
一般質問を続けます。
次に、川中議員。
〔川中議員、質問席へ〕
〇12番(川中 裕君) 火山列島日本とはいえ、1月27日未明に噴火した鹿児島県・宮崎県県境の霧島連山新燃岳が、噴火災害の脅威を見せつけました。爆発的噴火に伴い、強烈な空気振動が火口約5キロ先にある鹿児島県霧島市のホテルや学校、病院のガラスをたたき割り、負傷者も出ました。赤く照る噴石も火口から3キロ先の林まで飛び散り、火砕流、土石流の2次災害に地元住民の生活を脅かし、3月1日にも13回目の爆発的噴火があり、被害に見舞われた住民の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。一方、2月22日に発生しましたニュージーランドの大地震は、日本人留学生を含む大惨事となり、当国政府は3日、安否不明の被害者の救出作業を打ち切り、遺体の収容作業に移行すると発表しました。日本人28人、けさの新聞では1人が救出されて、27人を含む多くの方がいまだに確認されておらず、一日も早い救出を願うものであり、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げつつ、公政クラブを代表いたしまして一般質問を行います。
最初に、市長の基本姿勢についてお伺いいたします。
山下市長にとっては、2期目の最初の予算議会となる定例会、昨年の12月、無投票当選を果たされました山下市長に改めてお祝いとお喜びを申し上げる次第であります。1期4年間、個性と活力ある深川市建設を目指して市長に就任以来、まず最初に入札制度の見直しを図り、透明度の高い信頼される市役所づくりに着手し、職員、市民一体となって、健全財政の確保のための行政運営プランの見直し、財政収支改善に取り組み、着実に起債残高の解消に努め、一方、深川市立病院経営健全化計画を策定し、この計画に基づき早期に資金不足比率20%未満に引き下げるべく、中島院長を初めとする医療スタッフや関係職員の取り組みがされており、その努力の成果を期待しているところであります。山下市長の今日までの行政手腕につきましては一定の評価をするものであり、2期目に向けた出馬のコメントにもあったように、深川市の発展とすべての市民の幸せの増進のために、私が市長として引き続きお役に立つ余地が残されているとの考えに至ったと表明され、選挙戦に臨み、見事無投票当選を果たし、市民の期待、信頼にこたえるように全身全霊で尽くすと2期目の抱負を語られました。
そこで、2期目に臨む市長の基本姿勢についてお伺いいたします。1点目は、深川市の未来像についてであります。市長就任以来1期目については、さきにも述べたように前任者の後始末と財政の健全化に終始し、まちづくり、地域活性化対策等に対しなかなか市長としてのカラーが出せなかったと感じます。基幹産業であります農業も、環太平洋連携協定への参加検討で大きく揺れており、農業にとっても地域経済にとっても死活問題であり、どう切り抜けていくか。一方、少子高齢化が一段と進み人口減少に歯どめがかからず、経済不振の続く中、深川市の活路はあるのか。市長の目指す深川市の未来像についてお伺いいたします。
2点目に、円滑な行政推進を図るための行政手法についてお伺いをいたします。市長として1期4年の実績をもって2期目に臨んでいただいているところでありますが、執行機関である長と意思決定機関である議会の議員は、ともに住民の直接選挙で選ばれ、それぞれ職務権限を分かち、相互の牽制と均衡によって地方行政の強力かつ公正妥当な運営が確保されなければなりません。執行機関と議会との関係については、特に昨年度より話題になっております鹿児島県阿久根市では市長が市議会を招集しなかったり、議決を得ないで専決処分を連発。名古屋市では市長が主導した市議会解散を求める直接請求、リコールが成立し、先月その是非を問う住民投票が行われ、議会解散に至るなど、市長側の強引な政治手法に対する批判がある反面、議会に対する不信もあらわになった結果であります。あえて私がここで取り上げるのは、1期4年の山下市長の政治手法を見てきて、市長も議会も最終的に求めるものは市民生活の安定と住民福祉の向上、地域経済の向上発展であり、その手法で議論になるわけであります。地域のことは地域がみずからが決める政治の確立には、住民の参加が不可欠であり、円滑かつ効率的に行使するためには、議会側あるいは職員の意見を聞くことが大切であり、ふだんからもっと意見を交わす必要があると思います。時にはリーダーシップをとり、時には柔軟に議会や職員の意見にも配慮し、信頼と融和をもって行政推進に当たっていくことを望むものであります。あわせて、各団体との連携強化でありますが、市長が提唱しております協働のまちづくりを推進していく上で、当然、市民の協力なくして実施でき得ないものであり、商工会議所やJAとの関係強化を進め、事業推進に協力していただくことが肝要であります。以前に行われておりました各関係機関・団体のトップとの懇話会、一水会がありました。毎月第1水曜日の正午から1時間程度、時の話題を中心に懇談する機会を復活させてはと思うところであります。行政推進上関係する機関団体とのより一層の連携を求めるものでありますが、市長の見解をお伺いいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) 初めに、深川市の未来像にかかわる質問にお答えをしたいと思います。我が国は全国的に人口減少、少子高齢化が進行しておりますし、経済情勢の面でも、国内需要の不振などから、大変厳しい経済状況が続いております。また、国民の将来に対する不安といったものも増大してきている。そんな中で我が市も、残念ながら地域経済・産業の低迷、停滞、それから雇用の面でも停滞が続いている。また、中心市街地の空洞化などといった問題にも直面いたしているわけでございます。本市を取り巻くそうしたさまざまな問題につきまして、市政の中で問題の本質を直視して、それの抜本的な解決、改善に向けて、自治体としてこれまで以上に真剣に創意工夫を凝らして、そうしたものに対する闘いの取り組みを進めるということが本当に大事になってきていると思っております。具体的に、国や道のこうしたことにかかわる施策の動向、情報をいち早く収集して分析したり、そしてそれを受けてうまく活用していくといったことを念頭に置いて政策を進めなければなりませんし、さらに市内のさまざまな団体の皆さん方とより一層緊密に連携する中で、また市の中では、議員が言われるように、市職員一丸となって、市政の、本市の行財政運営に一層取り組んでいく。的確、効果的な推進をさらに進めていかねばならないと、今、そう強く認識いたしているところでございます。今後の行財政運営ということについては、何回も申し上げておりますが、引き続き収支改善にかかわる方針に沿って財政運営を進め、健全財政の基盤づくりといったことをしっかりやらねばなりませんし、その中で財政の健全化計画に基づいた市立病院の経営の健全化も非常に大きな問題としてまだ残っております。その一方で、人口問題、先ほども議論になりましたけれども、深川市が元気で活力のあるまちとして今後とも発展していく。そのためには、やはり福祉面から産業面まで幅広く、いろいろな人口経済対策といったものを総合的に進めて、まちの活力をつくり出していくことがどうしても重要でございます。そうしたことのために、引き続き市民の皆さんと協働してまちをつくるのだといった考え方に基づいて、そうした市民協働を今まで以上に強力に推進してもらって、一歩一歩確実にまちづくりの歩みを進めてまいりたいという思いをいたしているところでございます。そうした考え方で、これからも精いっぱい全力投球で施策の推進に当たってまいりたいと思っておりますので、引き続きご指導とご鞭撻をお願いしたいと思います。
それから、2点目の円滑な行政推進のための行政手法について何点かご指摘があり、また質問がありました。今も申し上げましたが、本市のまちづくりの基本方向の一つは市民と協働して進めるまちづくり、市民協働ということでございますので、これまでも私たちの市政運営の中で、まちづくりを進める上で重要な計画の策定でありますとか、また施策の決定といったことに当たりましては、市の基本的な考え方を市民の皆様方や議員各位にお示しをし、説明する中でさまざまご意見、ご要望などをいただいて、それらを十分把握、そしゃくした上で、案のようなものを取りまとめ、それをさらに議会にかけて十分ご審議いただいた上で事業を進めるといった考え方で、市政運営に努めてきたつもりでございます。引き続きそうしたことをより丁寧にやっていく中で、丁寧な市政運営に努めるということに心を用いてまいりたいと思っております。職員との関係、それから議会との関係についても議員ご指摘のとおりでございまして、職員との関係では、さらに忌憚なく遠慮なく意見や議論を交わし合い、よりよい施策を立案していくといった職場環境づくり、それから職員とのさらなる意思の疎通の向上に向けて、さらに意を用いてまいりたいと思っておりますし、議会との関係についても、議員ご指摘のとおり共通の問題意識、認識、それから施策の方向を持ちながら、しかしそれぞれ与えられた立場が違いますので、適度な緊張関係も保ちながら、この議場において闊達な議論を交わしながら、ともに市政の発展にそれぞれ尽力していくことが求められているのだろうと思っております。こうした観点から、これからもいろいろとご議論、ご指導などを賜りたいと思っているところでございます。それから、各団体との連携ということも、まさにそのとおりでございまして、JAや商工会議所を初め、いろいろな行政にかかわる団体の皆さんとの連携強化についても、これは本当に言うまでもなく、行政を進める上で大変重要なパートナーでございますので、これらの団体の皆さんとはより一層、連携、連絡調整を密にして、まさに信頼関係に立って、お互いに協力し合いながら施策を進めていきたい。そのように我々もさらに努力をしていきたいと思っているところであります。最後に、一水会のような組織の復活ということについてお尋ねがありました。この議場でも、かねがねそうしたことについてご提言をいただいておりまして、私どもも、一水会のような国や県のいろいろな関係行政機関などの皆様方と意見交換をする、情報交換をする場というのはやはりあったほうがいいだろうと思っておりまして、具体的にそれぞれ市内の関係する皆様方にそうした考え方について、今、意向把握などに努めているところでございまして、できるだけ早く結論を出したいと思っております。ただ、ことしの場合はこれから統一地方選挙などがありますし、また道庁の関係の人事異動なども若干おくれるというような情報を聞いております。さらに言えば、国の出先機関についても一定程度の異動もあると伺っております。そうしたものが少し落ちついた段階で、ことしじゅうには一水会的な会合開催に向けて結論を出して、できれば年内に開催を実現したいと思っております。こうした会合を開くということは、本市における行財政運営の推進にきっと大きな力になってくれるだろうと確信をいたしておりますので、そのように努力したいと思っております。議員各位にも引き続きご協力、ご指導いただきたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) 老婆心ながら言わせていただきましたけれども、いずれにしても五箇条の御誓文ではありませんが、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」と、今後ともそういった意味で行政運営に当たっていただきたいと思います。
それでは、次に移ります。北空知地域の広域連携の強化についてお伺いをいたします。
市長の2期目の公約にも掲げております北空知広域圏による、政治経済を初めとするあらゆる分野における連携強化による取り組みの推進とあります。過去には平成の大合併を目指して、1市5町による合併問題を論議した経過がありますが、不調に終わり、その後、昨年4月より、道の進める支庁再編により幌加内町が上川総合振興局に移り、北空知1市4町となったわけであります。北空知の中核都市として、今日まで政治経済全般にわたり中心的立場で信頼と協調を旨とし、疲弊する地域経済の立て直しや、地方自治体の効率化・簡素化による見直し等が求められ、以前から組織的に協議を進めております北空知圏振興協議会の経過についてお伺いいたします。
1点目に、今日までの取り組み状況について。当協議会につきましては、広域連携研究部会や広域行政事務にかかわる専門部会を設置し、協議がされていると思います。現実的には、昨年12月の第4回定例会に議案として提案のあった、北空知4町で組織する北空知衛生施設組合の最終処分場の埋め立てが限度量に達することから深川市リサイクルプラザを共同利用する件や、妹背牛町からの学校給食事務の受託等については、既に議会議決もされ、新年度より事業展開がされることになっております。また、今定例会にも議案として提案されております北空知圏振興協議会規約の一部を変更する規約についてで、昨年4月、幌加内町が上川総合振興局に移行されたことから、本年4月より北空知圏振興協議会を脱会する議決がされたばかりであります。これらの事業も含めた事務事業の見直し、検討協議についての取り組み状況についてお伺いいたします。
2点目に、一部事務組合、消防の動向についてであります。消防行政に関しましては、深川地区消防組合の議会で論議をする部分もありますが、北空知地域の広域連携強化の観点からお伺いし、答弁を求めるものであります。協議会では、廃棄物の処理、葬斎事業、学校給食、水道事業、消防組合の5分野について検討された経緯があります。既に昨年4月の時点で、支庁制度改革に伴い、道の機関では幌加内町が上川総合振興局に移行することにより、保健所や農業改良普及センター等が上川の管轄に移行されており、警察についてもことし4月より深川警察署から士別警察署に移行すると伺っております。森谷町長も当時、町民の利便性向上と広域連携や将来の合併を考えて、上川編入を決断したとコメントしております。消防署につきましては、現在、深川地区消防組合に加盟しておりますが、北海道では北海道消防救急無線広域化・共同化及び消防司令業務の共同運用に係る整備計画を平成20年7月に策定し、消防救急無線については、電波法改正により28年5月末までにデジタル化方式に移行することになっており、整備には多大な費用を要すると伺っております。経費節減とシステムの一元化による合理的な事業の推進を図る必要があると思いますが、今後の対応についてお伺いいたします。
3点目に、深川市立病院に関する支援協議についてであります。市立病院は、深川市民ばかりでなく、第2次医療圏であり、北空知圏域における中核病院として大きな役割を果たしており、市立病院の経営健全化については、本年度における市政の重要な政策課題にも挙げており、病院運営の健全化と安定的に安心な医療サービスが受けられる病院であるためには、北空知近隣町の多くの関係者の理解と協力を得ながら、中長期的な展望に立った支援について、北空知圏振興協議会民生教育専門部会において協議した経過があるのかどうか。あるとするなら、その内容等についてもお伺いします。あわせて、今後の支援要請活動についてもお伺いいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 北空知地域の広域連携の強化についてお答えいたします。
1点目の北空知圏振興協議会の今日までの取り組み状況についてであります。北空知圏振興協議会では、圏域における広域連携の推進にかかわる諸課題について研究協議を行うため、広域連携研究推進部会を設置しており、廃棄物処理や学校給食などについて連携の実現に向け、検討を行ってきた経過がございます。廃棄物処理については、リサイクルプラザを北空知衛生センター組合に移管し、1市4町で共同利用することに、学校給食については、本市が妹背牛町の学校給食事務を受託し、いずれも本年4月から連携して取り組んでいくといったことになっております。また、各市町の共通の事務事業の効率化や広域的課題の解決を図るため、総務、民生、教育、経済、建設の五つの専門部会において、各行政分野における課題の解決策や連携方法などについて協議を進めてきております。専門部会におきましては、これまで20項目のテーマについて、その解決策や連携方法を協議してきており、このうち障害程度区分認定審査会については、各市町の効率化を図るため、平成21年度から統合が実現されているほか、消費生活相談体制など共通事務の広域化についても連携実現に向け、現在も各部会で協議を進めているところでございます。今後も事務の効率化や財政面などそのメリットが生かせるものについては、広域連携について各町と積極的に協議してまいりたいと考えております。
次に、一部事務組合の動向についてお答えいたします。消防救急無線につきましては、平成20年5月の電波法周波数割り当て計画の公示によりまして、アナログ無線の使用期限が28年5月31日までとされておりますことから、それまでにデジタル無線へ移行することになるものでございます。このデジタル無線の整備に当たりましては、北海道が中心になり市町村と消防本部が整備方針を決定するということになっております。その参考とするため、道内を14のブロックに分け、無線基地局の共同整備や共同利用による事業費軽減化等について検討を行うこととしておりまして、昨年8月、本市及び深川地区消防組合を含めた空知総合振興局管内のすべての市町と消防本部が、さらに幌加内町と空知総合振興局がともに、空知ブロック消防救急デジタル無線整備費用軽減化検討会議に参加いたしまして、現在、整備方針の検討を行っているところでございます。今後、この検討会議での議論を踏まえまして、北空知地域における整備方針等も決定されますことから、組合構成市町間における情報交換等、適宜適切な対応に努めていくものと伺っております。
次に、3点目の深川市立病院に対する支援協議についてでございます。北空知圏振興協議会において、医療分野の協議につきましては、専門部会であります民生部会の所管事務となっておりますけれども、民生部会におきましては、夜間、休日の救急医療体制の確保対策や夜間急病テレホンセンターの設置などについて協議をしてきておりまして、これまでは市立病院に対する支援に関する協議というのは行っている経過はございません。医療体制の確保ということでは、本年度、前段申し上げました2件について協議を行っており、昨年10月に救急医療体制が実施されたことから、その実施状況なども見きわめることが必要ですし、さらに平成23年度以降も引き続き協議を続けるということになっておりますので、こうした協議の中で、より一層の連携を深めてまいりたいと考えているところでございます。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) ただいま部長より答弁をいただきましたけれども、3点目の深川市立病院に対する支援協議について再質問をさせていただきます。
今の答弁でありますと、協議会で夜間、休日の救急医療体制、あるいは夜間急病テレホンセンターの関係について協議した経過があるということですけれども、しかしながら、私は市立病院の支援対策については、あらゆる場面において、やはり今の市立病院の置かれている現状、課題を皆さん方に理解していただく上で、そういう意味では大いに協議をしていく必要があると考えております。先日、経済センターで行われました北空知地域医療フォーラムは私も参加させていただきましたし、多くの議員の皆さん方も参加をしております。市民の皆さん方、あるいは近隣の町民の皆さん方も大勢参加した中で、田中裕章社会民生常任委員長がパネラーになって、市民を代表して質問もされております。そのフォーラムの中で、特にいいことを言ってくれたと思うのは、北竜診療所の院長であります浦本氏が、医療関係についてはもう既に北空知全域は合併と同じ運命共同体である。そして、各町もやはり応分の負担をすべきと言明してくれました。これは本当にありがたい話で、やはりこういった内容のことについては、多くの市民あるいは町民もともに地域医療を考えていくという上では大変有意義なフォーラムであったと私どもも認識しております。そういった面では、やはり市側としてもあらゆる場面において、今の置かれている市立病院の現状、課題を共通認識として持っていただきながら、どういう体制で支援していただけるか。これらの問題について大いに協議する必要があると思いますが、再度お伺いをいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) ご指摘のことにつきましては、大変重要な課題と受けとめておりますので、広域圏の一部会にのみならず、あらゆる場面での関係団体・機関との連携を深めるということが重要だと考えておりますので、適切な対応となるように努めてまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) それでは、次の3点目に移ります。深川穀類乾燥調製貯蔵施設増設にかかわる支援について。
昨年を振り返りますと、全国で記録的な猛暑に見舞われ、道内では高温多湿により農作物に大きな被害が出た年であります。市内にあっても、基幹作物である水稲においては、いもち病の発生もあり、全道の作況指数98でありながら、北空知地方にあっては94の不良と、全道一作柄が悪い残念な結果に終わり、収量の減少、品質の低下、さらには価格の低迷と、2年続きの不作に悩まされてきたのであります。それにも増して、突如としてあらわれたTPP、環太平洋戦略的経済連携協定への参加問題であります。万が一にも国内農業対策を講じないままTPPに参加となれば、その影響ははかり知れません。農林水産省の試算では、食料自給率50%目標が14%まで急降下すると予測されており、農作物のみならず、金融、労働、郵政、保険、知的財産、投資環境など、あらゆる分野において日本の労働人口の約5%に当たる340万人が失業すると言われております。農業を取り巻く環境は一段と厳しさを増す中、生産者は食の安心安全な農作物を消費者に届けることが使命であり、持続可能な農業経営の確立と生産環境を守り、生涯安心社会を築くことを経営ビジョンとして展開しております。きたそらち農協のマイナリー施設についてお伺いいたします。深川マイナリーについては、高品質な深川産米の安定供給のため、平成18年度に国費を活用し整備を行い、19年度から供用開始している状況にあります。しかし、現在の米価の低迷など厳しい農業情勢の中で、産地間競争に打ち勝ち、農業経営の安定につなげるためには、より一層の高品質米の安定生産、出荷に努め、深川産米ブランドの確固たる地位を築く必要があります。このような中で、きたそらち農協においては、生産者の意向に沿い、深川マイナリーの増設計画を進めております。昨年8月に市内農業団体等が深川市や議会に対して増設の概要説明と支援要請があり、公政クラブとしても施設の有効活用と施設増設の支援について、市への政策提言をさせていただいたところであります。
ここで2点についてお伺いいたします。1点目、深川マイナリー施設の現状と課題について。これまでの施設の利用状況及び施設を活用する中での課題についてお伺いいたします。
2点目に、施設増設に対する市の支援対策について。現在の深川マイナリーについては、市から施設整備や運営に対する支援等が行われておりますが、今回、きたそらち農協が実施する深川マイナリーの増設について、市としてどのような支援を考えているのかお伺いいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) ただいまの穀類乾燥調製貯蔵施設にかかわる質問について、お答えを申し上げます。
初めに、深川マイナリーの現状と課題ということでございます。今、議員が質問の中でも述べられましたように、深川マイナリーは、平成18年度にJAきたそらちが国の支援を受けて整備をいたしました施設でございまして、19年度から供用を開始しております。現在、稼働しております深川マイナリーにつきまして、当初計画では、深川産米全生産量約51万5,000俵のうち15万俵をこの施設において処理するということで整備が行われたものであります。実際の施設の利用状況ということにつきましては、平成19年度産米では約17万4,000俵がこの施設で処理をされており、20年産米では約24万俵、21年産米では少し不作の年でもあったわけですが、約20万俵、そして22年産米に関しては約23万5,000俵が処理されるということでございまして、いずれの年も計画を上回る処理が行われてきております。生産農家は、もみのままで出荷するという意向が非常に強くなってきておりまして、もみにかかわる取り扱い数量がふえて、施設の処理量と処理能力という面で限界を来しているという状況にあると、我々も認識をいたしております。また、昨年JAきたそらちが実施をしました生産者に対する施設増設などにかかわる利用規模のアンケート調査を行っていますが、その調査においても、ざっと45万俵を超える利用要望が示されたということでございまして、今後におけるマイナリーの施設増強ということが大きな課題になっていると我々行政の立場からも認識をしているところでございます。
2点目に、そうした施設整備を仮に進めるとして、市は支援対策をどのように考えるのかということについてでございます。今、申し上げましたような状況のもとで、議員の指摘もありましたが、現実にJAきたそらちにおいて、深川マイナリーの増設計画というものが考えられているところでございまして、本市としましては、この施設の増設により、米の少量品種はばら出荷ということが続くかと思いますが、少量品種以外のお米については、全量、もみで受け入れるということで、実需者が求める良食味米、高品質で安全安心なお米を生産することが、もみで集荷をすることで可能になり、産地間競争の強化にもつながるといったことや、また個別経営でもみでマイナリーに運ぶということなりますと、乾燥作業がその部分についての必要性が少なくなるという意味で、労働力不足に対する対応の一つになっていくだろうと、個々の経営の負担を軽減するということにつながるといった効果もあると言えると思います。また、高い評価を最近得つつありますこの深川産米の品質そのものを高位平準化する。みんながだれでも一定程度以上のお米がつくれるといった生産体制を確立していくといったことにもつながり、地域ブランドの強化が図られるなどもろもろあって、良質米産地として、我が深川のお米を有利販売していくことが相当可能になるといったさまざまな事情にかんがみまして農業を基幹産業としております本市としましても、こうした増設の取り組みというのは大変重要な取り組みであると判断いたしております。したがいまして、市としましても、今後、当然一定の支援を検討していく必要があろうかと考えております。ただ、その場合もやはり、当該増設プロジェクトそのものが、これまで同様に国費の採択になる、すなわち国の支援の対象になると。国がそうしたプロジェクトを支援してくれるということが前提になって、その前提の上で、市も必要な支援を行っていくということが大切と思いますので、我々としましては、事業実施主体でありますJAきたそらちとともに関係省庁への協議でありますとか働きかけなどを一生懸命協力しまして、所要の対応を積極的に努めていく。今はそういう段階にあるということを申し上げて、お答えにしたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) ぜひ、市長の力をおかりしながら、事業展開が具現化され、その辺の市の支援を心から期待するところであります。
それでは、次の4点目に移ります。全国学力・学習状況調査実施についてお伺いいたします。
この件につきましては、昨年第3回定例会の一般質問でもお伺いした経緯がございます。調査結果や今後の課題等については、教育委員会として既に調査結果を公表し、抽出調査の学校だけでなく希望利用調査を実施した学校の調査結果を待ち、市全体としての結果を整理し公表するとともに、全国・全道の結果との比較、分析等を行い、今後の教育施策に生かしていく考えであるとの答弁がありました。また、各学校では調査結果に基づき分析と検証を行うことで、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に取り組む予定との答弁がありました。鈴木教育長の教育行政方針でも触れられております、変化の厳しい社会を子供たちが心豊かにたくましく生き抜くため、生きる力を身につけることを最重点に確かな学力の定着を図り、活力ある学校を創造していく方針が示されました。
そこでお伺いいたします。1点目に、市内小中学校の調査結果について。平成19年度より実施され、昨年度で4回目の学力・学習状況調査の結果、抽出調査に加えて、希望利用調査に参加した市内全校で実施した内容の結果についてお伺いします。また、過去3回実施された結果との変化、推移についてもお伺いいたします。
2点目に、調査結果の分析と各学校の対応について。さきの答弁では、全国・全道の結果との比較、分析等を行い、今後の教育施策に生かしていきたいとの答弁でありましたが、確かな学力の向上に資するため作成する深川市学校改善プランの見直しを行い、新たな改善プランのもと、各学校における具体的な学力向上を図る教育の取り組みについてお伺いいたします。一方、生活習慣や学習環境等、保護者の理解と協力の中で、学校と家庭との連携強化についての見解もお伺いいたします。
3点目に、学力の地域格差に対する教育委員会の見解であります。新聞等で報道されております道教育委員会の地域別解答率の発表では、道内の公立の全教科の平均解答率は、小6では66.8%で全国最下位、中3は60.4%で43位と、依然下位に低迷しており、地域規模別では、これまで同様人口規模が大きいほど解答率が高い傾向にあり、また教員の年齢による格差等が指摘されておりますが、市内学校の状況と学力の地域格差に対する教育委員会の見解をお伺いいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) 全国学力・学習状況調査実施についてお答えをいたします。
まず、1点目の市内小中学校の調査結果について答弁申し上げます。平成19年度の開始から本年で4回目となる全国学力・学習状況調査は、今年度から一部の小中学校を対象とした抽出調査と、抽出の対象とならなかった希望利用調査とに分かれて実施されましたが、深川市においてはすべての小中学校において実施をいたしました。調査結果については、抽出調査分が7月30日に文部科学省から、希望利用調査が11月2日に北海道教育委員会から公表され、本市の調査結果といたしましては、主として知識の問題のA調査と、主として活用の問題のB調査において、小学校では、国語Aの正答率は全道平均を上回り、全国平均を下回る結果でありました。国語Bと算数A・Bでは、全国・全道の平均を下回る結果となり、全国の平均正答率との差も広がりました。中学校では、国語Bは全道平均を上回り、全国平均を下回るという結果でしたが、国語Aと数学A・Bについては全国・全道の平均を上回り、特に数学Bでは全国平均を大きく上回りました。同時に行われました学習状況調査においては、小中学校とも、朝食をしっかりとっており、学校が楽しいと感じているようでございます。しかし、これまで同様小中学校とも、全国・全道に比べ家庭学習量が少なくテレビゲームやインターネットをする時間が長いという状況にあります。また、過去3年間の実施結果との変化、推移についてでございますが、平成19年度との比較では、20年度は、小学校2教科4項目において数学Bが若干伸びたものの相対的に若干落ちた部分があり、中学校では、数学Aが若干伸びたものの相対的には前年度と同レベルでありました。平成21年度は、20年度に比べ、小学校2教科4項目のうち、国語Aと算数Aは全国との差が縮まったものの国語Bと算数Bは全国との差が大きくなり、小学校、中学校ともに全国との差が大きくなったところでございます。
次に、調査結果の分析と各学校の対応についてですが、今回の結果を分析の上、確かな学力の向上に資するため作成する深川市学校改善プランの見直しを行い、新たな改善プランのもと学力向上を図る教育の取り組みを進めてまいります。各学校においても、学力を高めるため学校改善プランを作成し、授業の質の向上を図ることや朝読書の実施など、具体的な取り組みを進めることとしております。また、規則正しい生活や家庭学習の習慣化などは、学力と深い関係があるため、これまで以上に学校と家庭との連携を深めるよう取り組んでまいります。
次に、学力の地域格差に対する教育委員会の見解についてですが、教育において、教育の公平性と平等の観点から、人口規模や教員の年齢層の差による学力の格差はあるべきではないと考えております。深川市では、深川市内の学校現場で、常に基礎・基本の定着に向けての指導に当たること、放課後の繰り返し指導や、特に中学校では、教科担任がほかの教科でチームティーチング授業にサブ教師として入り、おくれ感がある生徒への指導に当たる、あるいは長期休業中に生徒の補習を実施するなど、それぞれの学校の状況に応じて取り組んでおります。また、児童生徒の学力向上に向けた取り組みを強化するため、新たな事業として学習サポートプログラム事業を実施することとしており、教育委員会に児童生徒の学力向上について担当する専門職員を配置し、長期休業中や放課後などでの学習サポートや読書活動の推進、また全校一斉参観日など、さまざまな取り組みを進め、学力の向上が図られるよう努めてまいります。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) ぜひ学校、教育委員会あわせて、子供たちの学力の向上のために今後とも一層の努力を期待したいと思います。
それでは最後に、5点目の小中学校適正配置についてお伺いをいたします。
過去2回にわたって質問させていただきましたが、少子化や地域間での人口の偏在に伴う学校の小規模化が一層進み、既に現在多度志小学校では、3、4年生と5、6年生の2学級、納内小学校では、3、4年生の1学級で複式学級が取り入れられております。近い将来には、2学校に加えて北新小学校と多度志中学校でも、児童生徒の減少で複式学級が見込まれております。将来にわたって義務教育の機会均等など教育水準の維持向上を図り、子供たちが生きる力をはぐくむことのできる学校教育を保障する観点から、学校の適正配置のあり方について検討が進められております。1月には深川市学校配置基本計画の教育委員会の素案が示され、小中学校の保護者の皆さんへの説明会が既に行われたとお聞きしております。児童生徒の減少する中、活力ある教育活動を展開するため、子供たちにとって望ましい教育環境の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
1点目に、各学校の児童生徒数及び学級数の推移について。現状並びに今後推定されるそれぞれの数値についてお示し願います。
2点目に、深川市学校配置基本計画策定に至るまでの経緯・経過について。平成21年度より深川市小中学校適正配置のあり方に関する懇話会を開催し、市内小中学校PTA役員や町内会連合会役員、学校関係者等との意見・提案等の内容、素案策定に至る経過についてお伺いをいたします。
3点目に、保護者対象の説明会の規模・内容等について。既に市内5カ所で小中学校の保護者を対象に説明会が実施されました。各地での参加人数や意見交換内容等についてお伺いいたします。
4点目に、今後のスケジュールについてであります。今回の説明では、保護者対象で行われたようでありますが、今後、地域住民や各関係機関との説明会や課題、問題解決のための地域協議等の予定など今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
鈴木教育長。
〇教育長(鈴木 英利君) 小中学校適正配置についてお答え申し上げます。
初めに、各学校の児童生徒数及び学級数の推移についてですが、今回の深川市学校配置基本方針(検討素案)説明会でご配付申し上げました昨年7月現在の資料に基づきまして、本年度と5年後であります平成27年度の児童生徒数及び普通学級数を各学校ごとに申し上げますと、深川小学校の児童数は、22年度の394人から27年度には315人に、学級数は12学級で変わりません。一已小学校の児童数は、平成22年度の316人から27年度には311人に、学級数は11学級から12学級を見込んでおります。以下、同様に申し上げますが、北新小学校の児童数は78人から51人に、学級数は6学級から5学級へ。納内小学校の児童数は61人から56人に、学級数は5学級で変わりません。音江小学校の児童数は104人から84人に、学級数は6学級で変わりません。多度志小学校の児童数は32人から21人に、4学級から3学級へ変わります。深川中学校の生徒数は、232人から208人に、学級数は7学級から6学級へ。一已中学校の生徒数は、215人から194人に、学級数は7学級から6学級へ。納内中学校の生徒数は、36人から28人に、学級数は3学級で変わりません。音江中学校の生徒数は、75人から45人に、学級数は3学級で変わりません。多度志中学校の生徒数は16人から14人に、学級数は3学級から2学級へ、それぞれ推移をすると想定しております。
次に、深川市学校配置基本方針策定に至るまでの経緯・経過についてでございますが、深川市小中学校適正配置のあり方に関する懇話会は、平成21年に6月30日と8月26日の2回開催し、今年度に入りまして、昨年6月14日に第3回目を開催いたしました。その中で、参加者の方からは、現状肯定の考え方や、あるいは小学校と中学校を分けて考えるべきという意見、まず教育委員会の考え方が示されてからの議論のほうがしやすいなどの意見をいただきました。また、懇話会という場面ではなかなか意見を出せないので、アンケートをとってはとの提起を受けまして、懇話会の関係者の方を対象にアンケート調査を行い、その結果をもとにした論議をいただきました。さらに、教育委員会の一定の考え方を示すべきとのご提言を受けまして、それまでの懇話会でのご意見やアンケート結果などを十分に尊重させていただいた上で、教育委員会として具体的な検討、討論の素案をまとめまして、昨年10月19日に第4回目となる懇話会で提起、説明を申し上げ、11月に深川市学校配置基本方針(検討素案)を定めるに至ったものであります。
次に、保護者対象の説明会の規模・内容等についてですが、本説明会につきましては、ただいま申し上げました検討素案については、まず現在の児童生徒の保護者の方を対象にご説明申し上げ、ご論議をいただき、地域の子供たちにとって望ましい教育環境を実現するために理解を深めることが必要であるとの考えから、冬休み明けの1月21日に小中学生の全保護者の方にこの検討素案を配付するとともに、説明会のご案内をし開催したものであります。初めに、説明会の参加人数ですが、本年1月31日の多度志コミュニティセンターにおきましては、保護者と学校関係者などを含めまして13人、2月1日の納内コミュニティセンターでは同じく6人、2月3日の一已公民館では20人、2月4日の音江公民館では12人、2月8日の中央公民館におきましては8人という人数でございました。意見交換の内容については、現在、全体的には整理中でありますが、主なものを何点か申し上げますと、統廃合した場合スクールバスの運行がどのようになるのか、通学時間が長くなると部活の時間が制限されるのではないか、協議期間の考え方は、などの質問がございまして、スクールバス、部活等の時間等の課題につきましては、統廃合の論議とあわせて検討していくべきものと考えている。協議期間につきましては、拙速は避けなければいけないと考えておりますが、地域ごとに必要とされるスピード感を持って行いたいとお答えを申し上げております。また、小規模校の長所についてのご論議や、統合を推進すべしと受けとめられるご意見等もございました。次に、今後のスケジュールについてですが、小中学校の児童生徒数や学級数等、小中学校の現状についての理解を深め、地元で合意形成をいただけるよう努め、平成23年度の段階で教育委員会として学校配置基本方針についての最終案をお示し申し上げたいと考えております。そのため、今後、統廃合について検討を要する中学校区を中心に、関係するPTAの方々とご相談申し上げながら、保護者及び学校地域に関連する主要な団体の代表者など、有識者の方々との地元協議を実施してまいる所存でございます。
〇12番(川中 裕君) ただいま教育長から答弁をいただきましたけれども、1点だけ再質問します。
今後のスケジュールにもなろうかと思いますけれども、もちろん私どもも今後、地元の協議を進めながら合意形成を進めていくということを当然していただかなければいけないわけであります。この基本方針の中身をいろいろと見させていただきますと、小学校につきましては現行のままでいくのはいいと思います。ただ、中学校については、平成26年度には多度志中学校が複式になるという予測がされております。教育的観点から判断すると、小規模校における専門教師の配置関係や学校運営上の問題、あるいは一番大切なのは子供たち、生徒の立場に立って教育の機会均等、あるいは教育環境の充実が図られるのか、複式学級になった場合の問題点も多分にあろうかと思います。そういった面からしますと、既に教育委員会としての見解が求められているのでないかという、私はそういう認識で見させていただいたのですけれども、そこら辺について再度お伺いをいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
鈴木教育長。
〇教育長(鈴木 英利君) お答えを申し上げます。
川中議員ご指摘のとおり、小規模校に関します問題点、あるいは克服をしなければいけない問題というのは幾つかあるのですが、ここではお話にございました複式学級について、考え方をお答え申し上げます。中学校の場合、複式学級が一つ発生いたしまして2学級になりますと、教員数は、校長先生1人と教員5人の合計6人というのが一般的な基準であります。したがいまして、この場合、いわゆる教科の免許を持たない担任が教科を教えるということが多くなる、発生しやすくなるという課題が示されておりまして、その場合に授業の組み立てが難しくなるなどの問題点が発生すると考えております。いずれにいたしましても、これを含めまして学校の小規模化について、保護者の方々あるいは住民の方々、学校関係者、教育委員会が共通認識を持って、もっと子供たちにとってよりよい教育環境、ベストの教育環境は何か論議を今後深めて、学校の適正配置に向けて取り進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
〇議長(北本 清美君) 川中議員。
〇12番(川中 裕君) ただいま教育長から答弁をいただきました。私どもも次代を担う児童生徒の義務教育の機会均等、あるいはどこに住んでいても、どこにいても同じ条件で同じ水準の教育が受けられる教育環境の整備に誠意を持って、今後、対応していただくことを心からご期待申し上げて、私の一般質問を終わります。
〇議長(北本 清美君) 以上で川中議員の一般質問を終わります。
暫時休憩します。
(午後0時33分 休憩)
(午後1時28分 再開)
〇議長(北本 清美君) 休憩前に引き続き開議します。
一般質問を続けます。
次に、松沢議員。
〔松沢議員、質問席へ〕
〇8番(松沢 一昭君) 第1回定例会に当たり、通告に従って一般質問を行います。
光陰矢のごとしと申しますが、早いもので、改選がされてから4年がたとうとしています。この間にも行政が行ってきた行財政改革と財政再建の論議や、こうして対面の一問一答方式による一般質問など、感慨深いものがあります。同時に、忘れてはならないのが、議会のこうした論議や論戦などが市民の人たちにしっかり発信されているかといったことについても、常にみずからに問いかけ、より一層しっかりと改善していかねばならないと思っています。
今回の一般質問の1点目は、菅内閣によって突然持ち出されたTPPへの参加を、どう運動を盛り上げ、阻止するかということであります。これまでも日豪間のEPA、日米間のFTAといったことが、当時の自民党によって持ち出され、ここで山下市長の考えをお尋ねしたことがございました。今回、問題になっているTPPについては、既に道内においては農業団体はもとより北海道の経済界や知事や北海道議会が、地域崩壊につながるものとして反対を表明してまいりました。ここへ来て医師会も、日本の医療の崩壊につながるものとして反対を表明しました。今回のTPPについては、農業だけの問題にとどまらず、あらゆる分野にその影響が及んでいくところにその重大さがあります。ただ、何よりも、アメリカと大企業の要求に端を発して持ち出されてきたこのことに対して、マスコミが旗振りを買って出ているところを強く警戒しなくてはなりません。
深川市においても、山下市長もTPPに対して反対の意思表明を行い、市議会でも反対すべく意見書の提出を行いました。けれども、いま一つ運動になっていません。先日から深川市庁舎にも農業団体によって懸垂幕が下げられたようですけれども、農業団体はもとより林業関係者や商工団体、労働団体、医師会などを網羅した反対決起集会を行う必要性があるのではないでしょうか。28日には、滝川市で学習講演会が行われました。講師の先生の都合で、月曜日の朝10時から急遽取り組まれたのにもかかわらず、会場いっぱいに260人が集まりました。同じ日に当別町では、町内各界各層から1,000人が参加した反対決起集会が行われたということです。全道あちらこちらでこういった集まりが持たれてきています。深川市でもこういった規模で集会を行い、この地域を守るために運動を盛り上げていくべきと考えます。対応について伺いたいと思います。
また、農業団体の取り組んでいる全国1,000万人署名の協力の状況についてもお答えください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
沢田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(沢田 敏幸君) TPPへの参加を阻止する取り組みについてお答えいたします。
環太平洋連携協定TPPにおいて、重要品目である米、小麦、牛肉、乳製品等に対する関税が撤廃され、その対策が十分講じられない場合、北海道全体や空知地域全体の場合と同様に、農業を基幹産業とする深川市の場合も、その影響は農業分野にとどまらず、地域全体の経済や雇用にも大きな影響を及ぼすこととなり、その影響ははかり知れないものになるだろうと考えているところであります。このため、昨年11月以降、全道段階では、北海道、農業団体、市長会、経済団体、消費者団体などで構成する北海道農業・農村確立連絡会議が主体となり、また空知などの地域段階においても、農業団体などが主体となって、TPPに反対する集会、デモ行進、講演会などを開催し、農業関係者だけではなく幅広い住民理解を得るための取り組みを行ってきており、深川市からも積極的に参加してきたところであります。さらに、JAグループでは、これまでの運動の成果なども踏まえ、本年1月からの新しい取り組みとして、国民合意がないままにTPP交渉に参加しないよう政府に求める1,000万人署名全国運動を展開しており、広く国民に理解を求めていくこととしております。きたそらち農協においても、組合員や職員はもちろん、地域の行政機関、経済団体、主要企業などにも署名への協力を依頼し、住民一人一人の理解と支援を求める運動として取り組んでいるところであります。
質問のありました総決起集会につきましては、前段申し上げましたとおり、広く全道各地で開催されてきているところであり、現状においては、この署名運動に地域の関係機関・団体が連携して取り組むことが大切であると考えており、市役所庁舎正面と経済センターにTPP反対の懸垂幕を掲示しながら、今後も多くの市民の理解と支援が得られるよう、この署名運動にしっかりと協力してまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) ただいま沢田部長から答弁をいただきました。全く納得のいかない答弁であります。
影響ははかり知れないということを最初に言っているのに、道レベルの大会に出たからよいというような言い方で、深川市内でのこうした大会の呼びかけは全くする気がないという姿勢では理解できないのです。なぜこの今の時期に必要なのかということは、このTPPが本当に実施されたらどれだけ大きな影響が出るかという点では、市長を初め、今までの答弁で何度も何度も言われていますから繰り返しませんけれども、そういう中で、民主党菅内閣は6月までにこれへの参加を決めるかどうかということを言っているわけですから、今、本当に重要な時点だと思うのです。先日は釧路でも農民決起集会がやられたと言っていますし、呼びかけをしないという全く理由がはっきりしない姿勢は、私には理解できません。もう少しわかりやすく言ってほしいとともに、この態度についても変えてほしいと思います。積極的に市が呼びかけていくことによって、農業団体ばかりでなくて、いろいろな団体を網羅した集会ができるのではないですか。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
沢田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(沢田 敏幸君) 再質問にお答え申し上げます。
先ほど来申し上げましたとおり、集会については、全国、それから全道、空知地域でも幅広く開催をしております。市内での開催につきまして、きたそらち農協と協議をした経過がございますけれども、きたそらち農協としましては、先ほど申し上げました現状として、総決起集会を開催することより北空知管内で約9,000人の署名を、それから深川市内で4,000人を超える署名を目標としております。この署名運動を通じまして、市民一人一人に国民合意がないままにTPPに参加しないことのご理解をいただき、政府に強く要請するにはこの署名運動が有効であると考えておりますことから、市といたしましては、この署名運動の協力依頼に対して積極的に対応してまいりたいと考えているところであります。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) 今の部長の答弁は、市長の意向なのかどうか知りませんけれども、2回目の答弁で、きたそらち農協はするつもりはないようなニュアンスの言葉が出ましたけれども、それは呼びかけての話なのですか。それを確認したいと思いますし、署名をやっていることはわかっていますし、そのことを何度も繰り返さないでもいいわけです。どうなのですか。いろいろな団体、これまでも呼びかけたことがあるのか。どういう理由で呼びかける必要がないと思っているかということを聞いているのです。署名は署名でやったらいいと思うのです。懸垂幕も有効ですし、TPPが導入された後、どうなるかという危険性を消費者の方々も含めて広く市民に知ってもらうというのが、今、大事なことだと思うので、もう少し私が聞いていることに具体的に答えてください。議長もその辺、しっかり答弁に目を光らせてください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
沢田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(沢田 敏幸君) ただいまの質問にお答え申し上げます。
総決起集会につきましては、きたそらち農協と協議した経過がありますが、そのほかの団体については協議したことはございません。ただ、きたそらち農協につきましては、先ほど申し上げましたとおり、この署名運動を通じまして、市民一人一人の理解を求めていく取り組みをしまして、政府に強く要請をするという取り組みが大切であるというような考えでございます。ただ、今、松沢議員からご提言がありました総決起集会の関係でございますけれども、深川市農業対策協議会の事務局も担っておりますきたそらち農協に対しまして、ただいまのご提言の意向につきましてお伝えをしてまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) 最後の一言があったから、議事進行というか、4回目はやめます。次に移ります。
次に2点目、市長の市政執行について。風通しのよい市役所づくりについてお尋ねします。
平成23年度予算が発表になりました。500億円を超えるところまで膨らんだ市債残高が100億円ほども減りました。この点で、財政再建に向けた山下市長の市政執行については、率直に評価したいと思います。同時にまた、給与カット、固定資産税の増税や公共料金の増、パトリアホールの休館など、多くの人たちの痛みを伴ったものでもあります。予算の細部については、今後、その審査の中で逐次ただしていきますが、これら実務を行う職員各位には心からご苦労さまの言葉で、その労をねぎらうものであります。こうした実務を行っている職員の皆さんにとって、風通しのよい市役所づくりというのは何よりも大切なものだと思っています。ともするとトップダウンになりがちなシステムとなっているのが官僚機構であります。深川市役所も、小なりといえどもやはり官僚機構であります。この年度末を迎え、多くの職員の皆さんが職場を去っていきますが、定年にしばらく間があるのに退職していくということも聞こえてきます。もちろんそこには個々の事情というものがあるのでしょうけれども、少々気になることでもあります。
昨年第1回定例会で私は同じ質問をしていますが、機構のトップにある市長には、常に風通しのよい市役所となっているかという点で、目配り、心配りをしていってほしいと思います。山下市長の感想をお聞かせください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) ただいまの質問にお答えを申し上げたいと思います。
4年ほど前の、初めて市長に就任させていただきました直後の就任あいさつの中で、1期4年間の重要政策課題の一つに、信頼される市役所づくりということを掲げさせてもらったわけでございます。その信頼される市役所づくりということの中で、自分も含めてでありますが、この市役所の中の職員間で遠慮なく発言し合える、議論できる、そういう風通しのよい環境づくりを行いまして、職員の皆さんの意識改革を図っていくということが重要であるといった認識を述べさせてもらったところであります。そして、これまでの間、そうした考え方に立ちまして、具体的には事務事業のゼロベースからの見直しの作業でありますとか、あるいはまた議員が今言われました財政収支改善方策案を初めとした行財政改革のさまざまな項目についての検討、また簡素でわかりやすい分権改革などの新しい課題に対応できる組織改革といったことにも手を染めたわけでございますが、そういったさまざまなテーマについて役所の内部で十分議論してもらいまして、結論を出す際には意思疎通を十分図り、そういう中で議論を集約する、そして結論を導くというふうに意図的に努めてきたと、私はそのように考えているところでございます。また、それ以外にも、経済の活性化でございますとか、地域福祉の充実とか、あるいはまた病院の経営改善などといった行政上の非常に重要な課題についての解決策あるいは改善策を詰めていくという際にも、やはり関係する多くの職員と十二分に議論して意思疎通を図り、議論を闘わせて、そしてよりよい結論を導いて、それを議会にご提案する。そういった手順でこれまでも仕事に努めてきたと私は自負いたしているところでございます。
議員がるる申されましたように、やはり風通しのいい職場環境をしっかりつくり上げていくということは、仕事でしっかり結果を出していくといった意味でも、またそこの中で働いてもらう職員一人一人が自己啓発をさらに深め、充実した仕事をやっていただく。そういった意味でも、環境づくりというのは大変重要な課題だと認識いたしておりまして、常にその重要性を念頭に置きながら、さらにより風通しのいい職場となるように、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) では次に、3点目、公営住宅について伺います。
まず初めに、公営住宅の建設計画と、民間空き家の状況について伺います。さきの臨時会の折にも若干の質疑をいたしました。私の基本的なスタンスはこの折にも触れましたが、公営住宅の建設そのものには大いに賛成であります。まち中に公営住宅を建てて、周辺の公営住宅に住んでいる人たちが、病院や生活用品を買うのに便利なところへ居住するというのも、高齢化していく深川の年代構成の上からも歓迎されると思われます。問題点は、まちなか居住等推進計画では、市内1丁目から国道233号までと、鉄道から公園通線までの、いわゆる市街地については、相当綿密な調査も行われているようですが、この周辺部も含めた空き家の状況調査も含め、再検討、見直しが必要になってきていると考えます。公営住宅と民間借家のバランスや一般民家の空き家状況が、深川の場合は長い間、居住者に厳しい状況が続きましたが、ここ二、三年前からは、あき過ぎの状態が目立ちます。もちろん、住むのにたえられるかといった古いアパート群もありますから、それも含めた洗い直しが必要になっているのではないでしょうか。所管の考えをお聞かせください。
次、2点目に、新しくできた北光中央団地の結露について伺います。私はこの質問をするに当たり、現地を見てまいりました。私が見せてもらったところは、1階の中ほどにあるひとり暮らしのお宅でした。廊下側のところに玄関があり、ここを入った右手に物置があります。見たときは2月28日で、外気温はマイナス3度くらいでしたが、この物置内にも結露がありました。1月の寒波の折には、結露した水が物置の床にたまって、積んである段ボール箱がぐちゃぐちゃになってしまったということです。玄関の鉄の扉の合わせ目には、このときにも水滴がびっしりついていて、床のコンクリートは湿気を含み、カビが生え、床面にクラックも入っていました。ベランダはエコガラスを使った二重の引き戸になっていますが、このとき驚いたことにここの内側のガラスにも結露がありました。カーテンにはしみの跡があるという状態です。ここのフロアも、厳寒時にはぬれていた跡がついているという状況です。暖房はもともとついているFFストーブのみ。加湿器はありません。洗濯物もこのときはありませんでした。換気扇を回したらどうかと言うと、一気に外気が入ってきて、室温が下がり過ぎていられないという状態です。入居のときの指導どおりにすると、寒くて灯油代ばかりかかるということです。一つの原因として考えられるのは、玄関の戸を開放したままにする人が多く、廊下の温度が外気温と同じところまで下がることが考えられるようです。室温と密閉度と結露というのは密接なつながりがあるわけですが、日常的に暮らしていてこれほど結露があるというのは、少なからず異常ではないでしょうか。廊下側にはどのくらいの断熱材が入っているのでしょうか。また、ベランダの床面の断熱はどうなっているのでしょうか。早急に調査をして何らかの対策をとるべきだと考えますが、この公営住宅全体に対しての居住の状況、結露の状況などを調査して改善していくという、その辺の対応をお聞かせいただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
松浦建設水道部長。
〇建設水道部長(松浦 龍行君) 公営住宅につきまして、2点の質問をいただきました。
初めに、1点目の市内の民間空き家の状況及び公営住宅建設計画についてお答え申し上げます。深川市の人口が減少しつつある中、国勢調査による世帯数の推移を見ますと、平成12年度では1万945世帯、17年度では1万554世帯、22年度では1万100世帯という減少傾向にありますが、今後につきましてもこのような傾向が続くものと認識しているところでございます。民間の賃貸住宅の空き家状況の実態の把握についてでございますが、平成16年に公営住宅ストック総合活用計画を作成しておりまして、その計画書の見直しを21年度に実施しておりますが、そのときにまちなか居住推進エリア内について民間賃貸住宅の入居状況の調査を実施し、さらに空き家戸数についても時間と労力をかけて調査しているところでございます。その調査によりますと、全体の空き家率は約27%ありますが、そのうち昭和54年以前の建物の場合は約5割となっておりますことから、建築年数が経過した賃貸住宅の場合は特に空き家率が高いと推測しております。空き家状況の調査についてでございますが、市の住宅政策となります住宅マスタープランの見直しをおおむね5年に一度実施しておりまして、次期見直しは平成26年度の予定でありますので、その時点で再度、調査範囲も拡大して実態を把握し、今後の住宅施策に反映してまいりたいと考えております。また、公営住宅の建設についてでありますが、現在の公営住宅の管理戸数は、道営住宅が114戸、市営住宅が651戸の合計765戸でありまして、市全体の世帯数の7%程度が公営住宅となっておりまして、北海道全体の公営住宅比率も約7%でありますことから、おおむね標準と考えているところでございます。また、今後1棟30戸の公営住宅の建設を予定していまして、一時的には戸数増加になりますが建てかえでございますので、耐用年数が経過した公営住宅の取り壊しにより戸数総数は増加しませんし、また公営住宅のストック総合活用計画におきましても、今後、老朽による建てかえに伴い、管理戸数が減少していく計画となっております。今後につきましても、公営住宅の管理戸数を増加させることなく、適正な戸数にしていきたいと考えております。
次に、2点目の道営北光中央団地の結露の現状と対策についてお答え申し上げます。この建物につきましては外断熱方式を採用しており、コンクリートの蓄熱性を利用して、温度差の少ない安定した室内温熱環境を実現した建物となっております。そのため、住宅内の換気につきましては、24時間運転の熱交換型換気システムを採用しているものであり、従前の建物に比べますと気密性、断熱性がすぐれている反面、室内の換気が重要になる建物になっております。初めに、結露についてでございますが、これまで入居者からの連絡がありませんので、現状の確認はできていないところでございます。また、この建物につきましては、北海道が設計、施工して、工事監理しておりますので、市としましても、現場の施工中については把握しておりませんが、入居者が換気システムの電源を切っているようでありますので、そのことにより結露が発生したものと考えております。次に、結露防止についての指導、対策についてでございますが、入居の際には換気システムについての説明をしておりますし、また住宅内設備の取扱説明書もお渡ししておりますが、今後、入居者の皆様に対しまして、結露を発生させない住宅の使い方について再度周知してまいりたいと思っております。それから、廊下側の断熱の厚さ、それからベランダ側の断熱の厚さでございますけれども、廊下側はFP板50ミリメートル、ベランダ側はFP板100ミリメートルとなっております。それから、今後、現地の調査につきましては、先ほども申し上げましたけれども、現地をまず確認する必要があると思っております。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) 民間空き家の状況ですけれども、言ってみれば、私自身は空き家が多いほうがどこかに空き家ないかいと市民の方から問い合わせがあったときは楽でいいのですが、借家を持っている人たちから相当今、深川市の公営住宅の建設の仕方についてはブーイングが出ているということは、恐らく所管の皆さんも知っていると思います。それがやはり市長の市政執行に対するブーイングというか、人口がどんどん減って、今の国勢調査の数字でいくと、5年に400世帯ぐらいずつ減っているのです。そういう状況を見ていった場合、まち中の部分以外の周辺部も含めて調べるというのは手数もかかると思いますけれども、町内会長さんに協力をもらうとか、あるいは今の国の雇用を生み出すための施策に仕事を該当させて調べるとか、いろいろな方法があると思うのですけれども、私は、市長のためにもこれは調べたほうがいいのではないかと思って見ています。もう一度、そういう立場で再検討する気がないか答えてください。
結露についてですが、随分いろいろな公営住宅のところで結露の議論をした覚えがあります。10年ぐらい前ですが、緑町の5階建ての住宅が、両サイド結露して、押し入れの中はもう布団が置けないというような苦情が随分聞かれて、当時の課長と予算審査の中でやりとりをした覚えがございます。湿度を上げ過ぎるからだ、30%ぐらいに下げてもらわないといけないと、そのとき課長は言いました。私、鮮明に覚えているのですが、湿度30%というのは、風邪を引いたり気管支を傷めたりして健康上よくないということで、45%とか50%とかの湿度に上げなくてはだめだと、健康上はよく言われているのだと言ったら、そのときその課長は、私は湿度30%でもこのとおりぴんぴんして元気でおりますと答弁したのを聞いて、噴き出した覚えがございますが、市内公営住宅には本当にいろいろ結露の問題があります。あけぼのの公営住宅の、ひいらぎだと思ったのですが、余り正確に覚えていないのでこれは言いませんが、結露があってどうにもならないので、強く言って壁をはいでもらったらその面一面には断熱材が入っていなかったという事例もあるように聞いています。今度の北光中央団地ですけれども、コンクリートそのものが水分を非常に含んでいて、建築して一、二年はどうしても蒸気が出やすいという状況もあるようですから、この辺も影響しているのかもしれませんし、廊下の地下にあるピットのふたも簡単に操作、本当はしたらだめらしいですけれども、のぞいてみたのですけれども、ピットの底に二、三センチメートルぐらい水がたまっていましたから、こういうものも影響しているのではないかと思うのです。私は、北光中央団地については、広く何軒にも聞いて歩いたわけではないのですが、これはやはり所管の皆さん方がやれる仕事なので、これはぜひ聞いてもらって、指導も、その方に名前を言ったらいろいろ教えてくれるからどうだいと言ったら、いや、名前を言わないでくれと言われたので、あなた方に言っていませんけれども、あなた方は広く状況把握をして対応してみてください。これも答弁してください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
松浦建設水道部長。
〇建設水道部長(松浦 龍行君) 1点目の空き家の調査の関係についてでございますけれども、町内会長の協力とか、いろいろな事業を活用してということでございます。調査するときには、とりあえず空き家の数だけではなく、建物の建築年数、部屋の大きさなど詳細なデータが必要となってきますから、結構時間がかかるわけでございます。今、議員さんが言われる方法も、前回の調査方法も参考に今後検討していきたいと思っております。
それから、結露についてでございます。直接所管に連絡があったわけでなく、松沢議員から今回指摘されて、結露がすごいということが判明したという状況でございますけれども、まずは現地を確認させていただきまして、そしてほかもどのような状況になっているかも含めまして、現地調査から対応させていただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) それでは、次に移ります。
多度志地域の教育環境の整備について伺います。
まず1点目は、中学校の統廃合について伺います。中学校に統合問題があるのを私が初めて知ったのは、昨年の第1回定例会だったと思います。たしか新年度予算の討論の中で一言触れた記憶があります。先日、多度志地域の懇談会にも出席させてもらい、地域の人たちの生の声を聞かせてもらいました。その後、地域の町内会長さんに会ってこの話をしたところ、中学校の統廃合の話は全く聞いていないということです。子供たちを持つ親はもちろんのこと、地域にとっても学校がなくなるかどうかというのは非常に大きな問題です。ここへの説明と了解なしには学校の統廃合はあり得ないと思うのですがどうでしょうか。また、この説明会の折には、小学校の併置校という話も地域の人たちから出ていました。教育委員会では全くその選択肢はないようでしたが、鷹泊、幌成方面への通学時間の上でも、先生方が地元にいるかいないかという問題でも、その地域にとっては大変大きな問題です。複式学級にしなくてはならない生徒数にしても、一方的に基準を当てはめるべきではないと私は思っています。道教委の基準は絶対的なものとして父母を説得する前に、深川市としてやることがあると思いますが、その点はいかがですか。そして何よりも、父母も含めた地域の人たちの合意を丁寧に得ていくべきと考えますが、これらを含めた答弁を求めます。
次に、この地域懇談会に出された諸課題の解決について伺います。一つは、中学校から多度志市街地への通学路に街灯をつけてほしいということです。多度志中学校は、町外れの丘の上にあります。部活などで帰りが遅くなることもあるので、街灯をつけてほしいと言ってきたが、さっぱりつかないということです。
もう一つは、多度志小学校グラウンドの水はけが悪いということで、造成時に入れた土に問題があるというのが原因のようです。暗渠を入れるという方法が考えられますが、私が知っているのでは、一已小学校の野球コートの水はけが悪く、この議場で質問したことがあります。暗渠を入れたときに土を締め過ぎたのが原因ということで、その後、手直しによって、今では雨の降った翌日でも水が抜けるようになりました。教育環境の整備というのは何よりも迅速な解決が求められます。
次に、スクールバスの件であります。この地域でかなり家が離れているのに、1人だけスクールバスが行っていないところがあるということで、これも早急な解決が求められています。これら3点のことが地域の父母の間から出され、教育委員会に対する不信感につながっているということであります。とにかく急いでこれらの解決に当たってほしいということで、答弁を求めます。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) 多度志地域の教育環境の整備について、答弁を申し上げます。
初めに、1点目の多度志中学校の統廃合の問題が地域全体の問題として知られていない、地域の意向を重視すべきではないかということについてお答えいたします。学校配置基本方針(検討素案)の具体的な考え方の中で、多度志中学校については、地域との協議の中で早急に統廃合について地域とともに検討を進めますとしております。本年1月31日に、まず最初に児童生徒の保護者を対象とした説明会を開催いたしましたが、今後はPTA等と相談しながら、保護者、学校、地域に関する主要な代表の方々と学校統廃合についての課題を検討する場として地元協議を行うこととしておりますので、地域の意向もこの中で受けとめながら進めていくという考えでございます。ですから、地域合意については重要なことと認識をしているものでございます。
次に、1月31日に多度志コミセンにおいて開催した多度志小中学校の児童生徒の保護者を対象にした、深川市学校配置基本方針(検討素案)ですけれども、この説明会において出席者から出された要望についての対応についてお答えをさせていただきます。
まず、1点目の多度志中学校通学路の街灯設置についてですが、現在、中学校グラウンドに接する通学路を照明する2基の街灯を設置しております。近年、街灯設置等の要望を受けた経過がございませんので、今後、PTA及び地域の方々と街灯設置の具体的な考え方をお聞かせいただきまして、どのように対応すべきか総合的に検討してまいりたいと考えてございます。
2点目の多度志小学校グラウンドの水はけの問題ですが、グラウンドの整備につきましては、他校からも要望が出てございます。改修には多額の費用を要しますので現状での使用をお願いしてきており、現時点では、現状での使用と整地に使う砂などの補充により対応してまいりたいと考えております。
3点目のスクールバスの運行についてですが、1人だけということですので、中山峠付近の児童のことかと思います。多度志地区のスクールバスの運行は、鷹泊幌成線と湯内線の2路線あります。今回の説明会でのお話につきましては、これまでも要望を受けておりますが、実施に伴う新たな運行計画が必要となること、また多度志以外の他の地域との路線との公平性を失わない計画としなければならないことなどを考え合わせますと、現時点では新たな運行は難しいものと考えております。
〇8番(松沢 一昭君) 前段の質問の答弁で少し答弁漏れっぽいところがありますが、2点目のことが気になってどうもならないので、そちらを再質問します。
このグラウンドの問題でも、街灯の問題でも、スクールバスの問題でも、ほかの地域でもこういう問題が出たところは結構あるわけですけれども、それぞれとうに解決がついているわけです。しかもこのグラウンドの水はけが悪いという問題は、5年も6年も前から言われていて、当時の教育部長だったか、教育長だったかが、これは入れた泥が雨竜川の川土を入れたせいというような話を、そのとき言っていました。あなた方が、夜、多度志まで行って懇談会をやっているのに、地域の要望が出たからといって、何でそれをさっさとやらなかったのだと、のどの辺まで出かかってきたけれども、私が部外者でそこへ飛び入りで、あなた方を責めるのも酷かと思って、あのときは言いませんでした。麻生内閣の補正予算ででも、今度の民主党の補正予算ででも、地域活性化の補正予算が組まれたわけですので、こういったときに優先度としては最優先に教育の問題、こういうグラウンドの水はけの問題などというのは、予算がないからできないというのはあなた方のあいさつがわりの言葉ですから、私はそこから物事は始まると思っていますけれども、今まで余りにもやらなさ過ぎだというか、怠慢ではないですか。もうとっくにやっておかなくてはいけないような問題だと思います。これはもう急いでやってください。できないできないばかり言っていないで。スクールバスの問題だってそうです。1人だけそういう状況に置いておくというのはほぼいじめに近いと思って聞いていたのですが、これはもう本当に早急の対応を求めたいと思います。再答弁してください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) グラウンドの水はけについて、特に多度志小学校の泥の関係が出てきましたけれども、泥の成分については私は承知しておりませんが、確かに水はけの悪い小中学校のグラウンドがございます。その中で、私どもの順位といたしましては、多度志小学校は中くらいに位置する部分になってございます。それぞれ必要な箇所、必要なところということでございますけれども、整備には1,500万円から3,000万円というお金がかかりますので、これらについては慎重な検討が必要かと思います。ただいま交付金の関係も出てきましたけれども、交付金の関係等、今後利用できるものがあれば、それらも活用しながら整備をさせていただきたいと考えております。
次に、スクールバスの関係でございますが、私が承知しているところによりますと、本人の家族からといいますか、保護者からの要望というより、地域の方が逆に心配されていると聞いてございます。スクールバスの路線を変えるということは非常に難しいと思ってございますし、中山峠ということで、キロ数も3キロメートル未満とお伺いしてございますので、これもできるだけ検討いたしますけれども、現状におけるスクールバスの運行は大変難しいものと認識をしてございます。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) 少しオーバーするかもしれませんが、北名議員の理解ももらいながら、時間を気にしながら質問します。以前、北名議員が取り上げた音江広里地域の中学校の通学路の街灯の問題は、解決つきました。先ほどのグラウンドの問題で言えば、一已小学校も解決つけてもらいました。それぞれあなた方がやる気になってくれたら、解決つくのです。通学路の問題で言えば、一已の農村部あるいは鷹泊の農村部で、もう少しスクールバスを延ばしてほしいという話が出ていましたが、これも解決がつきました。多度志でこの3点を一遍に出されて、あなた方はその父兄に教育委員会を信用してもいいのかまで言われたではないですか。信用できないとまで言われて、あなた方、部長もそんな答弁していていいのですか。もっと真剣に前向きに、解決の方向に向けてやってください。再々答弁してください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) 早急にという話、十分理解をいたしますし、グラウンドの水はけ、スクールバスの運行については、今後検討いたしますけれども、グラウンドの水はけの問題は先ほど言いましたように、本当に多額の費用問題と順位の問題がございますので、すぐに多度志小学校のみを重点的にやるという考え方には至らないものでございます。
スクールバスにつきましては、先ほども言いましたが、その路線を伸ばすということであれば簡単に延びるわけですけれども、一応、路線が2路線ございますので、それを延長するということになれば、最初のほうがどうしても早い時間帯になってしまうというようなこともございますので、その路線ということではないということになれば、新たな計画が必要ということになりますので、そのあたりご理解をいただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) では、次に移ります。
次、高齢者の交通確保について伺います。これもまた前市長時代に箱物づくりの一方で、福祉を切っていった施策の犠牲になった一つだと認識するものです。以前行われていた券の発行には確かに問題がありましたし、大きく膨らんだ借り入れの返済のために節約を余儀なくされた面はあります。今回提案されている新年度予算案の中にある乳幼児医療費の無料化の拡大は、私は高く評価したいと思います。所管する皆さんの取り組みについても評価するものであります。
この次は、高齢者の足の確保の事業の復活、これは町の周辺部に住み、自家用車を持っていない人たちの病院への行き帰りや生活用品を買うための足の確保が、これからどうしても必要になってきます。当別町では、小型バスによって町内循環バスを走らせていますし、先日テレビでやっていたのでは、地域で出資し合って車を走らせていました。そこまでいかなくても、通院に限定したハイヤー券という方法もあります。可能な財源の中で実施ということもあるでしょう。とにかくこの制度を検討する必要性を強く感じています。所管の皆さんの考え、山下市長のやる気を求めて、質問といたします。答弁してください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
通市民福祉部長。
〇市民福祉部長(通 義美君) 高齢者の交通確保についてお答えをいたします。
市中心部より遠隔地に在住する高齢者の方への通院交通費助成については、これまでの議会論議や市民団体の皆様から要望をいただいたところであります。通院などに自家用車、公共交通機関の利用が困難な方がハイヤーを利用する場合、特に遠距離の方は経済的な負担が大きいことから、その負担軽減に向けた支援策の必要性は十分認識しているところであります。これまでも、所管として高齢者の方がなれ親しんだ地域で安心して暮らしていただくため、とりわけ通院に要する足の確保は重要でありますことから検討を重ねておりますが、今後、財源として過疎債の活用を図ることも含め、高齢者の交通弱者対策について、どのような形の取り組みがよいのか支援の内容等を引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 松沢議員。
〇8番(松沢 一昭君) 最後はスポーツ合宿について伺います。
11月に行った会派視察の折には、北谷町の平和行政の調査の後に、沖縄最北の国頭村のスポーツ合宿を見てまいりました。人口5,000人の村ですが、スポーツ合宿を村おこしの事業に位置づけして、冬期間のスポーツ合宿誘致に力を入れていました。深川の合宿にも来ているホクレン陸上部や六大学の名前もあり、野球場は日本ハムファイターズの2軍受け入れもしているということです。冬でも20度ぐらいの気温で、目の前にはコバルトブルーの東シナ海が広がっているという条件を生かし、合宿誘致3年目で8,000泊までになっていました。かりゆし荘という民間の宿泊施設があるというのも有利な条件だと思います。
さて、深川市の合宿ですが、今年度1年間の取り組みとその反省点について及び来年度へ向けた見通しについてお答えください。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
一原教育部長。
〇教育部長(一原 慶逸君) スポーツ合宿についてお答えをいたします。
スポーツ合宿は平成7年度から取り組みを始め、本年度で16年が経過いたしました。平成22年度の合宿は、実業団、大学などで合計33チーム、延べ人数670人、延べ宿泊数3,290泊となったところであります。
質問の1点目、1年間の取り組みにつきましては、毎年1月下旬から2月上旬にかけまして、これまで合宿をいただいているチームや、ホクレンディスタンスチャレンジ大会に参加されるチームを中心に、関東及び中部地区の実業団や大学の陸上競技部の監督やコーチ、また日本陸連など陸上競技団体の担当者と面接をし、本市の受け入れの対応、練習環境、体育施設、宿泊施設等の説明とPR、道内主要大会の日程等の情報提供など、招致活動を行っているものでございます。その後、詳しい大会情報などを連絡したり、合宿中には宿泊施設や練習時に監督やコーチなどとコミュニケーションを図るようにしております。また、深川市商店街振興組合連合会の協力で、市街地区の各商店等に歓迎ポスターを掲示するなど、歓迎ムードを高める取り組みもしております。
質問の2点目、反省点につきましては、反省点といいますか今後の課題として、合宿可能な宿泊施設が限られていること、より効率的な受け入れ態勢ができないかなどが挙げられるところでございます。来年度の見通しにつきましては、自動車業界を初め各企業においては、これまでの景気の低迷から上向きになってきているとはいいますが、部の活動費は縮減のままが多いと伺っております。幸い大学では、これまで同様の活動や合宿計画をされており、平成23年度は延べ宿泊数3,300泊を目標に取り組んでまいります。これまで構築されましたチームとの信頼関係を大切にしながら、引き続き積極的な招致活動を推進してまいりたいと存じます。
〇議長(北本 清美君) 以上で松沢議員の一般質問を終わります。
暫時休憩します。
(午後2時25分 休憩)
(午後2時38分 再開)
〇議長(北本 清美君) 休憩前に引き続き開議します。
一般質問を続けます。
次に、東出議員。
〔東出議員、質問席へ〕
〇13番(東出 治通君) 私からも、国内外で発生している天地災害で被災を受けられた皆さん方に、心からこの場よりお見舞いを申し上げたいと思います。
2週間ほど前、森林組合の視察でカンボジア、そしてベトナムへ行く機会を与えていただきました。1,400万人の国民のうち、電気が通っている住宅に居住されている人口は、わずか100万人でございます。子供たちが小学校に通えない、いわゆる文盲の子供たちが依然として5割を超えている。中学校に至っては3分の2の子供たちが学校に通えない状況にある。内戦によって、いわゆる伝統あるいは文化、そういうものが大きく失われて、その中で1人の日本人の方が、カンボジアの伝統である織物を復活させるために、地元の人たちと500人のコミュニティを形成し、養蚕、あるいは木を植える、染色に使う虫、あるいは樹木の樹皮、そういうものを盛んに生産する取り組みをされておりました。私どもも、幸いかなその場所において植樹活動のお手伝いをすることができました。一度失ったものを取り返す。非常な労力がかかるということを目の当たりにしてまいりました。次に訪れたベトナム。現地ガイドの方の一言が、今もって印象に残っております。日本では、恐れるものの順番として、地震、雷、火事、おやじという言葉がありますよねと。最近、おやじは余り怖くないそうですがと。そんなジョークも交えながら、ベトナムで恐れるもの。天地災害の話をしましたけれども、ベトナム、カンボジアは幸いにして、地震の心配は全くないようでございます。一番恐れるのが侵略だそうでございます。その国の歴史、そういうことから、1に侵略、2に洪水、3が火事で、4が無知だそうでございます。革のむちではなくて、物を知らない、そういう無知を恐れる。それがベトナムのことわざだそうでございます。私が今、私自身、何を恐れるか。そう問われたときに、今の日本の国がどこに向かおうとしているのか、どこに行こうとしているのか。多くの国民が思っているように私自身も今、一番恐れているのはそのことであります。
深川市も、どのようなまちの姿を求めて向かっていくのか。そのことを市民がわからないようでは困るのであります。今定例会は、山下市長2期目の船出の議会であります。既に当選から3カ月が経過いたしておりますけれども、改めて当選に対する祝意を申し上げたいと思います。健康に十分注意をされ、しっかりとまちづくりの姿を市民に示しながら、新たな任期での市政運営の先頭に立ってご活躍いただくことを心からご期待申し上げ、私の一般質問に入りたいと思います。
質問の1点目、総合計画についてであります。
本市では、市制施行以来、新年度を最終年とする第四次総合計画まで、地方自治法の定めにより、10年ごとに総合計画を策定し、まちづくりの指針としてきたところであります。既に深川市新しいまちづくり市民協議会が設置をされ、吉本先生を会長として各団体の代表の方々、さらに公募の5人の委員さんを含めて、計画の策定作業が進められているとお聞きをしております。顧みて、これまでの総合計画を見てみますと、そのボリュームは第三次総合計画では150ページにも及ぶ。加えて、第四次計画も130ページに及んでいる計画でございます。一方、これらの計画、市のまちづくりの指針を市民の皆さん方にご理解いただくべく、ダイジェスト版を発刊して全戸配布もされているわけでございます。総合計画策定に対する基本的な考え方については、既にこれまでの議会論議の中で質疑をさせていただいております。今回は、次の3点についてお伺いいたします。
1点目、総合計画全体の規模についてであります。
次に、これも前回の質疑の中でも申し上げていますけれども、計画の期間をどうするのか。今の時代の流れを考えると、これまでのような10年間でいいのか、あるいはもう少し期間を縮めた形の中での策定がいいのか、そこら辺のところの考え方についてお伺いいたします。
さらに3点目、スケジュール的な部分でございますけれども、策定の時期をいつの時点に置いて策定作業を進められているのか。以上、3点についてお伺いいたします。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下 貴史君) 総合計画に係る質問にお答え申し上げたいと思いますが、その前に、今後の市政運営に関して激励の言葉をいただきまして大変ありがとうございます。精いっぱい頑張ってまいりたいと思っております。
それではお答え申し上げます。地方自治体がそれぞれ定めます総合計画というものは、地方自治法第2条第4項の規定によって、その策定が義務づけられているというものでございますが、ご承知のように、その義務づけ規定を廃止するという地方自治法改正案が、先般来、国会に提案されておりまして、現在、衆議院の総務委員会において継続審査となっているという状況でございます。しかし、本市としては、さきの議会答弁でも申し上げましたように、仮にこの策定を義務づけた規定がなくなりましたとしても、まちづくりの指針となります将来目標でありますとか、その実現に向けた具体的な方針、施策などをまとめる、それを策定するということは、やはり重要なことであると考えておりまして、そういう法改正の動向にかかわらず、新たな総合計画の策定に向けて、議員もご指摘のように既に準備作業に入っております。ことし1月に深川市新しいまちづくり市民協議会という組織を設置し、27人の方々を委員に委嘱いたしまして、まちづくりに関するご意見などを伺いながら、現在その策定作業を進めつつあるという状況でございます。
質問をいただきましたこの計画の規模、それからまた期間ということについてでございますが、まさに今、その協議会の委員各位からそれぞれご意見などを伺っているところでございます。したがって、まだ具体的なイメージといったものは当然固まっていないわけでございます。ただ、次期計画におきましても、これだけ複雑で、また課題の多い状況に置かれておりますので、取り上げるべき施策などの範囲というものは、やはり多岐に及ぶのではなかろうかと考えられます。具体的な手法としては、現行の第四次深川市総合計画の中身を検討のベースといたしまして、これに所要の見直しを加えるとともに、しかしそれとは別に新たに取り組むべき課題などが出てきておりますので、これらについての十分な検討も加えて行いまして、それらを新たな計画に反映させていく。しかしながら、議員が言われましたように、さはさりながら、極力簡素で簡潔な、わかりやすい計画内容にするような努力も、一方でしっかりしていかなければならないと考えているところでございます。
また、計画期間ということでございますが、これまでは四次にわたって総合計画を策定してまいりましたが、いずれも10年を区切りにしてきております。ただ、議員も言われましたように、近年における時代の流れといいましょうか、そういったものが相当早くなってきている現実がありますので、例えば、昨年策定した過疎計画などは7年計画ということになっております。そうした関連する計画とのかかわりなども勘案しながら、柔軟に検討をしていくべきだろうと考えておりますし、また一度決めたとしても、社会経済情勢の大きな変化が起きた場合は、計画期間の中でも柔軟に対応できるような配慮といったものも含めて検討していく必要があるということで考えておりまして、市民協議会の委員の皆様方のご意見などを十分お伺いする中で、計画期間等についていろいろな選択肢を十分念頭に置いて検討してまいりたいと考えているところであります。
最後に、策定の時期についてでありますが、新しい総合計画は平成24年度からのまちづくりの指針ということになりますので、24年度の予算案の編成前、すなわち本年の12月までには成案にしなければならないということになりますと、12月に開催されます市議会定例会に成案をお示しして、ご議論を賜るようそういうスケジュールで作業を進めていきたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 東出議員。
〇13番(東出 治通君) 細かい部分については、予算の絡みもありますので、予算委員会に譲らせていただいて、次の2点目の質問に入らせていただきたいと思います。
企業誘致についてであります。広里工業団地について、2点お伺いをいたします。
長引く不況下にあって、本市における企業誘致も、目立った進出企業もない中で推移をしている状況にあります。逆に、既存企業であった東邦金属の撤退、加えて、この春にはホッコンのパイル工場の併合、石狩市への移設というような状況にある。東邦金属用地内では、私もたまに状況を確認するために通ってみるのですけれども、既存施設、不要な施設については、随時取り壊しが行われて、一部の施設を残した形の中で現在そういう状況にあると。一方、ホッコンパイル工場にも、非常にいろいろな施設、設備が建物等を含めて、今、現況あるわけです。
一つには、安全対策上、これらの施設の管理をどうしていくのか。あるいは、残された施設というか、そういうものの利活用も含めた企業の撤退後の用地、施設の利活用の問題です。そこら辺についてどのようなことを考えられているのか、そのことについてお伺いをいたします。
次に、工業団地用地内の予定地内の農業者への対応についてお伺いいたします。このことも、これまで何回か議会で取り上げさせていただいております。昭和53年とお聞きしていますけれども、工業団地予定地として一定の網かけがされて、もう既に30年以上が経過をしている。申し上げたように、この間、域内の農業者は、買収ということも自分の意思でできるような状況にはないですし、もちろん農地としての売買もできないような形での制約がされてきている。そんな中で、農業者そのものは、一方では大きな期待を持ちながら三十何年間、高齢化だけが進展してきている状況にあるわけでございます。前回の質問でも申し上げましたけれども、もうそろそろ今の経済の状況あるいは撤退する企業が相次いでいるような状況を見るときに、本当に予定地が工業用地として買収されて、先行取得なり企業が張りついていく可能性があるのかということを考えたときに、このままさらに期待感だけ持たせて、ずるずると予定地として置いておいていいのかというところは、私は行政の考え方を一番お聞きしたいところでございます。この2点について、答弁をいただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
沢田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(沢田 敏幸君) 広里工業団地について、2点の質問をいただきましたので、順次お答え申し上げます。
最初に、企業撤退後の施設の管理と用地活用についてのうち、東邦金属についてであります。平成21年8月に操業を取りやめた深川工場について、操業時の施設を残した状態で売却または賃貸先を探し、これまでに数社から問い合わせがあったとのことですが、具体的に進んでいる案件はないと伺っております。議員ご指摘のように、深川工場の中には、老朽化が著しく、維持管理に経費を要する施設が発生してきたことなどから、本年4月末までに、平成16年建設の工場を除くすべての施設を解体することになったものであります。今回の解体によりまして更地となり、工業用地として利活用の可能性が向上し、企業の進出に期待をするものであり、市としましても、引き続きホームページによる空き工場情報の充実や、企業への直接的な情報提供など、積極的なPRに取り組んでまいりたいと考えております。次に、ホッコンパイル工場についてでありますが、昨年12月末をもって操業を終え、3月中旬より石狩工場でパイル製造を再開するとお聞きしております。施設及び工場跡地の利活用につきましては、ホッコン社内におきまして引き続き検討しているところでありますので、その推移を見ながら、今後、市としても必要に応じ対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、質問の2点目、予定地の農業者への対応についてありますが、市では、施策の基本資料とするため、平成22年度におきまして、広里工業団地内に農地を所有する皆さんを対象に意向調査を実施しております。この調査の結果では、回答者の7割の方が農地の処分を希望しており、その農地面積は23ヘクタールに及んでおり、企業誘致に寄せられる期待の大きさを強く感じているところであります。一方、広里工業団地の現状としましては、平成20年度からこれまでに5社の進出を見ましたが、新規の用地買収には至っておらず、さらには東邦金属のような大規模な遊休地が発生している状況にあり、工業用地として農地を新たに取得することは大変厳しい状況にあります。農地を所有する皆さんの希望にこたえていくためには、これまでにも申し上げておりますが、全力で企業誘致に取り組んでいくことが重要と受けとめております。これまでの企業、事務所の誘致活動や広里工業団地の環境整備に加えまして、さまざまな企業が集まる展示会や商談会などの機会を活用し、企業などとの接点を高めていくほか、地元製造業者の支援を充実し、団地内での事業拡大や、団地外からの新たな立地、誘導を促進し、成果につなげてまいりたいと考えております。企業等の立地を実現していくためには、地道で長期的に取り組むことが必要であり、農地を所有する皆さんには、営農継続や世帯構成の変化、高齢化などを背景に、抱える課題なども多様化していると思われますので、そうした事情の把握にも努め、ご希望に少しでも早くこたえられるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
〇13番(東出 治通君) 2点目の農業者への対応という部分で再質問をさせていただきたいと思います。
今おられる域内の農業者の7割の方が処分を希望されているという状況の中で、先ほども申し上げましたように先行取得している用地がある。加えて、東邦金属の用地があいてきた。ホッコンパイル工場の用地もあいてくる。そういう状況の中で、本当にこれらのところに可能性があるのかということなのです。本当にこれ以上、域内の農業者の気持ちをもてあそぶような形ででの単なる引き延ばしは、私はやめていただきたいと。ですから、時限を切って、いつの段階までに見通しが立たないのであれば、その時点ではきちんとした形の対応をさせていただきますということにしていかないと、私は、農業者の皆さんが、本当にいたたまれないと思います。ぜひ、行政の立場でなくて、市民、農業者の立場に立った中で、いま一度、お答えをいただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
沢田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(沢田 敏幸君) 再質問にお答え申し上げます。
先ほどもお答えさせていただきましたけれども、時間の経過に伴いまして、農地を所有する皆さんの個々の事情も変わってきていると思われますので、まずはそうした事情の把握に努めさせていただきたいと考えております。個々の事情を把握した後の対応でありますけれども、過去の経過や農地を取り巻く状況、そして本市の財政事情、さらには今後にあっても企業誘致が厳しい状況であることなど、さまざまな要因を考慮しまして、農地を所有する皆様方の希望にどこまでこたえられるかどうかについて検討してまいりたいと考えております。なお、事情の把握を行う際には、前段申し上げましたさまざまな要因についてしっかり説明をしながら、所有者の皆さんの意向なども十分確認した上で進めていきたいと考えております。
〇議長(北本 清美君) 東出議員。
〇13番(東出 治通君) このことについては、ある程度見通しが立つまで、この場から今後も取り上げて質問をさせていただきたいと思います。
質問の最後は、地上デジタル放送についてであります。
従来のアナログ放送から地上デジタル放送への完全移行の7月24日まで、あと4カ月余りに迫ってきております。これまでに市内の5カ所ほどで難視地区があるということが明らかにされてきております。その後、これらの難視地区、受信できない地域が拡大傾向にある。何カ所かふえてきている。そういうお話をお聞きしております。だんだんと期限がなくなる中で完全移行となって、その段階で受信できないというような状況でも困るのだろうと思いますし、まず難視地区の状況、5カ所と言われていた地区が現在どのような状況になっているのか。
さらには、今申し上げたように、完全実施と、アナログが見られなくなったときにいざ見られないでは困るわけなので、そうならないための対策としてどのようなことを考えておられるのか。
それから、難視地区の住民の皆さん方と、その対策も含めて、いろいろな話し合いがされていると思いますので、地元への説明の状況、経過についてお伺いしたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 地上デジタル放送について、お答えいたします。
地上デジタル放送の電波受信環境の悪い場所、いわゆる新難視地区と言われる地区は、現在、市内では多度志町幌成地区、音江町菊丘地区、納内町5区の一部、一已町達布の一部、音江町吉住の一部、多度志町宇摩の一部、一已町東日向の一部、音江町音江第1町内会と第4町内会の一部の8地区、約80世帯となっている状況でございます。これら8地区のうち7地区につきましては、北海道総合通信局など関係する機関と協力し、難視解消策の説明会などが開催されておりまして、衛星放送を利用して地上デジタル放送を受信する暫定対策を受けるためのホワイトリストへの登載を行っているところでございます。残り1地区の音江第1町内会と第4町内会の一部につきましては、最近、調査結果の報告がありましたので、今後、対象世帯を訪問し、他の地区と同様にホワイトリストへの登録を予定しているところであります。総務省及び全国地上デジタル推進協議会では、この暫定対策により地上デジタル放送を視聴いただき、来年度以降、暫定対策が終了する予定の平成27年3月までの間に、それぞれの地区に合った難視解消対策を検討し、恒久的な難視解消を図っていくということになっているところでございます。また、現在判明している地区のほかにも、受信状況の悪い地区がある可能性がありますので、市といたしましても、昨年12月に各町内会長さんに地上デジタル放送の受信状況の悪い世帯があれば、市の企画課へ連絡いただくようお願いの文書をお送りし、市内の受信状況の把握に努めているところであります。
市民の皆さんから地上デジタル放送の受信状況が悪いという相談を受けた場合には、北海道北テレビ受信者支援センターに受信状況の調査を依頼し、その結果、電波の強度が足りないということになりますと、新難視地区に該当することとなり、他の新難視地区と同様に難視解消対策を受けることになります。また、総務省では、本年6月から8月にかけ、地デジ臨時相談コーナーを各地に設置して、受信相談やデジタル放送への移行準備のサポートを行うということとしております。道北管内では10カ所に北海道北テレビ受信者支援センターが臨時窓口の設置を予定しておりまして、そのうち1カ所を深川市に設置したい旨の相談がありましたので、本市といたしましても、相談開設の場所の確保や住民周知などに協力し、今後とも地上デジタル放送への移行が適正に行われるよう対応してまいりたいと考えております。
〇13番(東出 治通君) 再質問させていただきたいと思います。
最後の点ですけれども、衛星放送を利用して地上デジタル放送を受信するホワイトリストへの登録という対応策のお話がありました。お聞きすると、この方法による受信では、北海道内の地方局の放送、ローカルの放送が全く受信ができないということになります。今やテレビは娯楽ばかりではなくて、住民にとっての貴重な生活の情報源であったり、あるいは災害の際の情報源、あるいは天気予報ですとか、そういう部分を含めて多くの情報をそこから得ているというのが、今の時代ではないかと思います。そういう意味では、東京の放送、東京の地震速報が出るのか、災害の状況が出るのか、あるいは天気予報も東京の天気予報なのか、そういうことの結果として、やはり情報過疎というか、そういう地域にかわりない状況が生まれてくるのだろうと思います。年限をもって、2015年までには完全解消というような答弁もいただきましたけれども、ここら辺について、当面、住民の皆さんが理解されているのか、あるいは何らかの対策を考えられているのかについていま一度お聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
〇議長(北本 清美君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本 光央君) 再質問にお答えいたします。
今回のホワイトリストに登載をし、衛星放送を利用してということについては、平成27年3月までの暫定的な対策ということでございまして、それまでの間に個別に対するさまざまな取り組みを行って、その地区ごとに合った恒久的な対応を図るということが前提でございます。それまでの間ですが、ご指摘いただきましたように、当然、気象予報などにつきましては、東京を主体としたような放送になりますので、なかなか地域的なものが見られないということになります。一部BSなどでデータを取得することは可能ですが、それは高齢者層にとってなかなか使い勝手がいいかどうかとなりますと非常に問題もあるのかもしれません。これはあくまでも暫定的なものということですので、この場合に、極力速やかに恒久対応が可能となるような対策を進めるということが何よりも大事だと考えておりますので、それまで若干ご不便をおかけすることになりますけれども、暫定対策ということでのご理解をいただきたいということで説明をし、一定の理解をいただいているという状況にございます。
〇議長(北本 清美君) 以上で東出議員の一般質問を終わります。
〇議長(北本 清美君) お諮りします。
本日の会議はこれで延会したいと思いますが異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇議長(北本 清美君) 異議なしと認め、よって本日は延会することに決定しました。
本日はこれで延会します。
なお、あすは午前10時から開議します。
(午後3時15分 延会)