平成23年 第4回
午前10時00分 開議
平成23年12月6日(火曜日)
午後2時33分 散会
日程第 1 | 一般質問 | ||
8−1.11番 | ・鶴岡恵司君 | ||
答弁 | ・寺下副市長 | ||
2. 質問 | ・鶴岡恵司君 | ||
答弁 | ・寺下副市長 | ||
3. 質問 | ・鶴岡恵司君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
4. 質問 | ・鶴岡恵司君 | ||
答弁 | ・寺下副市長 | ||
5. 質問 | ・鶴岡恵司君 | ||
答弁 | ・松浦建設水道部長 | ||
9−1. 7番 | ・楠理智子君 | ||
答弁 | ・瀬川市民福祉部長 | ||
2. 質問 | ・楠理智子君 | ||
答弁 | ・沢田教育部長 | ||
再質問 | ・楠理智子君 | ||
答弁 | ・沢田教育部長 | ||
3. 質問 | ・楠理智子君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
10−1.16番 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
答弁 | ・藤田経済・地域振興部長 | ||
再質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
答弁 | ・藤田経済・地域振興部長 | ||
2. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・瀬川市民福祉部長 | ||
3. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
4. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・瀬川市民福祉部長 | ||
5. 質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・松浦建設水道部長 | ||
再質問 | ・松沢一昭君 | ||
答弁 | ・松浦建設水道部長 | ||
11−1.15番 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・坂本企画総務部長 | ||
答弁 | ・沢田教育部長 | ||
2. 質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
再質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・山下市長 | ||
3. 質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・沢田教育部長 | ||
再質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・沢田教育部長 | ||
4. 質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・藤田経済・地域振興部長 | ||
5. 質問 | ・田中昌幸君 | ||
答弁 | ・川端市立病院事務部長 |
(午前10時00分 開議)
〇議長(長野勉君) これより本日の会議を開きます。
〇議長(長野勉君) 事務局長から諸般の報告を申し上げます。
〇議会事務局次長(渡辺加代子君) 第4回定例会3日目の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。
以上で報告を終わります。
〇議長(長野勉君) 日程第1 一般質問を行います。
初めに、鶴岡議員。
〔鶴岡議員、質問席へ〕
〇11番(鶴岡恵司君) 3月11日に発生した東日本大震災、またそれに伴う原発事故の被害は甚大なものであり、今なお復興を実感することができないところであり、この災害復興への思いを国民が共有し、復興をなし遂げなければならないと強く感じるところであります。
日本は、災害復興、外交、経済など、大きな課題を抱える中、閣僚・官僚が全く緊張感のない失言をし、首相が熱弁を振るって国民に負担を訴えても説得力がなく、ただ不安を増殖させているばかりのように映り、まことに残念であります。
また、国内での十分な協議・説明もないまま、11月11日にはTPP参加に向け関係国との協議に入るとの表明があり、大きな不安を感じるところであります。米は私ども農業者にとって幸いなことに、基幹作物の水稲が豊作年であり、価格も平成21年産米の価格まで戻し、計画を上回る収入が見込まれ、本来であれば気持ちも軽く安心して一年を締め、晴れ晴れと新年を迎えるところでありますが、今年は率直に豊作を喜べない重い空気に包まれているように感じるものであります。11月末現在で推定したJAで扱う組合員が受け取る農家収入は、農産物の販売額、交付金によるものですが、総額で豊作年の平成20年を上回る見込みであります。中身は農畜産物の販売額で、平成20年が191億6,300万円に対し、今年の見込みは36億4,100万円減の155億2,100万円であり、また各種交付金の受取額は、20年が32億6,500万円に対し、今年の見込み額は39億1,300万円増の71億7,900万円であります。交付金については戸別所得補償の増により増加したわけですが、その増加分、販売額が減少しているところであります。農家経済が農政に大きく影響されるものとなり、複雑な思いがあるところであります。TPP協議の行方とともに注視しなければならないところであり、将来像が見えないところでもあります。
こんな状況の折、農業者の中には、行政に、農協に、TPPに反対の姿勢は当然貫いてほしいが、一方で足腰の強い農業を目指し指導力を発揮してほしいとのご意見を多く伺うところであります。そうした中で、深川マイナリーの起工式の折に、JAきたそらちの早崎組合長は、「深川市民の深いご理解によりマイナリーを利用させていただくことに感謝し、この施設を最大限活用し、深川を全国一の米産地に押し上げたい」との強い決意を示したところであります。今まで小売価格で内地米を上回ることはなかったわけでありますけれども、今年産で初めて東京近郊のスーパー、サミットで、ふっくりんこの小売価格が内地米あきたこまちよりも高い価格で売られ、売れ行きも好調とのことであります。生産者にとって何よりの励みであります。これもマイナリーあってのことであり、米農家の一人としてご支援、ご理解いただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。
議員として半年近く経過しましたが、まだまだ戸惑いの日々であります。そうした中で感じることを、通告に従い一般質問をしてまいります。
初めに、明年は深川市市制施行50年、開基120年という大きな節目の年になります。今日までの50年の歩みを振り返り、先人に感謝し、そして今後一層の発展を期することからも、記念事業は重要であります。そこで、記念式典、記念事業の取り進めについてお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
寺下副市長。
〇副市長(寺下良一君) 市制施行50周年、開基120周年事業について答弁させていただきます。
深川市は、明治25年2月4日に北海道庁令により石狩国雨竜郡深川村が設置されてから、平成24年をもって120年目を迎えます。また、昭和38年5月1日、1町3村が合併し市制が施行されて50年、半世紀という年を迎えることになります。
市といたしましては、これまでもその時々の節目の年に先人の足跡を振り返り、偉業をたたえ感謝し、そして今後に一層の発展を期するものとして記念式典等の事業を行ってまいりました。そうした意味で明年は節目の年でありますので、これまでと同様、市民とともに心を一つにし、次代に向けて飛躍の決意となるような記念の事業を実施してまいりたいと考えてございます。簡素な中にも心がこもった式典とし、厳粛な中で心に残る内容でありたいと考えているところでございます。記念事業の全体といたしましては、記念式典、功労者の表彰、記念講演を、さらに全戸に配布できる記念小冊子の作成などを現在検討しているところでございます。これらの事業を通して、多くの市民の方々に120年という歴史とその意義を知っていただき、感謝の気持ちを持ち続けていくことを願うものであり、議員各位におかれましてもご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
〇議長(長野勉君) 鶴岡議員。
〇11番(鶴岡恵司君) 次に、アボツフォード市との交流についてお伺いいたします。
このことについては行政報告の中でも報告を受けていますが、人的交流に取り組んでこられ、今年より人的交流に加え経済交流を目指し、経済交流調査団を派遣されたわけであります。現地での状況と、それを踏まえての今後の経済交流の目指すものについて、私の関心事でもありますので、少し詳細にお伺いしたいと思います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
寺下副市長。
〇副市長(寺下良一君) アボツフォード市との交流についてお答えいたします。
本市とカナダアボツフォード市は、姉妹都市として公式訪問団の派遣、受け入れといった親善交流や、青少年海外派遣事業や高校生の交換留学生制度を中心に互いの理解を深めてまいりました。加えて、ことしは新たな取り組みとして、議会初日の行政報告でも申し上げましたとおり、アボツフォード市との経済分野における交流の可能性を探ることを目的に、私を団長として経済交流調査団がアボツフォード市を訪問してきたところでございます。
現地では、農産物や特産物を主として扱うスーパーマーケットなどの市場調査及び深川米を初めとした本市の商品のPRのための試食会などの活動を精力的に行ってきたところでございますが、特に試食会では、我々調査団が深川市から持ち込んだ商品を使って調理したほか、アボツフォード市の料理人も深川の商品を使って調理を行い、参加者に提供いたしました。この会には、アボツフォード市の市議会議員、商工会議所や姉妹都市委員会のメンバーなど、約50人が出席されていましたが、いずれの料理や商品も好評で、日本食への関心の高さは想像以上であり、試食会は大成功であったと考えてございます。カナダでは日本食が人気商品である一方、健康志向への高まりから健康食品への関心も高く、本市の黒米やソバも注目度が高く、今後のマーケットに期待できると考えられるところでございます。さらに、経済団体同士の新たなつながりができたことは大きな成果であると思っております。ただ、このことが直ちに経済交流の具体化に結びつくものと言える段階ではございません。
アボツフォード市は人口20万人を目指し、急速に拡大発展しております。至るところで工業立地用地造成、あるいは道路整備工事、そして宅地造成が行われております。このように急速に変化、発展しているアボツフォード市と経済交流を進めるためには、定期的に往来し、さらに両市の魅力を伝え合うことが必要であり、大切であると考えております。今回の訪問は新たな交流への第一歩であります。したがって、今後しばらくは広い視点から、引き続き経済交流の可能性の探求、その上での具体化に向けた取り組みといったことが目指すところになるものと考えております。相互交流を継続することが新たな可能性の発見につながるものと考えておりますので、来年はぜひアボツフォード市から深川市に経済交流を目的とした訪問団を送ってほしいと、このことをお伝えしお願いしてきたところでございます。今後とも、姉妹都市関係の充実、経済交流の可能性の探求とその具体化に向け努力してまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 鶴岡議員。
〇11番(鶴岡恵司君) 次に、農産品の加工並びに深川産米の販路拡大についてお伺いいたします。
深川市にあって雇用の創出は最重要課題だと受けとめています。第2回定例会において企業誘致について質問させていただきましたが、企業誘致に向けた取り組みがなかなか実を結ばない状況であります。深川は農業が基幹産業であります。農業、農産物を活用する企業誘致を実現させたいとの思いから提言させていただきますので、市長の見解をお聞かせいただきたいと思います。
1点目は、バイオエネルギーについてであります。地球温暖化は国際的に大きな問題であります。日本はエネルギーの大部分を化石燃料に依存しており、そこから排出される二酸化炭素が環境に大きな負荷を与えている現状にあり、その削減を求められているところで、代替エネルギーの開発、実用化に強い関心を持っているところであります。トウモロコシ、サトウキビ、ビート等の植物を発酵、蒸留してバイオエタノールを製造し、バイオディーゼルは廃食用油などを確保してディーゼルエンジン用の軽油の代替燃料として使用していましたが、原料の確保が難しく、生産が安定せずコスト高となり、特に寒冷地での取り組みが進んでいないところであります。こんな中、6,000種を超える藻、水の中で生息する藻でありますけれども、これを調査・研究し、油分を多く含む藻を発見し、バイオディーゼル燃料の軽油の製造に成功し、実用化に向けた試験研究を行う計画が進行していて、試験研究のメニューには、寒冷地による藻の生育、培養の試験研究も検討されていると仄聞しているところであります。環境問題が大きく取りざたされる中、藻は当然植物でありますので、二酸化炭素を吸収し光合成して成長するものであります。試験研究室として誘致すべきと考えるところでございます。そこで、バイオエネルギーについてお伺いいたします。
2点目に、無菌米飯についてであります。企業を誘致して雇用の創出が考えられますし、農畜産物価格が安定しない、むしろ下落傾向にあります。米にあっても、今年産米の流通は今までとは異なり、全国作況が100を超え、東日本大震災で耕作できない水田もありましたが、道府県間調整でカバーし、なお2万5,000ヘクタール程度の過剰作付もある中、米の集荷が少なく、実需は米を確保するのに苦労しているとのことであります。原因は、災害の影響で全国のおよそ50万戸の水稲農家が自家保有米をいつもより多く残したことによるもののようであります。当然胃袋の大きさは決まっていますので、いつかの時点で需給に影響を及ぼすことになります。投機的な目的ではなくて、家族、親戚、知人の飯米を心配してのことであり、端境期までは保有するとの見方が大勢で、平成24年産に影響が出る心配があります。こうした状況下で、米の価格も予想が難しい状況であります。また、福島県産米から残念ながら国の基準値を超えるセシウムが検出され、風評被害等による米の消費減も懸念されています。こうした中、無菌米飯は炊飯の手間が省けおいしくなってきていることから、需要が増加傾向にあり、今年の震災以降は災害時の非常食としても需要が拡大し、生産が追いつかない状況であり、生産工場の増設を検討している企業もあると仄聞しています。北海道では岩見沢に生産工場がありますが、深川は北海道を代表する米の主産地でありますし、山下市長も無菌米飯に強い関心を持っておられると仄聞いたしています。ぜひ関係団体、企業に生産工場誘致に向け、市としても強く働きかけていただき、米の付加価値向上と雇用の創出につなげていただきたく、無菌米飯の取り組みについてお伺いいたします。
3点目に、企業誘致の観点からは離れますが、深川産米の販路拡大についてであります。道の駅、各種イベント、青年部の販売対策等で、深川産米の販売・配布に取り組んでいるところであります。札幌あたりではこめッちマークのお米はどこで買えるのとの質問を多くいただくそうであります。何とか札幌でもこめッちマークの入った米を販売いただけるよう検討いただきたいと考えるところであります。深川産米の販路拡大についてお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) 鶴岡議員の農産物の加工並びに深川産米の販路拡大についてということで3点質問がございましたので、順次お答え申し上げたいと思います。1点目、バイオエネルギーについてということで質問がありましたけれども、このバイオエネルギーは、これは言わずもがなかもしれませんが、石油や石炭などの化石燃料とは違いまして、再生が可能な生物由来の有機性資源で、焼却等しても一応大気中の二酸化炭素を増加させないと見られているバイオ資源をエネルギー源とする、そういうものとしてバイオエネルギーというのは考えられているわけでございます。このバイオエネルギーについての、本市のこれまでの取り組みについて少し触れさせていただきますが、平成16年度に市が策定いたしました深川市地域新エネルギービジョンという計画がございます。この中で、その中の一つにバイオエネルギーの本市における賦存量、どれぐらいどういうものがあるかという賦存量を示すとともに、その利活用の推進をこの重点プロジェクトの一つに位置づけているという計画をつくったということがございます。その後、そうしたことに沿ってということでご理解いただいていいと思いますが、平成20年度にJAきたそらちと連携・連絡をとりまして、本市において非常にたくさんある稲わらを用いた、稲わらからバイオ燃料を製造するといった事業、ソフトセルロース利活用技術確立事業という名前で農林水産省の研究応援予算がございましたが、それに関係企業が深川市を事業地とする、今申し上げたような事業計画を策定しまして交付申請したという経過がございます。これは私が市長のときにあったことで、経過はある程度理解しておりますが、かなりいい線までいったのでありますが、残念ながら途中で不採択に終わりまして、事業展開には至らなかった経過がございます。このバイオエネルギー問題については、技術的にもなかなか困難な問題が常につきまとっておりますけれども、ただ、ことしの10月25日、国が決定しました我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針、それから行動計画という、これは先日の議会でも少しお話を申し上げましたが、この政府が決定しました行動計画の中で、七つの戦略のうちの一つとして、このエネルギー生産への農山漁村の資源の利活用促進ということが大きくテーマとして掲げられておりまして、農村社会における再生可能エネルギーの供給促進、そのことを通じた新たな所得及び雇用を生み出す政策ということが大きく提起されているわけでございます。
農業を基幹産業とし、また多様なバイオマス資源、例えば今申し上げた稲わらでありますとか、もみ殻でありますとか、廃木材など豊富に存在している本市におきましては、国が新たに打ち出しつつある国の政策の枠組みをうまく利活用することによりまして、化石資源の消費抑制や循環型社会への貢献、さらには地球温暖化防止などへの寄与といったこととあわせて、本市への企業の進出、そのことを通じた雇用の創出を図るということを進めることが強く求められている、望まれているということでありますし、その実現可能性も決して少なくないと私は思っておりますので、今申し上げた国の打ち出されてまいりました政策の具体的な肉づけがどのようなことになるのか、今後、国や道の施策展開をよく注視していきたいと思っております。そうした対応の中で、議員がまさに可能性についてご指摘されました藻についても、しっかり情報を集めさせてもらい、可能な対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、質問の2点目の無菌米飯の取り組みについてでございます。この無菌米飯は、最近、どんどん存在が高まってきているわけでございますが、国内の企業・商社において、既にさまざまな産地の米を用いました製品の製造・販売が行われてきております。道内においても、今岩見沢に佐藤食品という会社がございまして、ななつぼし、あるいはゆめぴりかなどを使った無菌米飯の製造・販売が行われているといった状況でございます。この国内の無菌米飯の製造・販売についてでございますが、東京にあります食品需給研究センターという公益法人がございますが、ここが出している統計によりますと、昨年1年間でこの無菌米飯の生産、9万9,409トンという量が、間もなく10万トンに達するかという生産があると示されておりまして、年々その生産量が拡大してきているということのようでございます。そこで、本市においてこの無菌米飯の製造の企業を誘致するといったことについて、これはもう本当に、まさに大変重要な、かつ可能性のある事柄ではないかと、かねてから私は思っておりまして、市といたしましても、これは米にかかわる仕事でありますので、JAきたそらちや、またその上部団体であるホクレンなどの関係する団体とも、これまでもやってきておりますが、今後ともよく密接に連絡をとらせてもらって、幅広く企業関連情報の収集に努めまして、本当に誘致を実現するといったことのために具体的に必要な方法などについて、真剣に研究・検討してまいりたいと考えております。
それから3点目、深川産米の販売拡大についてでございますが、深川のおいしいお米を深川以外の、例えば札幌などの大消費地で販売するということは、それは販売がどんどん進めば、これは当然深川市の農業・農村の活性化に大いにつながるものでありますので、大変重要な取り組みだと考えているわけでございます。このため、今年度、少し新しいお話をいただきまして、10月に、深川市に本部がございます北海道農業近代化技術研究センター、近コンの札幌の事務所が入っているビルの1階があいているということで、ここを利用させてもらいまして、深川産米の試験販売のようなことをやらせてもらいました。また、JR札幌駅の構内にどさんこプラザというのがございます。1階の西側のコンコースに面してあるわけですが、このどさんこプラザ札幌店におきましても同じように、深川産米の販売をやらせてもらった。具体的に、深川から新米のふっくりんこを玄米の形で持ち込みまして、販売のその場所で精米して売るというやり方でございましたが、合わせて10俵程度販売ができたわけでございます。それを買われた消費者の声としては、大変評判がよかったと聞いておりますので、こうした評判がいいという結果などを踏まえまして、その販売活動の拠点となる常設の販売場所の設置であるとか、あるいは確保の可能性などについて、JAきたそらちの皆さんと協議・検討を進めているところでございます。しかし、こうした札幌市など、本市以外の場所での恒常的な米の販売ということになると、当然いろいろな場所の確保のための費用でありますとか、人件費でありますとか、さまざまなことが生じてまいりますので、やはりそういった課題がつきまとうのは常ということもよく踏まえつつ、いずれにしても一歩前進するために、JAきたそらちの皆さんとよく相談して、具体的に物事が前進できるように取り組みをしてまいりたいと考えているところでございます。
〇議長(長野勉君) 鶴岡議員。
〇11番(鶴岡恵司君) 次に、防災対策についてお伺いいたします。
台風12号の影響で、9月2日から3日にかけて多くの排水路、河川で越水し被害が多発したところであります。雨が降ると、山間地の水は沢を通じ平地に流れ込むわけですが、これを制御するのは当然できないわけであります。制御できるとすれば水田であります。深川市内では6,000ヘクタールの水田で水を一時貯留、貯水することができることになります。
9月2日午前、本会議の休憩中に、地区担当の農協職員から、河川が増水し被害に及ぶ危険があるとの連絡がありました。私は地区代表理事の立場でもありましたので、担当職員に関係する水田の落ち口を閉めていただくようファクスでお願いするように指示したところであります。しかし、排水路、河川に関することであり、改良区との協議が必要と判断し、即時にファクスを送信することができなかったようであります。当然、そうしたことを想定して事前に協議していなかったわけでありますので、いたし方のなかったところであります。
今後の降雨災害に備え、市が中心となり、田んぼダムの効果を検証し、市が関係機関と協議し、水稲農家に周知し、また災害時の指示系統を整理する必要があると考えます。そこで、田んぼダムの活用についてお尋ねいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
寺下副市長。
〇副市長(寺下良一君) 田んぼダムの活用についてお答えいたします。
質問にあります田んぼダムは、水田の持つ多面的機能の一つとして、大雨により河川のはんらんや市街地での浸水被害などが想定される場合、雨水を水田に一時貯留し、下流及び周辺に徐々に流すことによって洪水被害を防止、軽減する洪水緩和機能を発揮するもので、水田の持つこれらの特性を生かして洪水対策に役立てようとする考え方でございます。
現在、市内の関係する土地改良区においては、既に農協と協力して田んぼダムの取り組みを行っており、さきの大雨の際にもこの取り組みに多くの農家の方々の協力があり、農地や市街地での被害軽減に一定の効果があったものと伺ってございます。したがいまして、田んぼダムの活用につきましては、本市の防災対策の一助として、一方法として、洪水被害を防止し軽減するための有効な手段の一つであると考えますので、議員のご指摘にもありますように、今後も田んぼダムの機能を効果的に発揮できるよう、今後さらに防災対策全般の見直しを図る中で、市内の土地改良区や農協など関係機関・団体と連携してまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 鶴岡議員。
〇11番(鶴岡恵司君) 最後に、河川・排水路の整備についてであります。
残念ながら、9月2日の豪雨により吉野川が越水し、住宅1戸が床上浸水、農機整備センターが浸水、ほかにも多くの排水路・河川で越水被害に及んだところであります。
用水路が整備される前は、山間地から出る水を用水に集め水田に使用していたことから、山間部から出る水の多くが用水路に流入し、放置すれば当然用水路が越水することになりますので、用水路から河川に放水することになります。河川の状況を見回りながら河川ごとに放水量を調整するわけですが、今回はどの河川も限界を超えていた状況であります。最近の気象からすると、時間当たり50ミリ、100ミリ、またはそれ以上の集中豪雨も珍しくなく、9月2日から3日にかけて降った雨量は決して特別な豪雨ではないわけであります。また近年、山林が持つ涵養、砂防力の低下、道路整備による涵養、砂防力の低下等で、降水時の山間部からの水の出が早く、それに対応すべく河川を改修する必要があると考えるところです。吉野川はオサナイケップ川の支流であり、下流、本流のオサナイケップ川も越水していることから、オサナイケップ川、吉野川の一級河川昇格を市としても強く要請していただきたいと考えるところであります。また、オサナイケップ川、吉野川の一級河川昇格については、公政クラブの道要請の中でも北海道建設部空知総合振興局札幌建設管理部に強く要請してきたところであります。また、オサナイケップ川、吉野川を含む多くの河川で越水し被害に至っていますので、検証して改修いただきたいと思います。また、排水路については改良区とのかかわりもあり、なかなか改良が進まない箇所もあるようですが、連携をとり整備すべきではないかと思うところであります。
そこで1点目に、オサナイケップ川、吉野川の一級河川昇格への取り組みについて。
2点目に河川改修について。
3点目に排水路の整備についてお尋ねいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
松浦建設水道部長。
〇建設水道部長(松浦龍行君) 河川と排水路の整備についてお答え申し上げます。
最初に、オサナイケップ川、吉野川の一級河川昇格への取り組みについてお答え申し上げますが、この件につきましては、公政クラブとして北海道の各所管に対して要望されたとのことであり、地域の諸課題に対する日ごろのご活動や行政へのお力添えに対しまして、所管といたしましては大変心強く思っているところでございます。
吉野川につきましては、納内町12区の多度志川山間部を原流として、納内市街地を通りまして、一已12丁目付近でオサナイケップ川に合流し、石狩川にそそぐ普通河川でございまして、河川延長はオサナイケップ川の一部を含めて約12キロメートルに及ぶものでございます。本年9月2日の集中豪雨によりまして吉野川がはんらんし、床上浸水のほか、耕作地や住宅地の浸水、また道路浸水による通行どめなど、多くの被害をもたらしました。このことについては、市といたしましても重く受けとめ、北海道の札幌建設管理部深川出張所とも早速協議し、対策を検討しているところでございます。今回のような災害を未然に防ぐ対策としては、河川改修などの大規模な事業が必要でありますが、この事業には膨大な費用を要しますので、北海道が管理して事業を行う一級河川に昇格していただくことが、その実現を図る重要な方策であると考えておりまして、市といたしましても鋭意協議を進めてまいります。
さらに、2点目の河川改修につきましても、一級河川昇格とあわせて、改修事業をできるだけ早期に実施していただけるよう協議を進めるとともに、必要に応じて要望を行ってまいりますが、河川改修の実施が具体的になるまでには相当の時間を要することが予想されますことから、今後敷きざらいなど適切な管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の排水路の整備につきましては、道路排水や農業排水、または兼用排水などさまざまであり、整備改修の必要性などを見きわめるとともに、どのような整備手法が取れるかなどを今後検討してまいります。
〇議長(長野勉君) 鶴岡議員の一般質問を終わります。
暫時休憩します。
(午前10時41分 休憩)
(午前10時54分 再開)
〇議長(長野勉君) 休憩前に引き続き開議します。
一般質問を続けます。
次に、楠議員。
〔楠議員、質問席へ〕
〇7番(楠理智子君) ことしも残すところあとわずかとなりましたが、ことしは3.11東日本大震災、それによって引き起こされた原発事故、9月の台風など、災害に見舞われた年でもありました。原発事故の収束にはほど遠い状況にありますし、災害の復興もなかなか進まず、長く時間がかかります。また、私たちの暮らしに大きくかかわるTPP参加の問題、長引く不況による雇用確保の問題、また年金などの社会保障の問題などさまざまな課題がありますが、なかなか前進が見られず、閉塞感に包まれ前が見えない状況に置かれているのではないかと思います。来年こそは、この状況を少しでも打破できるようにしていかなければいけないと思いつつ、通告に従い一般質問を行います。
まず1番目は、介護保険についてです。
介護保険料、介護報酬の3年ごとの改定見直しに向けて、厚生労働省の諮問機関である社会保障審議会の介護保険部会で検討されております。第2号被保険者の見直し改定案は、大企業に多く負担を、中小企業に軽減する報酬割、年収によって介護利用者の自己負担割合の見直し、介護報酬改定で都市部割の割り増し財源を捻出するための基本報酬の見直し、ケアプランにかかる費用の自己負担、介護職員改善交付金にかわる処遇改善加算など、さまざまな見直しが提起されております。
深川市においても、平成24年度からの保険料の改定に向けての検討が行われていると思います。深川市における保険料見直しにもかかわってくる問題ですし、介護保険料を負担する人、利用する人、介護事業所にかかわってくる人の問題でもあるので、お伺いいたします。
1点目としまして、保険料の見直しについてです。深川市は前回の見直しでは、基金の取り崩しなどの措置で値上げはしませんでしたが、次年度に向けての検討はどうなっていますか。年金も低く抑えられ、次年度も減額が検討されていると報道され賃金も下がっており、値上げをされれば生活も一層厳しくなると考えられます。基金もある程度の積み立てがあると聞いております。基金を取り崩すなどして、でき得る限り値上げを抑制すべきと考えますのでお伺いいたします。
2点目、介護保険サービス利用の自己負担の見直しについてです。介護サービスを利用するためのケアプランの利用を有料にすることが検討されているようですが、ケアプランの段階から有料になれば、介護を受ける必要があっても利用を控える人も出てくるのではないかと考えます。少なくとも現状より後退させるべきではないと考えますのでお伺いいたします。
3点目、介護職員報酬の見直しについてです。基本報酬の見直し、地域区分の細分化し、都心部に増額になるよう検討されているようですが、地方のほうが移動する時間がかかりますので効率が悪くなるので、人件費はよりかかるのではないかと思います。都市部と地方の差をつけるべきではないと考えます。また、第2号被保険者に対しての総報酬割は健康保険組合、共済組合などで負担増、全国健康保険協会では負担減を検討しているということであります。多く影響を受けるのは現役世代ですが、導入によって第1号被保険者の保険料にも影響があるのでしょうかお伺いいたします。
4点目としまして、介護従事者の処遇改善についてです。介護現場で働く人の賃金は安く、結婚しても家庭を維持していくのは大変という実態が多く見受けられます。その対策としての処遇改善案が平成23年度で終わります。それにかわるものとして、基本給に一定の割合で加算することが検討されているようです。処遇改善案は、働き続けられる条件づくりにも必要なことですし、また高齢化社会の中では介護職員の必要性は増しています。そのためにも処遇改善が求められています。深川市だけの問題でありませんので、改善のための対策を国・道へも求めていくべきではと考えますのでお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
瀬川市民福祉部長。
〇市民福祉部長(瀬川慎君) 今、介護保険につきまして4点の質問をいただきましたので、順番にお答えいたしたいと思います。
まず初めに、介護保険料の見直しについてでありますけれども、次期計画策定の審議をお願いしております保健福祉施策推進協議会の中に高齢者計画の部会をつくっておりまして、これまでいろいろな議論がなされておりました。これまでの議論を踏まえまして、これは辻本議員の質問にもお答えしているのですが、11月までに、将来人口や介護認定者の推計を行いまして、その後、サービス利用者の数の見込みを算出し、それらをもとに今後3年間必要となる各種サービスの見込み量を取りまとめました。これに、新たなサービスとして、来年4月から開設が予定されている四つの施設があるわけですが、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの利用料をこれに追加しますと、やはり介護保険料というのは上昇するような形になります。一方、これもこれまで議会の中でご説明申し上げてきておりますけれども、平成21年に介護療養型医療施設の病床数が半減されまして、これにかかわる給付費が大幅に減少となります。それから、介護保険準備基金は平成23年度末の見込みでありますけれども、約2億9,000万円になろうかと思います。これにつきましても、第2回定例会におきまして市長から答弁させていただいておりますとおり、不測の事態に備えて一定額は残すのでありますが、可能な限りこの準備基金を取り崩しまして、介護保険料の軽減に活用していきたいと考えています。さらに、ことし介護保険法の改正が行われまして、平成24年度限りの措置ではありますけれども、都道府県にある財政安定化基金を一部取り崩して市町村に交付されることになっております。これも、この介護保険料の軽減に活用していくということにしております。今申し上げた上昇要因、それから減少要因、こういったものがあるのですが、これらを見ながら、現在の介護報酬に基づいて算出した場合の次期介護保険料の見込み額は、全国的には大幅な値上げが予想されている中で、本市におきましては現計画の介護保険料の基準額は月額3,775円、年額にして4万5,300円でありますが、大幅に改定する可能性は少ないのではないかと考えております。しかし、今申し上げたのは今の介護報酬で算出しているわけで、新たな介護保険料を大きく左右する介護報酬の改定の内容につきまして国から示されるのが年度末になるのではないかと思っておりますので、具体的な算定はやはり年が明けてから、前年度の予算編成とのかけ合わせの中で、さらに高齢者計画検討部会の審議もいただく中で、まず2月末までには成案としたいと今考えております。
それから、2点目の介護保険サービス利用料の自己負担の見直し、それから3点目の介護職員報酬の見直しについては、あわせてお答えさせていただきたいと思います。議員の質問にもありました、新たにケアマネジメントの利用者負担の導入、あるいは総給付の重点化による利用者負担割合の引き上げ、さらにはその介護納付金の総報酬割の導入につきましては、本年6月政府与党が取りまとめました社会保障と税の一体改革、この成案の中に盛り込まれており、それをもとに社会保障審議会の介護保険部会で議論してきております。その議論というのは10月から開始されているわけですが、詳細な中身については、私ども市町村のほうでは状況をつかみにくいのですけれども、11月30日にまとめられた論議の整理というものがございます。それに目を通してみますと、その整理の中では賛成、反対が両論併記されておりまして、この中で応能負担の強化だとか、あるいは重度化予防に効果のある給付への重点化など、給付の見直しが必要とされております。しかし、これらの見直し議論につきましては、議員ご指摘のように、やはり地方の介護職員の人材確保が困難になる可能性もありますし、サービスの利用抑制にもつながるのではないかという懸念もされております。こういったことから、私どもとしては、今後の国の動きについて十分注視していきたいと今考えております。なお、質問にありました第2号被保険者にかかわって、保険料の総報酬割導入が行われる、こういうような議論もなされておりますが、この導入によって第1号被保険者の保険料に影響することはございません。理由というのは、これはあくまでも第2号被保険者の保険料にかかわる内での負担割合の問題ですので、こういった理由から第1号被保険者の保険料に影響することはございません。
それから、4点目の介護従事者の処遇改善についてでありますが、この介護従事者の処遇改善についてはいろいろな意見がありまして、大きくは三つの意見が出ているようであります。一つは、平成23年度で交付が廃止となります処遇改善交付金を継続すべきだという意見です。もう一つは、介護報酬に対応してその中で決めていくべきだろうという意見、そして三つ目は、介護事業者の自主努力にかかわるのだと、こういう三つの意見であります。私どもとしては、やはり議員もおっしゃっているとおり、この辺についてはやはり地方の介護職員を人材確保していく、こういうことをできるような成案となるように私どもも強く望んでおりますので、このことに関しても今後の国の動きについて十分注視していきたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 楠議員。
〇7番(楠理智子君) 引き続きまして、次の質問に移ります。2番目は学習指導要領についてです。
新しい学習指導要領は、子供たちの現状を踏まえ、生きる力をはぐくむという理念のもと、知識や技能の習得とともに思考力、判断力、表現力などの育成を重視しています。これらの教育は、ゆとりでも詰め込みでもありません。次代を担う子供たちがこれからの社会において必要となる生きる力を身につけてほしい、そのような思いで新しい学習指導要領を定めたなどとありますが、背景としては、学力の低下が指摘される中で、学力向上のためにゆとり教育の見直しがあるのではないかとも思います。小学校、中学校とも授業時間が増加され、小学校では平成23年度より実施されており、中学校では24年度より実施されます。この状況の深川市においての実情をお伺いいたします。
1点目としまして、小学校における実施状況です。小学校では1年生、2年生では週2時間、3年生から6年生までは週1時間の増で、1年生でも毎日5時間授業、2年生は週4日の5時間授業、1日は6時間授業と聞いております。午後の授業も集中して受けられるための取り組みなどはどうなっておりますか。また、放課後の時間が少なくなっている中での子供への個別の指導や触れ合いはどのように工夫されているかも、把握していればお伺いいたします。実施されてから半年ほどたちますが、今後に向けての評価、改善点、問題点などについての検証もされていくと思いますので、その方向性もあわせてお伺いいたします。
2点目は、中学生の平成24年度からの実施についてです。中学校での授業時間数の増は週で1時間と、小学校よりはふえておりませんが、そのふえた授業時間を外国語の充実に充てるようですが、その内容の充実はどのように考えているのでしょうか。また、授業時間数がふえることによってクラブ活動に充てる時間が少なくなるなどの対応についてもお伺いいたします。
3点目は、授業時間数の増加による教師の配置についてです。授業時間がふえることによって教師の授業にかかわる時間もふえてきますし、ゆとりを持って子供たちと接するための教師の増員も必要なのではと考えますので、どのように措置されているかお伺いいたします。
4点目は、子供たちの教育の充実についてです。中央教育審議会での児童生徒の学習評価のあり方についての報告書の中で、学校や設置者の創意工夫を生かす現場主義を重視した学習評価を推進するとありました。また、新学習指導要領は、子供たちに生きる力をはぐくむため、学力の重要な要素それぞれの育成が必要とありました。創意工夫を生かす現場主義とは、その地域、子供に合った教育を推進していけることでもあり、独自性も出すこともできると考えます。また、生きる力とは学力だけではありません。伸び伸びと育ち、みずから考え自立していく力を養うことも必要ですし、仲間とのかかわりで社会性を身につけていくことも必要です。これらを含めた学校、深川ならではの学校教育のあり方も求められていると考えますので、お伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
沢田教育部長。
〇教育部長(沢田敏幸君) 1点目の小学校における実施状況についてでありますが、本年度からスタートしました小学校の新学習指導要領の実施に当たっての具体的な質問をいただきましたので、順次お答えいたします。
初めに、午後からの授業を集中して受けるための取り組みについてでありますが、授業時間が増加することに伴い、午後の授業が1、2年生で週2時間、3年生から6年生が週1時間増加しており、各学校では時間割の工夫やグループ学習、指導方法の工夫・改善を図りながら、午後からの授業を集中して受けられるように努めているところであります。次に、子供への個別指導や触れ合いのための工夫につきましては、教職員による会議等の効率化を図り、児童と接する時間を確保する工夫や、休み時間の活用により触れ合いを図るほか、児童との会話を意識的にふやし信頼関係を深めるなど、個別指導の質の充実などに努めているところであります。次に、今後に向けての評価、改善点、問題点等の検証の方向性についてでありますが、実施した教科単元ごとに改善点を教育課程に書き込みを行いまして、これをもとに来年度に向けた指導の改善を図ることや各学校で実施する学校評価などを通じ、学校と協力して教育環境の向上に努めていきたいと考えております。
次に、2点目の中学校の平成24年度からの実施に向けてについてお答えいたします。中学校では、平成24年度からの新学習指導要領実施に伴い、国語、社会、数学、理科、保健体育、外国語において、履修時数が3年間で約1割増加することになります。質問にありましたように、外国語では週1時間の増加となりますが、このことにより学ぶ語数が増加するなど、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの4技能をバランスよく育成するように授業内容が充実することとなります。また、授業時間数の増加に伴い、クラブ活動の時間が少なくなることへの対応についてでありますが、部活動については学習指導要領にも明記されており、生徒が互いに励まし合い友情を深めるなど、好ましい人間関係を図るよう、学校教育の一環として適切に対応することとなっておりますが、時間を有効に使った効率、効果的な練習の工夫や、目標に向けた計画的な活動などが大切であると考えております。
次に、3点目の授業時間数の増加による教員の配置についてお答えいたします。職員数は児童生徒数により、北海道教育委員会において配置基準定数が決められていますので、授業時間数の増加による職員の増員はありませんが、小人数指導に当たる教員の加配や、35人学級が進むことで教員の増員が図られていくものと考えております。
次に、4点目の子供たちのための教育の充実についてでありますが、本市では生きる力をはぐくむ教育を推進するために、知・徳・体のバランスのとれた教育や、学力向上に向けた独自の取り組みであります学習サポートプログラム事業の推進、農業のまちならではの農業体験学習の推進のほか、地域や保護者と連携した授業などの取り組みを通して、本市の特性を生かした子供たちの教育の充実を図っているところであります。
〇議長(長野勉君) 楠議員。
〇7番(楠理智子君) 1点再質問させていただきます。
4点目で伺いました子供たちの教育の充実について、深川市では生きる力をはぐくむ教育を推進するために、知・徳・体のバランスのとれた教育とありますが、学力向上だけではなくてバランスのとれた教育は必要なことだと思いますので、その内容をお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
沢田教育部長。
〇教育部長(沢田敏幸君) 再質問にお答え申し上げます。
生きる力とは、知・徳・体のバランスのとれた力のことでありまして、学習指導要領では、子供たちの生きる力をより一層はぐくむことを目指すとしております。この学習指導要領に基づきまして、知の取り組みとしましては、確かな学力の定着を目指して、各学校において言語の力を高める学習や学び直しの機会を設けたりしておりますし、市教育委員会では先ほど申し上げましたように、学習サポート事業などに取り組んでおります。徳の取り組みとしましては、豊かな心をはぐくむことを目指しまして、学校教育活動全体を通じまして、道徳を中心とした心の教育やあいさつなどの基本的な生活習慣、そして決まりを守ることなどについて取り組んでおります。最後に、体の取り組みとしましては、健やかな体を育てることを目指して、体育の授業のほかに、各学校においてマラソン大会、球技大会や休み時間を利用した遊びを通じての体力向上などに取り組んでいるところであります。
〇議長(長野勉君) 楠議員。
〇7番(楠理智子君) 最後の質問に移らせていただきます。
最後の質問は、移住定住促進についてです。深川市においては、移住・定住推進事業を行っており、移住体験の推進、移住者向けの空き家情報、農業を始めたい人への就農支援などを行っております。
10月に視察を行ってきた岡山県笠岡市での定住促進ビジョンについての定住促進施策の方針は、住む場所の確保、働く場所の確保、暮らし条件の確保などで、設置された定住促進センターは、副市長をトップに各部署との連携強化、ハローワーク、商工会議所、地元企業、高等学校などの関係機関との連携強化を図っていくものという施策でありました。これらの施策をさらに情報発信していくというものでもあります。
人口減少に歯どめをかける人口対策としても、深川市においても進められ取り組んでいると思いますので、深川市における移住・定住推進事業についてお伺いいたします。
1点目は、移住希望者の働く場についてです。移住体験などを通じて、深川に住んでみたい、あわせて働く場もと希望する人に対しての就職活動の相談はどのようになっておりますか。相談の対応によっては移住にもつながると考えますので、お伺いいたします。
2点目は、福祉のまちの情報発信とアピールについてです。まち中で会った顔見知りの方が、深川は保育費の2人目は無料など福祉が充実しているので、深川に引っ越しをしてきましたということを言われておりました。福祉の充実を図り、深川市における福祉の状況をアピールし、福祉のまちとして市内外に情報を発信することも移住定住につながるのではないかと思いますので、考えをお伺いいたします。
3点目といたしまして、人口増加に向けた定住対策です。移住促進も重要ですが、今住んでいる人たちが住み続けたいまちと思えることも重要なことです。市民のニーズを聞くなどし、定住に向けた住宅対策、働く場所の確保、福祉対策などを、各部課が連携し内容を共有し対策を考えていく、その取り組み、方向性を情報発信していくことも必要ではないかと考えますので、お伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) ただいま、移住・定住推進事業について3点質問がありましたので、お答え申し上げます。
初めに、移住希望者の働く場についてというお尋ねでありますが、これは議員もご承知のように、深川市では平成17年度に、移住相談ワンストップ窓口というものを設けまして、以来、そこを中心に移住希望者の問い合わせやご相談などに対応してきているところでございます。また、毎年移住定住の促進ということで、首都圏などで開催されます移住定住に関する各種フェアへの参加、また本市に移住を希望する方の体験ツアーなどを行うことを通じまして、移住定住施策の推進ということで努めているところでございます。こうした取り組みを進める中で、移住希望者の皆さんに対しましては、深川市の魅力でもございます自然のほかに、交通アクセスのよさでありますとか、農業主体でのんびり暮らせる生活環境が整っていること、あるいはまた公共施設も整備されているといったことなどをそうした方々にPR申し上げると同時に、移住を希望される方の希望に沿うような住む場所、思いに合うような住む場所の確保というのはなかなか難しいということ、またあわせて、働く場所の確保も難しいといったことなども、率直に説明いたしているところでございます。また、移住を希望されている方たちから、具体的に働く場についてのご相談を実際に受けた場合には、ハローワーク滝川が発行しております求人情報誌を提供させてもらったり、あるいはまた、深川市から通勤が可能だと思われるような近隣のまちの様子などもあわせて説明させてもらっております。ほかに、これは移住者と市内有志の皆さんでつくっている移住推進会議、移る夢深川という組織がございますが、そこと連携いたしまして、実際に深川市に移住された方の就職に関する経験、体験談などをお話しいただくといったことなどをやりまして、移住希望者の疑問や不安に少しでもお答えできるようにということで努めているところでございます。なお、実際深川市へ移住された方たちの多くは、いわゆる団塊の世代と言われる方たちでございまして、したがって、当地で就職された方は少数でございます。しかし、実際に就職された方たちのお話では、それぞれ持っている資格でありますとか、過去にされておられた仕事の経験を生かしまして、それぞれ職を得られたというか職につかれたといったお話は伺っているところでございます。
2点目に、福祉のまちの情報発信、またそのアピールといったことについてのお尋ねでありますが、この点については、前回の市議会定例会で楠議員が述べられました、子育て支援策のPRについてという質問、その折にもお答えいたしましたが、この子育てにかかわる本市の関係施策を市内外に広くお知らせしていくということは、言われますように移住定住の促進にも確かに効果があるものと考えておりまして、積極的な情報発信に努めてきているところでございます。現にことし9月、大阪で開催されました移住フェアにおいて、本市の相談ブースにお越しいただいた方から、実際に子育て支援に関する相談というか照会というか、そういうものがございまして、その折、本市の充実というか、取り組んでいる、実際やっている子育て施策などについてよく説明させていただいたと、実際にそういう関心のある人がいらっしゃるということは事実かと思います。今後におきましても、そういう子育て支援を初めといたします各種の福祉施策など、深川市が行っておりますさまざまな施策を、市の内外に幅広く情報発信するということは大変大事だと考えておりまして、この先、市のホームページや移住定住PRパンフレットにつきましてもリニューアルを図るといったことを考えております。そうした中で、移住定住の促進につながるよう、さらにその内容の充実にも努めていきたいと考えているところでございます。
最後に3点目、人口増加に向けた定住対策ということでお尋ねがありましたが、今議員が言われますように、今住んでいただいている市民が住み続けたいまちと思われるようになることも重要という議員のご指摘はまことに本当にごもっともでありまして、そうした考え方などから本年度より、深川市としてはこの人口経済対策を市政の重要な政策課題と位置づけまして、例えば保育所保育料、あるいは乳幼児医療に対する支援の拡充といった子育て支援対策を初め、就労の場の確保、拡充につながる各種産業振興施策、それから中心市街地の活性化対策や、また今るる申し上げた移住定住対策のさらなる推進などの施策を、これは施策の横断的にといいましょうか、庁内で連携をとりつつ進めているところでございます。またあわせて、今後の深川市におけるまちづくりの基本指針とすべく、現在作成の検討を進めております第五次深川市総合計画の中にも、当然議員がおっしゃる移住定住促進についての項目も含まれてくるということになりますので、これらの施策の実施・実行に当たりましては、ご指摘のとおり、庁内の各部課の連携をより一層図りまして、施策の横断的な展開を通じて施策の実効が上がるように最大限努力してまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 楠議員の一般質問を終わります。
次に、松沢議員。
〔松沢議員、質問席へ〕
〇16番(松沢一昭君) 2011年第4回定例会に当たり、通告に従って一般質問をいたします。日本共産党深川市議団の松沢です。
多難な1年があと1カ月で終わろうとしています。この1年間は、特にあの3.11の大きな衝撃にのみ込まれた1年だったように思います。9.11テロの一部始終がテレビで放映されたように、地震のニュースを見ようとしてテレビのスイッチを入れて間もなく、地震のニュースとともにあの大津波に田や畑や家や車が次々とのみ込まれる様子が、実況として目の前に飛び込んでまいりました。一緒にテレビを見ていた知人が、福島原発が危ないと言ったのが非常に印象的な言葉でありました。マスメディアの発達した現代ならではの情景ではありますが、これからも長い復興の道のりが続くことでしょう。その後の東北地方の地質調査では、大正時代に襲った三陸大津波を初め、あの地方では100年に1回くらいの周期で津波が襲っていたということが明らかになりました。
このような大きな国難ともいう状況に、TPP交渉どころではないとだれしも思っている中で、野田政権の誕生と同時に、何の説明も国内論議もされない中でこのことが持ち出されました。深川市議会の一般質問でも、日豪FTAや日米FTA、あるいはTPPについて、これまでも山下市長と何度か論議してまいりました。事この問題については、私と市長の間に基本的な認識のずれはないと思っています。
WTOの中でさんざん国際競争力を求められてきた日本の農業は、かつては北海道内の隅々まで開拓のくわが入りました。そしてまた、至るところに学校が建てられ、小学校の運動会には仕事を休み、地域を挙げて年に何度かのレクリエーションの一つとしての一日を楽しんだ面影が、今は学校の校門だけが残っています。一時は80%を超えた食料自給率は、カロリーベースでは40%にまで低下してしまいました。選択的課題と言われた果樹や酪農は、品種改良や規模拡大によって選抜され、今営農している方はその中で生き残ってきた人たちです。
今、野田政権が交渉に入ろうというTPPは、原則関税ゼロの貿易と言われています。おいしいもの、高品質のものを生産していたら生き残れるといった単純なものではないでしょう。外食産業はさまざまな加工技術を駆使して、マスコミによる宣伝とともに消費者に迫ってくることは間違いありません。TPPの交渉に参加すると日本政府が表明するや、アメリカが日本に要求したのが牛肉の月齢制限の廃止でした。これが何よりもこのTPPの真の姿をあらわす出来事だと思ってよいでしょう。農薬の使用にしても遺伝子組み換え食品にしても、今言ったBSE問題にしても、日本独自の主張は通らなくなるでしょう。それにしても3.11の東日本大震災以後、農業団体も、そして私たちもそちらに気をとられて、この問題では少なからず油断したと思います。ここへ来てみると、民主党の党内も自民党の党内も、その賛否が二つに分かれ、世論もまた賛否が割れています。今、農業団体は消費者に広く訴えていくと言い出していますが、これも非常に大事なことだと思います。また、影響を受ける他業種の医療関係者や保険金融業界なども含めた横の連携も大切になってきます。地域崩壊ともなりかねないこのときに、深川市も世論を説得する先頭に立つべきです。急ぎTPP反対の大きな懸垂幕をつくり、市庁舎に下げるべきではないでしょうか。先日行った吉村作治氏を招いた講演会のような催しやシンポジウムなど、広く世論を喚起するような行事をやっていくべきではありませんか。深川市の役割は、そしてまた山下市長の果たす責任は非常に重要であります。山下市長の考えをお聞きします。
農業の2点目に移ります。深川産農産物の地元消費拡大について、山下市長の取り組み、消費の実態について、特にお米について伺います。
対外的な販路の独自販売について、これはこれまでもここで取り上げてまいりました。年々独自販売の拡大はされてきているということですが、価額の上では少し物足りないというのが率直な感想であります。農家が再生産していくためにはやはり手取りで1万5,000円くらいは必要なのではないでしょうか。市内の農家の方でも、インターネットによる販売などで独自に道を開いている方もたくさんいらっしゃるようですし、今、そのネーミングの上からも食味の上でもスターになっているふっくりんこやゆめぴりかなどは、もっと上の価額帯で取引されているようです。
私も先日の会派視察の折に、深川産ゆめぴりかの宣伝をさせてもらいました。また常任委員会の視察でも、あいさつの中で必ず深川産ふっくりんことゆめぴりかのことを一言入れるようにしましたが、私たちがあらゆる機会にそうしたことをすることで、おや、このお米の名前はどこかで聞いたぞと思って手に取ってもらえるかもしれません。会派視察のときには、なでしこジャパンが国民栄誉賞を受けたときの副賞となった広島県熊野町というところを視察させていただいた折、事務局の人たちに随分お世話になりました。帰ってからそのお礼に、道の駅からゆめぴりか5キロを送ったのですが、丁寧な礼状が届きました。今の深川のお米は、そうしたことに使っても自信を持って使える食味になっています。深川市内にある中華料理店のお米は、鷹泊産のきらら397が使われ、主にチャーハンにして創業以来ずっと続いております。同じ系列の浦臼にある中華料理店が三笠に支店を出す折には、このお米を使ってくれるといううれしい話がありました。このようにして、小さなつながりであっても、私たちが地元産農産物を口コミで広げていくことはとても大切なことだと思います。山下市長が先日深川市内を回って、深川産米の消費を訴えて歩いたということですが、今とても大切なことだと思います。
ところで、現在深川市内の地元米の消費はどのくらいになっているのでしょうか。やはりここから知りたいと思います。また、先日市長が市内の事業所などを歩いたということですが、そのときの手ごたえといいますか、反応はどうだったでしょうか。また、札幌深川会や東京深川会などでもこうした機会があるでしょうから、そうした折にも当然深川のお米の話が出るでしょうから、そこでの会話についてもあわせてお答えください。
次に、3点目、有害鳥獣駆除について質問いたします。この1年間のとなっていますが、実際には実施されたのは4月8日から11月いっぱい、データが出ている部分は10月末までかと思いますが、実質は一夏のということになると思います。昨年も何度か質問し、深川市にも多くの点で要望を実現してもらいました。私もそうした点での改善が図られなかったら、とてもここまでは続かなかったと思います。
私が狩猟免許を取得したのが一昨年9月で、この年の捕獲は猟期だけで約10頭でした。2年目は、自分の所有地と納内の知人から依頼のあった土地の作物を守るということで、道から許可をもらいました。これは全くの無報酬で、9月20日から撃ち始めて、狩猟期間を含めて24頭の捕獲でした。ことしは4月8日から始めて11月いっぱいで、私の手元の集計では128頭になりましたが、4月、5月の申請時、書類の整理になれていなくて、駆除申請のほうが四、五頭少ないのではないかと思います。
現在の捕獲奨励金は1頭5,000円プラス1時間1,700円となっています。原則はシカが出たという農家からの電話をもらって出動するということになっていますが、深川市内から鷹泊幌成方面まで行くと35分から40分かかりますから、シカはそう1カ所にじっとしていることはなく、多くの場合空振りとなります。シカを捕獲しないのに奨励金の行動費申請は非常にしづらいですから、恐らく行動費だけの申請は市内のどのハンターの方からも出ていないのではないかと私は思っています。私は自分の選挙の前しばらくと、議会準備の何日か視察に行っている間以外、ほとんど毎日朝夕2時間半から3時間、納内から鷹泊までの山沿いをパトロールして回りました。その結果がこの数字です。ですから、実際のパトロール時間は申請の3倍から4倍くらいになっていると思います。また、そのほかに、30頭くらいは明らかに致命傷になったが、やぶに入られて見失ったのがあります。一夏の奨励金が約120万円になりますが、弾を400発余り使っていますから、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるといいますから、そんなことで結構弾代がかかります。これが20数万円。軽トラックをこのパトロール専用に使用していて、この燃料代、修理費、車検で35万円くらいかかっております。減価償却は見ないで、また狩猟免許と保険料も見ないで、約半分が経費となっています。あとの分で、これまでかけた銃の代金や免許取得経費が現時点で回収できたというぐらいです。それでは、何がメリットかというと、老眼が解消してすごく目が見えるようになったということが第一にあります。体力の強化、メタボの解消、注意力、集中力を衰えさせないなど、自分の健康面での大きなメリットがあったと思っています。
さて、この1年の駆除期間終了に当たって、行政に改善を求めたい点が何点かあります。
一月に3頭、5頭なら苦になりませんが、月に20頭、30頭の書類を整理し写真もつけるという方法は非常に煩雑です。また、現場に行ってからデジカメの電池切れに気がついたこともありますし、マジックのふたが外れていて書けず、出直したこともあります。私たちは1日、5から6時間毎日のようにパトロールしていても、捕獲しないときには出動手当の申請はしていません。そして何よりも、1頭獲ったら、写真だと何頭でも申請できるではないかと周囲から思われるような、今の方法は決してよい方法だとは思えないのです。ほかの町でやっているように、しっぽを証拠品にして冷凍保存して、1カ月分まとめて、どこで捕獲したか、雄か雌かだけを記録して、1頭1万円という方式でやってほしいと思いますがいかがですか。その中に行動経費もすべて含めるという方法で、士別市などでは既に昨年から行っているということですので、この点での手続の簡略化の改善を求めたいと思います。
次に、わなによる捕獲についても伺います。銃による捕獲に比べ、ことしの実績には相当開きがあるようですので、まず、この両者の捕獲頭数についてお答えください。農協の補助と奨励によって、くくりわなの導入が行われ、相当数入っているようですが、わなをかける人がごく一部になっているのには原因があると思うのです。それは、農家が自分の畑を守るためという理由で、止め矢に行く人の分2,500円の奨励費のみで、わなをかけて捕獲する人には全く何も出ていません。作物を守る自衛という意味では、電牧さくが張られていればとりあえず被害が防げるわけですから、問題は生息数をどう減らすかということに主眼を置いて当面の施策を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。わな捕獲も1頭1万円で、その中から止め矢の支払いも独自にやっていく、そういう方式です。そもそも、ここまでシカがふえてしまったのは、道の生息調査のミスだと私は思っています。わずか数年前までは雌は捕獲禁止でした。現在、それはなくなりましたが、今度は12月に入ったら、雄は1日1頭までしかとってはだめということです。非常に紛らわしくていたずらに混乱を招くだけのこういう点も改善してほしいことの一つであります。
次に、道にやってもらいたいことがあります。4日付けの道新に出ていましたが、シカに発信機をつけての調査に入るようですが、もっともっと行動パターンを調べる必要があります。私が一夏これだけとりまくっても、深川市内のシカの生息数は減少していないという印象がしています。1地域で6頭、7頭続けてとってやれやれと思っていると、別の個体群が入ってきます。私たちは余りにもシカのことを知らな過ぎる。そして、生息数だって62万頭と言っていますが、本当のところわかっていません。もっと科学的な分析を行って、シカの生息実態や習性を知らなくてはならないと思います。この辺は深川市としても道に要請してもらいたいことの一つです。
もう一点は有効利用について伺います。これも個人的にやる気になって、大工さんに見積もりを出してもらって、食品衛生責任者の資格もとりました。しかし、捕獲のほうがこれだけ忙しくなるとそれどころではありません。これはぜひ、市と農協にやってもらいたいものの一つです。残滓の処理一つとってもなかなか大変ですし、そう簡単に黒字にはならない事業だと思います。今年栗山町で着手するということですので、参考にしながら検討してもらいたい課題であります。
以上についてお答えください。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) 松沢議員から、深川の農業を守るというテーマのもと、大きく分けて3点質問がございましたので、そのうち、私からは1点目と2点目についてお答え申し上げたいと思います。
1点目のTPP加盟に関する質問がいろいろございまして、まずこの点については、初めに議員がるる述べられましたTPP問題が持つ本質的な危険性でありますとか、今後の展開に関する懸念などについては、議員の認識とおおむね共有するもの私も思っているところでございます。
そう申し上げた上で、具体的に幾つかお尋ねがあったうちの、まず懸垂幕の点でございますが、これは現在深川市では、ことし2月にJAきたそらちから提供してもらった懸垂幕、幅90センチ長さ5メートルのこの懸垂幕を、北海道の農業、経済、生活を守れ、それからTPP参加反対、こういう趣旨を示すという意味で、この市庁舎の前面に掲げてございますし、また経済センターの壁面にも、多くの市民の目にとまるようにこれが掲げられているところでございます。新たな大きな懸垂幕をという議員からのご提言がありましたので、この点についてはJAと相談していきたいと思っております。
次に、同じくTPPに対する催しとかシンポジウムなどの開催についても考えてはという趣旨の質問、意見ございました。これは繰り返しになりますが、TPP問題は本当に国内の農林水産業、それから、それらに依拠する地域、地方社会、地域経済を崩壊の危機にもたらし得る大変危険な問題である。我が国全体にとって極めて大事な問題である。そういうことを踏まえまして、これまたご案内のことかと思いますが、深川市でも、JAきたそらちや深川市の農民協議会などの皆さんと連携をとりながら、10月18日でございますが、空知管内の農協組合長会と、それから空知農民連合主催のTPP参加断固反対、郷土空知を守るキャラバン行動と銘打った集会を、いち早く我が深川市の市役所前庭において開催して、その場で農民団体や市民の皆さんとともに、私も市長としてTPP参加反対ということを訴えたところでございます。いずれにしても、今後も粘り強くやっていかなければならないと思っておりまして、北海道市長会や北海道、それから道内の農業関係諸団体とよく連携して、国に対しまして強くこのTPP問題の危険性を訴えていくことは本当に大事だと思っております。そこで、ご指摘の市内で講演会やらそういうシンポジウムを開催してはといったことにつきましても、必要に応じて今後JAきたそらちなどと相談してみる、あるいはまた働きかけてみたいと考えているところでございます。
2点目、深川産農産物、特にお米の消費拡大についてということでございますが、市内における地元産米の消費について、まずその量的把握ということでございますが、実際、市内には多くの方が地元のお米、深川のお米を食べている。そういう現状にあろうかと思われますが、そうした地元消費が市内全体でどれぐらいになるのかという、正確な消費量の把握は実は困難なところがございます。しかし、JAきたそらちからお聞きしているところでは、市内消費者向けに出荷されている深川米は、平成22年産米、つまり去年の実績、ことしはまだまさに消費の最中ですから、去年の実績では大体1,380俵程度ということのようでございます。これぐらいは市内に出回り、市民が食べている量ということになろうかと思います。次に、地元産米の消費拡大のための市内事業所回りに関してでございますが、これは例年やってきておりますが、ことしも11月22日に、農協の組合長さんらと一緒に、この日は深川商工会議所、それから商店街振興組合連合会、市の料飲店組合、北洋銀行深川支店、北海道中央病院、それから空知総合振興局北部耕地出張所に出向きまして、深川産米の消費拡大への呼びかけをさせていただいたところでございます。その折の反応ということでございますが、これはもう申し上げるまでもなく、深川産米のよさというのは、私たちが働きかける相手方はみんなよく承知しているところでございまして、もちろん反応は上々でございました。あわせて、深川の将来を考えたときの、米を一つの戦略作物にして発展を図っていくといったことについても、あわせていろいろ訴えさせてもらいましたが、こうしたことについても、おおむね皆さん、ご賛同いただけるような反応が得られているということでございまして、引き続きこの地元産米を、これまで以上に市民の方々により多く食べていただいて、食べ支えていただく。そのことを通じて、より一層深川市の農業及び農家経営の安定を図っていければと思っております。そういうことで、いずれにしても農協などとさらに連携を強めまして、より一層我が地元産米の消費拡大に向けた取り組みに力を入れてまいりたいと思っているところでございます。
残りの質問は担当部長からお答え申し上げます。
〇議長(長野勉君) 藤田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(藤田正男君) 私から、3点目の有害鳥獣駆除の1年間の推移と今後の改善点についてお答え申し上げます。
初めに、シカ捕獲の確認方法とハンターへの報奨金についてでありますが、現在、市が実施しております確認方法と報奨金につきましては、議員が述べられているとおり、市委嘱ハンターの方がシカを捕獲した際に写真撮影し、その写真を添付した上で市に申請いただきまして、1頭につき5,000円を報奨金として支給しているところでございます。シカ捕獲時の確認や報奨金につきましては、本年度から新たに実施している状況にもございますことから、市といたしましては、月末に開催予定の猟友会北空知支部の部会長や鳥獣害防止対策協議会及びJAきたそらちで構成しております有害鳥獣駆除にかかわる検討会でご意見をいろいろいただきまして、そのご意見などを踏まえまして可能な対応をしっかりしてまいりたいと考えております。
次に、わなによる捕獲及び奨励策についてお答え申し上げます。初めに、くくりわな等によるエゾシカの捕獲頭数についてですが、本年10月末現在で、銃器による捕獲頭数は156頭、くくりわなにつきましては、捕獲技術などの関係もあるものと思われますが、これは11月末まで届け出が来てございまして、現在で21頭となっております。農作物被害を防止していくためには、議員も触れておりましたが、シカの個体数調整が必要でありまして、ハンターによる捕獲はもちろんでございますが、くくりわなによる捕獲についても重要であると認識しているものでございます。議員ご指摘のことにつきましては、鳥獣被害防止対策協議会とも十分協議を行い、より一層の捕獲のための施策について検討してまいりたいと考えております。
次に、シカの行動調査に対する道の取り組みについてでありますが、市といたしましても、年々増加していますシカを効果的に駆除するには、シカの移動ルートや越冬地などを調査することが重要と考えておりますことから、それらの調査の実施などについて、しっかり道に要望してまいりたいと考えております。
次に、エゾシカ肉の有効利用についてお答え申し上げます。エゾシカにつきましては、地域産業の創出及び地域振興につながる事業として、道内各地で食肉加工が行われている状況にございます。シカ肉としての有効活用の手順としては、銃やわななどで捕獲したものや一時的に飼育したものなどを加工処理場に搬入し、解体処理を行い製品として流通させることになりますが、加工処理施設の整備経費、銃やわなによる捕獲後の加工施設までの運搬や売り先の確保など、さまざまな課題があると考えてございます。このため、議員も触れておりましたけれども、栗山町など先進的な取り組み事例の状況なども参考にしながら、JAきたそらちとともに研究してまいりたいと考えてございます。
〇議長(長野勉君) 松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) TPPについて再質問いたします。
地域が崩壊するかどうかという分かれ道だという認識があるにしては、私は市長の発信が少し少な過ぎるのではないかと思って見ています。せっかく農協から垂れ幕を用意して下げてもらいましたが、隣町の議員の方から、深川ではその垂れ幕を下げたらしいけどどこに下げてあると言われました。いろいろ話をしてもう一回見に来たようですが、深川市庁舎の大きさに合っていないのです。JAの建物に合わせてつくった垂れ幕だったのではないかと思うのですが、JAに相談してみる以前に、市としてどのぐらいの予算がかかるか知りませんけれども、前に10万円とか10何万円とかと聞いたような覚えがありますが、ここらあたりはやはり予算を使っても当たるべきではないでしょうか。大急ぎでやる必要があると思うのです。あと、やはりシンポジウムとかそういう催し物も、市単独でやれとは言いませんから、大急ぎで、やはり世論を喚起していかなくては、これは負けると思うのです。深川市内の消費者協会のある幹部の方ですらTPPに賛成だと公言しているようですから、こんな状況で米の輸入自由化などが図られたときは、今でも外食産業ではインディカ米を二つ三つに割って、さらにそれに寒天の粉を入れて炊くとか、いろいろな技術開発しながら、日本の国産米と混ぜてコンビニのおにぎりは使われているようですから、いろいろな技術によって消費者はだまされて食べさせられるようになっていきかねないと思うので、この点での発信について市長にもう一度答えてほしいと思います。
次の深川産米の地元消費ですが、この数はなかなかつかめないということで、今までも質問したことがあるのですが、1,380俵という数字は初めて出てきた数字であります。ただ、感覚的に聞いた感じで、これは私の聞き間違いではないでしょうが、1軒で2俵食べたとしたら700世帯ぐらいにしかならないことになるので、もっともっと食べられているのではないかと思うのですけれども、この辺が聞いていて腑に落ちないという感じがします。深川市内に1万1,000世帯ぐらいあるはずですから、もっと食べられていなければ、私の聞き間違いだったのでしょうか、この点ももし違っていたら答えてください。
3点目のシカ対策についても再質問します。
わなに対する助成について、これからの検討課題、猟友会の意見も聞いてとかいろいろなことがあるのでしょうけれども、シカの生息数を減らすという点では、このわなをかける技術の伝達とともに、非常にわなというのがこれから重視される部門になると思います。私がこの一夏相当一生懸命撃って歩いて、この経験の中で、シカは夜しか出なくなっています。日中はほとんど姿を見る人もいないと思うのですが、夜間になると、山沿いの地帯は今でも雪の上にびっしり足跡がついています。銃は今、夜間撃てないことをシカはちゃんと知っているのです。そのときにわなが出番になるわけで、シカの通り道にかけていく、あるいはえさを置いて誘導することによってシカをとっていくということができるわけで、わなを入れた台数に対して、やはり21頭ですから、効果的にはまだ工夫する必要があると思いますし、この辺で再答弁してほしいと思います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) TPPに関して再質問いただきました。
この問題の秘めている本当に大変さ、危険さ、繰り返しになりますが、よくわかっておりますので、これはやはり市を挙げて真剣に、今後取り組みを進めていくべき問題だと思っております。その上で、懸垂幕の話ですとか、あるいはシンポジウムなどについては、それは効果があるようなものであれば取り組むことが大事だと思いますので、いずれにしてもその点はJAと相談していきたいと思っております。
それから、深川産米の地元消費についてですが、確かに言われてみると1,380俵程度では、これは計算が合わないかもしれないと私も今思いました。ただ、JAが押さえている数字がどの数字なのか、我々実ははっきり聞いた上ではないものですから、そこらは精査の余地があるのだろうと思う。いずれにしても大事なことは、もう少し市民が地元のお米を自信を持って食べ支えていただくということが大事だと思いますので、そうした取り組みを今後もしっかり続けていきたい、推進を図っていきたいと思っております。
〇議長(長野勉君) 藤田経済・地域振興部長。
〇経済・地域振興部長(藤田正男君) 鳥獣害の関係につきまして再質問いただきましたので、お答え申し上げます。
くくりわなの関係ということでございましたが、確かに議員お話しのとおり、シカの駆除をすることがやはり農作物の被害を減少させていく、大事なことだという中にあって、くくりわなの捕獲頭数が少ないということでございます。確かに、170基程度のくくりわなが導入されている中で、21頭ということです。この原因といたしましては、思うに、農家の方がほとんどくくりわなを導入しているというようなことから、くくりわなをかける時期が、ある程度収穫期が終わってからということも一つあるのかと。また、議員がお話しのとおり、技術的なものが必要だということもありますから、その辺の講習会等もしっかりやっていく必要もあると考えてございます。報酬の関係もいろいろご指摘がございましたので、その辺につきましては、先ほどもお話申し上げましたが、今後よくよく関係者と協議する中で、財源的な問題もありますけれども、どういう形が一番いいのか、しっかりと対応し検討してまいりたいと考えてございます。
〇議長(長野勉君) 松沢議員の一般質問の途中でございますが、ここで昼食のため、暫時休憩します。
(午後0時10分 休憩)
(午後1時12分 再開)
〇議長(長野勉君) 休憩前に引き続き開議します。
松沢議員の一般質問を続けます。
松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) それでは次に移ります。介護保険制度について伺います。
3年に1度の料金改定の年を迎えますが、同時に国の動向にも、特に利用者への負担増という動きがあるように聞いているところであります。
私たち日本共産党深川市議団では、11月15日から3日間、会派としての視察を行ってまいりましたが、17日に行った兵庫県福崎町という町で介護保険と高齢者福祉についての調査を行ってまいりました。人口2万人の町で、嶋田正義さんという方が町長をやっていますが、全国で10カ所ある日本共産党員首長の中の一つの町としても有名なところであります。ちなみに、一昨日の町長選挙で嶋田さんは5回目の当選を果たしました。介護保険と同時に説明いただいた高齢者福祉施策には、我がまち深川が行財政改革の名のもとで切ってしまった多くの福祉施策が行われておりました。
具体的な質問の1点目、平成24年に向けた国の動向として、要支援1、2の方に対する利用料引き上げが方針として打ち出されているといいますが、この点はどのような指示が来ているのでしょうか。またその対応の考えについても伺います。そして、深川市としては、これまでも要支援者への事業を行ってきていると思いますが、次の3カ年に向けてどのような事業を重点的に実施しようとしているか。また、これまで行ってきて取りやめる事業はあるのか。この点をお尋ねします。また、施設入所の要介護1、2の人の利用料引き上げの報道が、3日付の新聞赤旗に載っていますが、国の動向についてはどのような認識をしているでしょうか。
この介護保険の2点目については、先ほどの楠議員の質問に非常に丁寧に答弁されていましたので割愛します。3点目の特養入所待機者の実態については、1日目の辻本議員の質問の答弁で理解いたしましたので、この点も割愛いたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
瀬川市民福祉部長。
〇市民福祉部長(瀬川慎君) 松沢議員から介護保険制度について1点、質問をいただきました。平成24年度に向けた介護保険制度の国の動向についてと理解させていただきまして、お答えさせていただきたいと思います。
今、社会保障審議会介護保険部会だとか、あるいは介護報酬の給付分科会などで、制度の見直しについての議論が進められています。
まず、議員の質問にありました要支援1、2の居宅サービスの利用料の引き上げだとか、あるいは要介護1、2の方の施設入所の利用料の引き上げなどにつきましては、先ほど楠議員の答弁でお答えさせていただいておりますけれども、政府与党が今回9月にまとめて決定した社会保障と税の一体改革の成案を受けまして、そして介護保険部会で議論がなされており、11月30日付でその議論の整理というものが出されております。この中身によりますと、介護職員処遇改善などの介護報酬の改定に係るものにつきましては、これは次年度の国の予算と関係しますので、その予算の中に盛り込まれていくような形になりますけれども、それ以外の制度見直しに係るものにつきましては、今後政府与党で十分に検討し、次年度以降、税制の抜本改革の実施とあわせて、順次改革案をまとめていくというような考え方になっているようであります。
介護保険部会の中の、先ほど申し上げましたまとめられた議論の整理の中で、利用者負担の引き上げというものが記載されているのですが、この引き上げにつきましては、要介護の程度などによって自己負担を引き上げる考えだとか、あるいは新たな利用負担を導入する、そういったようなことに賛成する意見がある一方で、そうではない、早期発見を通じた重度化防止が重要であって、利用者負担を引き上げるべきではないという意見、さらには利用抑制によって重度化が進んで、かえって費用がかさんでいくのだ、かかるのだという反対意見も多く、この点については引き続き検討を進めていくということになっております。
本市における平成24年から26年までの次期計画に関しての要支援の方への対応についてでありますが、要支援1、2の方が重度化しないように、地域包括支援センターを中心に、介護支援専門員と十分に連携をとりながら、介護が必要になっている高齢者や家族の方のニーズを把握して、それに対応した適切なプランを作成し、そのプランに沿って必要な医療、介護、福祉、それらのサービスの利用を調整しながら、日常生活の維持改善につながるようにケアマネジメントの強化に一層努めてまいりたいと考えております。したがいまして、個々の事業については、特にやめる事業はありません。これまでどおり、重症化防止に有効となるような事業を、やはり先ほど言った介護支援専門員の方と連携をとりながら、この方に対して何が必要なのかということを考えながら、プランを立てて進めていくと考えております。
〇議長(長野勉君) 松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) 介護保険の保険料その他については、また第1回定例会がございますので、その中で論議していきたいと思います。
次の質問に移ります。昨年、第2回定例会のときには、市民後見人制度とセットで質問しましたので、少々大げさな表題になっています。市内の一定程度住宅が密集しているところで、空き家になって放置されているところの雪や雑草などの管理及び処分や解体などについて、行政としてどこまでかかわっていけるかという問題であります。
先日の新聞報道には、滝川市が条例をつくり、行政による代執行ができるようにするということでありました。市内で更地にしたら売買ができるというところでは、廃屋の解体・整地を行政が行うことで、その代金回収もまたできる場合もあるでしょうし、遺産相続者がいる場合そこに請求する場合もあるでしょう。その後の検討の経過について、そして今後の対応について伺います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本光央君) 高齢化社会の中で行政が取り組む課題ということで、廃屋対策などにかかわるその後の検討状況ということでお答えいたします。
初めに、廃屋対策の問題については、所有者のありようによりまして大きく二つに大別されるものと考えております。一つは相続人がいない、所有者の死亡だとか相続放棄などによりまして、建物の所有者そのものが存在しない場合。いま一つは、所有者は現存するものの、諸事情によりまして、実質的に財産の適正管理が行われない場合、この二つがあると考えております。前段の部分でございますが、現行法におきまして、財産の管理や事故等への賠償など、その責任の所在が明確になっていない部分がありまして、これについては、法的な整備がなされなければ、一地方自治体ではとても対応できる問題ではないと考えております。また、後段の部分につきまして、これについて、全国的な問題として各自治体がその解消に向けて鋭意取り組んでいるということでございまして、これまでのところ、全国では9自治体が廃屋対策等に向けた条例を制定しておりまして、また検討中の自治体も9団体ほどあると伺っております。近隣では、質問にもございましたように、隣の滝川市でも同様の動きがございまして、12月の議会に条例案を提案するということでございます。そこで、制定されました9自治体の条例の内容を見てみますと、管理不全な状態にある建物の所有者に対して、家屋の適正管理を求める勧告ですとか命令を行うことや、従わない場合についてその氏名を公表するといったことを行う、そういった内容になっております。そのほか、危険な状態にある老朽家屋の解体撤去費用に対して何らかの助成制度をあわせ持つといった自治体も出てきているということでございます。
いずれにいたしましても、こうした取り組みは権利の制約を加えるということになりますので、慎重な判断、手続が必要になりますし、十分な庁内論議を経て、仮に成案化したといった場合については、市民や関係する方々の理解をいただくといったことが必要だと考えております。そうしたことから、一定の時間は当然要するものだと考えますけれども、先進市の事例などを参考にしながら着実に進める必要があるものだと考えております。
〇議長(長野勉君) 松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) それでは、時間の関係もありますので次にいきます。4点目についてお尋ねします。
乳幼児医療費無料化がこのほど就学前までに実現いたしました。このことは非常に高く評価するところでありますが、しかしながら現在は、窓口での支払いを一たん行って、その後市役所の窓口へ保護者の方が来て差額分を受け取るという、いわゆる償還払いという方法がとられています。これでは親御さんの支払い方法が煩わしいばかりでなく、行政としても煩雑なわけで、一日も早く現物支給という方法に切りかえるべきだと思いますけれども、これについての考えを伺いたいと思います。いつごろまでに改善が図られるのか。パソコンソフトの切りかえというような問題もあるようですけれども、この点について伺いたいと思います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
瀬川市民福祉部長。
〇市民福祉部長(瀬川慎君) 乳幼児医療費無料化の現物化について質問いただきました。
質問にありましたとおり、本年の4月から少子化対策の一環として、本市におきまして独自に乳幼児医療給付事業の助成範囲を拡大しまして、実施する際には医療機関の窓口で保護者の方が支払いしなくて済むという、いわゆる現物給付の関係でもこれを進めてまいりましたが、この乳幼児医療給付事業を含めた3公費の、ほかに重度心身障がい者の医療給付だとか、ひとり親給付の関係もあるのですが、これらにつきましては電算システムを活用しまして、そして資格の管理だとか給付の事務を進めております。現在使用しているシステムというものが平成24年3月で更新時期を迎えることもありまして、このシステムの更新につきましては、市としての新しい行政システムが来年1月から稼働するということになっておりますので、これに合わせてこの3公費のシステムも24年度から稼働させるということで、今協議を進めております。システム開発元から先日来た状況によりますと、同給付事業の新システムの開発が予定よりも少しおくれているという連絡が入っています。したがって、今のシステムをもうしばらく使うことになります。ただ、ここでお金を使ってということになると、100万円以上のお金がかかって、これはやはり私どももそれは避けなければならないと考えています。しかし、議員がおっしゃっているとおり、親御さんが窓口に来る負担がないというのは、これは我々も当初から考えていたことでありますので、できるだけ早い時期に、現物給付のシステムになるように、開発元とも協議を進めながら、この中身についてはシステムの改修だけではなくて、深川医師会だとか関係医療機関との関係もあるものですから、そのシステムの改修とあわせて事務整理も進めていきながら、平成24年度中のできるだけ早い時期にこの整理をしていきたい。申しわけないですけれども、もう少しお手数をかけることになりますが、そういう形で鋭意努力してまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) もう少し明確な答えを聞きたいところですが、次にいきます。5点目は、私道の管理についてお尋ねします。
この春に相談を受けた私道の管理について、検討、検討といいながら、とうとう一夏かかってまだ結論が出ないということになっています。私道は、そこへ居住する人と所有者で管理するという、これは部長の答弁にありましたが、この行政の言い分は、所有者はそこから何のメリットも生まないから固定資産税は免除するということで、これは既にその論拠は失われていると私は思っています。市道上に住もうと私道上のところに住もうと、市民として受ける行政サービスは同等でなくてはなりません。住んでいる人たちの最低限の求めである砂利の敷設及び冬季除排雪助成の充実を急ぎ実施することを求めます。答弁ください。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
松浦建設水道部長。
〇建設水道部長(松浦龍行君) 私道路の管理についてお答え申し上げます。
私道路の整備につきましては、さきの第2回と第3回定例会で松沢議員から質問をいただき、また経済建設常任委員会の所管事務調査において、一部路線の状況視察も行われたところでございます。
このことにつきましては、昨日の太田議員の質問への答弁でも申し上げましたが、現在、市道認定事務取扱要領の見直しを検討しておりますので、私道路への砂利敷きなどの対応につきましては、市道認定基準との整合を図る必要がありますことから、今年度中に、道路整備事業助成要綱の見直しも含め検討してまいりたいと考えております。それから、除排雪の助成につきましては、除排雪事業助成実施要綱に基づきまして、私道路沿線の多くの住民・団体の皆様にもご利用いただいているところでございますが、申請件数や実施延長の増から、助成率が減少傾向のため、本年度の予算額につきましては、前年度より50万円増額した予算措置をしておりますが、今後についても状況を見きわめ、対応を検討してまいたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 松沢議員。
〇16番(松沢一昭君) 再質問いたします。
おっしゃるとおり私も第2回、第3回定例会で質問してきましたし、相当しつこいほうと思っていますが、あなた方も本当にしぶといと思って答弁を聞いておりました。市長どうですか、来年に向けてのその辺の改善です。私道の上に住んでいようと市民なのです。住民税だって払っているわけですから、やはりそこら辺の充実にしっかり取り組んでもらわなければいけないと思います。もう一回お答えください。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
松浦建設水道部長。
〇建設水道部長(松浦龍行君) 再質問にお答え申し上げます。
先ほども申し上げましたが、市道認定基準の見直しとの整合性ということで、私道路を市道認定する場合は市が管理することになりますし、また市道認定できない私道路については、どのような支援ができるかどうかを今後あわせて検討する必要があると考えております。
〇議長(長野勉君) 松沢議員の一般質問を終わります。
次に、田中昌幸議員。
〔田中昌幸議員、質問席へ〕
〇15番(田中昌幸君) 2011年、この一般質問のアンカーという立場で質問させていただくことに、まずもって感謝申し上げたいと思います。
議員各位からもお話しをされておりますが、ことしは、東日本大震災の甚大な地震の被害、これまで映画の世界だと思っていたような巨大津波をリアルタイムの映像で見る衝撃と、その津波が一瞬で何もかものみ込んでしまうすさまじい威力に圧倒され、さらに福島第一原発事故による原発安全神話の崩壊と、収束のめどが立たないまま次々と後出しで明らかにされる事実、これには怒りさえ覚えざるを得ません。被災された皆さんの一日も早い復旧・復興を心から願うものでございます。
深川市においても、9月の第3回定例会の一般質問を中断して被害調査に向かった台風12号の大雨の影響による災害は、改めて水の恐怖を目の当たりにさせられましたし、日ごろの防災対策、防災への意識の必要性の思いを強くしたものでございます。
一方で、なでしこジャパンのワールドカップ優勝を初め、スポーツや文化、芸術が私たちを勇気づけてくれることも改めて学びました。ことしは、家族、仲間、地域での人と人とのきずなの大切さをかみしめられる年となりましたが、2011年を忘れられない年、いや、忘れてはならない年としなければならないですし、だからこそ来年が夢と希望の開ける年になるよう、市民の皆さんとのきずなを大切に進めていきたいものでございます。
通告に従い一般質問を行います。
1点目は、深川市債権管理条例の効果についてお伺いします。
市民税を初め、税や公共料金など、市民の皆さんが市に納入するものは数多くあり、所得に応じて納める税金や、サービスに応じて支払う使用料・料金など、その内容に応じて納入されております。一方、その支払いができなくなったり滞ってしまう現象は滞納という形になりますが、市の各所管担当者の皆さんはその滞納対策等には非常に苦労されているとお伺いしております。その額は、昨年の今ごろには、水道料金や住宅使用料など、私債権に分類されるものだけでも1億円以上の滞納額があったと報告されております。このような私債権に分類される料金などを、税金と同じように、税務課の質問権などで得た情報を担当所管同士で相互共有することにより、効率的な滞納整理を促すことにつながるとのことから、昨年12月条例が制定され、ことし4月から施行されていますが、ここで3点お伺いします。
1点目、深川市債権管理条例公布から1年、この間の効果と課題について、条例制定後のこの間の効果がどのように出てきているかお伺いします。また、新たな課題が出てきていないかもお伺いしたいと思います。
2点目、給食費については、これは私会計扱いという形で、しかも市の他の使用料や料金とは違い、学校ごとでそれぞれ徴収されております。給食センターにおける現在の徴収、滞納の状況、徴収の方法、実態などがどうなっているのか、あわせてその課題や現状の利点などについてお伺いします。
3点目、全国的には報道で、給食費の悪質とも言える未払いが発生し、その対策に頭を悩ませている自治体もあります。給食費が私会計であるがゆえに、一定の執行権を働かせることもできず、対応に苦慮されるケースもあるのかもしれません。これらの対策を含め、給食費を条例に基づいて公会計とする自治体が出てきていると伺っております。一般会計組み込みへの取り組みについて、うちのまちに当てはめた場合にどのような課題があるのかお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
坂本企画総務部長。
〇企画総務部長(坂本光央君) 深川市債権管理条例の効果についての1点目についてお答えいたします。
債権管理条例は、昨年の第4回市議会定例会でご審議いただき、本年4月1日から施行しております。この条例は、本市の持つ市税を除く市の分担金、使用料、手数料などの市の債権について、督促滞納処分、徴収停止などの対応を定めるとともに、国税などの滞納処分の例により処分ができない市の債権は、質問・検査権がなく財産調査が限られるため、そのような市債権の滞納者情報の相互利用に関する規定や、水道料金や市営住宅使用料、病院の診療報酬など、私債権の債権放棄の要件について規定し、市の債権について円滑な収納対策を講じ、さらに統一的な取り扱いによりまして、債権の適正な管理を行おうというものでございます。
具体的な効果といたしまして、一つには、それぞれの債権所管課や担当職員の共通理解を深める実務上の指針となっているということ。二つ目には、滞納者情報の共有化、相互利用が図られたということ。三つ目には、滞納者情報の共有化、相互利用により各所管において重複する調査を行うことが少なくなったということで、事務の簡素化が図られたこと。四つ目には、事実上徴収不可能な債権については、債権放棄の要件を適切に定めることによりまして、効率的な債権管理を行うことができるという、こういったことが効果として挙げられております。なお、債権放棄については、年度末に向けて準備を進めておりますので、効果の具体的な数字は今現在挙げることができませんので、時間をいただきたいと思います。また、課題ということでございますが、現状は出ていないところでございますけれども、一定期間経過後の検証によりまして課題が出てきたといった場合については、十分な庁内論議を行った上で対応を考えてまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 沢田教育部長。
〇教育部長(沢田敏幸君) 私から、深川市債権管理条例の効果についての2点目、給食費の収納状況と課題、利点についてと、3点目、一般会計組み込みの取り組みについて、関連がありますのであわせてお答えいたします。
本市の給食費の徴収の流れについては、毎月給食センターから各学校に、各学校の児童生徒分の給食費納入通知書を送付し、各学校は保護者から徴収した給食費を給食センター会計に振り込み、未納があった場合には、それぞれの学校において文書、電話による催促や家庭訪問などによる徴収対応を行っております。
平成22年度における徴収額及び未納額につきましては、給食費総額約8,694万9,000円に対し、8,586万9,000円の徴収で、未納額は108万円、1.24%の未納率となっております。給食費が支払われない要因としましては、保護者の経済的問題や支払い能力があるにもかかわらず保護者の都合で払わない、保護者としての責任感や規範意識の欠如が考えられますが、しかしながら給食費が払われないからということで、その子供に給食を食べさせないということになりますと、そのことによる学校でのいじめ、不登校などといった事態も憂慮されますことから、極めて慎重に取り扱わなければならない問題であると同時に、教育的な配慮を強く求められるものであります。本市が行っております私会計の課題としましては、未納分の徴収においては今申し上げましたことに配慮した対応を行いながら、収納率を向上させていくかであります。そのためには、現行行っている利点でもあります、家庭の状況などを把握している学校によるきめ細やかな対応、さらには未納額の多い世帯に対しては分納、また経済的な問題により未納となっている保護者には就学援助制度を説明するとともに、あわせて収納率向上などを目的に、関係する課で組織しています市税等収納対策委員会での協議や情報把握に努めながら、今後とも収納率向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、給食費の一般会計組み込みへの取り組みにつきましては、学校給食費の会計処理を、公会計として市の歳入歳出に組み入れて処理を行うのか、あるいは私会計で処理するかは、それぞれの自治体の判断に任されており、本市は私会計で処理しております。私会計のメリットとして現段階で考えられることは、食材の量や種類などの調達に関して簡便であること、また先ほども申し上げましたように、給食費の未納対応においても、家庭の状況等を把握している学校が行うことにより、きめ細やかな対応ができること。デメリットとして考えられることは、未納がふえるとその不足分を補てんするための資金繰りが難しくなることであります。一方、公会計のメリットとして考えられることは、食材の支出が予算化されますので、資金繰りの心配がなくなること、デメリットとしては、食材の調達に関していろいろな縛りが出てくるため食材の調達に時間を要すること、あるいは学校によるきめ細やかな徴収対応が難しくなることが想定されます。したがいまして、一般会計での取り組みにつきましては、今申し上げましたように、それぞれの会計処理においてメリット、デメリットが考えられますので、このことを踏まえ、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) それでは、2点目の質問に入らせていただきます。国保税のあり方について質問させていただきます。
6月17日という前の市議会、4年間の任期ぎりぎりという異例の状況下で改正された現在の国保税の条例、これにつきましては、当時、国保運営協議会の議論経過でも異論、いわゆる異なる論があったものと認識しておりますし、5月、6月臨時会、総務文教常任委員会でもさまざまな意見があったものでございます。
国保税の問題は、医療費という、世代構成、大きな支出を抱える制度の維持を、市町村という小さな単位で行うことに根本原因があることは衆目の一致するところでありますし、山下市長もこのあり方については疑問を投げかけていると認識しております。現法制のもとでは、現状の条件下で最善を尽くすしかない状況にありますが、しかし決算時期や国保税収の変化要素が大きい中、保険税収の見込みが時間的な拘束を受けることなどから、毎年の税改正の提案は、本質議論そのものよりも数字合わせになってきているなど、納税者の立場や全体の公平性に疑問を持たざるを得ない矛盾が広がってきています。
6月臨時会で議決と同時に全会一致で議決されました、国民健康保険制度の安定に向け十分な議論を求める決議では、国民健康保険の被保険者が、他の保険に比べ高齢者や低所得者が多く、その構成上収入が伸び悩み、年々医療費は伸び続け、支出は増大を続けている点。深川市においては、冷害などで2年連続大幅に所得を落としている農業経営者や一向に景気回復の兆しを見せない事業経営者にとって、その税負担が重くのしかかってきているものである点。さらに、財政難を理由とした一般会計から国保会計への財政安定化支援繰出金が、平成14年度以降、地方交付税算入額を大きく下回り、その累計がおよそ3億3,500万円という金額に及び当時4億円に及ぶ残高を保有していた国保準備基金残高が7,200万円ほどまで減少している要因ともなっている点などを指摘し、国保制度のあり方、税負担のあり方について、被保険者である市民、保険者である市、議決機関である議会が一体となって、より公平性の高い国保税条例となるよう十分な議論を求めるものであるという決議がされております。
この決議について、山下市長はどのように受けとめているか、さらに今後の具体的な進めをどうする考えかお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) 国保税のあり方についての質問にお答え申し上げます。
この国民健康保険制度は、申し上げるまでもなく、世界に冠たる日本特有のすぐれた制度であります国民皆保険制度、これを支える基盤的な医療制度であると認識いたしております。ただ、各市町村が保険者となって運営してきておりますこの国民健康保険会計につきましては、その制度発足当初から今日に至るまで、さまざまな医療制度改革に伴う制度改正が重ねられてきましたことや少子化による人口減少、高齢者人口の増加、さらには近年の経済不況に伴う雇用形態の変化による失業者の急増などによりまして、全国的に国民健康保険制度を取り巻く環境は大きく変わってきておりまして、すべからく市町村が運営するこの国民健康保険財政は厳しい状況に置かれているところであります。深川市もまさにその例に漏れない状況でございます。
本市の国民健康保険特別会計につきましては、平成23年度の当初予算に対しまして、年度の相当早い段階で大幅な歳入不足が見込まれる状況となりましたことから、議員からもご指摘ありましたが、深川市国民健康保険運営協議会でご審議された上で提出いただきました答申の考え方を受けまして、ことし6月の深川市議会臨時会におきまして、23年度の国保税の税率改正等が議決されたところであります。この税率改正により、その歳入増の効果といたしまして、国保税の当初予算ベースで生じると見込まれました不足額、これは約2,800万円に上ろうかという状況でございましたが、この不足額を埋め合わせるだけの増収がおかげさまで期待できる見通しになったところでございます。しかしながら、この国保会計の歳出予算の7割を占めます保険給付費、中でも退職者医療に係る保険給付費が著しい増加を見ておりまして、今年度において、この時点で、歳出超過が相当出るという見込みとなりましたことから、ご承知のように今議会の初日におきまして、一般会計からの繰入額5,600万円の補正予算を議決いただいたところでございます。
そんなことで、深川市に限らないわけでございますが、大変厳しい運営が続く国保会計でございます。そういった制度を運営するに当たりまして、議員が今ほどこの議場で紹介されましたけれども、6月の総務文教常任委員会、並びに本会議で議決をいただきまして、今議員がその趣旨を述べられましたので繰り返しはいたしませんが、そうした決議をいただきましたので、このことは大変重要な、重大なことと受けとめておりまして、そうした決議での指摘などを受けまして、今後の国保問題の検討に当たりましては、例えば具体的に、平成23年度の国保事業の取り組みあるいは現状につきまして、既に年度の半分以上過ぎた段階でもございますので、例えば本議会中に社会民生常任委員会におきまして、国保事業全般にわたり所管事務調査を行っていただく予定となってございますし、さらに、また次年度以降のこの国保税率の見通しにも関係が出てきそうな国保会計上の問題につきまして、これは平成24年度の予算策定を検討する時期になります前に、あらかじめ、例えば総務文教常任委員会などの関係委員会の開催が得られれば、そうした委員会の場で所要の説明や議論をさせていただきたいと考えているところでもございます。いずれにしても、こうした手続、機会を通じまして、市といたしまして市議会での議論を十分に積み上げてまいりたいと考えているところでございます。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) 丁寧な答弁をいただきましたが、1点だけ再質問させていただきたいと思います。
決議文の中では、市、それから議会、それから市民の皆さんというような部分があります。議会での議論は当然、その所管事務調査等の委員会を開催することによって、それはこちらから申し出ることになるのですが、やはり期間をある程度得られなければ、市民の皆さんの意見を聞く機会というものも非常に重要だと考えておりますので、そういった期間、時間的な制約もありますので、いつも、ことしに関しても5月なり6月という非常に短い期間の中で、いろいろな意見を聞く機会がなかなか得られない状況の中で議会議論しなければいけないということが、これまでの審議の中でも非常に制約を受ける要因だったと思いますので、根本的な問題が何なのかというところを十分議論するために、市民の皆さんの意見を聞く時間的な余裕というものも含めて、そういったところでの内容について、どのようにお考えかあわせてお伺いしたいと思います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
山下市長。
〇市長(山下貴史君) でございますので、予算編成が固まる前に、あらかじめいろいろな問題状況について議論していただいて理解を深めて、我々のほうも深めたいと思いますし、そういうふうな機会となることを期待して申し上げたところでございます。
また、市民に広く意見をということも大変大事なことでございまして、そういう趣旨、そういうことの一つの形態として国保運営協議会というのが、しっかりした代表の委員を選んでいただいて十分議論するという体裁がとられてきたものと思っております。ぜひ国保運営協議会の活発な議論、運営などについても十分意を用いて、本当にこの国保問題の今後の展開というのは、深川市だけでなくいろいろな自治体を通じた大変大きな問題になってくると思いますので、幅広く英知を結集して、どういうふうに臨んでいったらいいか、我々としても謙虚に議論し、それを踏まえて施策を実行していきたい、このように考えております。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) それでは、3点目の質問に入らせていただきます。スポーツ・芸術イベントの積極招致についてお伺いします。
ことしの夏に、実は全道規模のバレーボール大会が市内で開催されまして、その運営について私もかかわらせていただきました。土・日曜日の大会ではありましたが、遠方のチームは金曜日から深川市にお越しいただくなど、金・土曜日にかけて、市街地のホテル、旅館の全体のキャパシティーに近い、おおよそ150人の方に宿泊していただきました。その際、泊まっていただいたチーム役員関係者の皆様から、宿の対応がとても親切で朝食も非常においしかった、特にごはんは本当においしいというお話をしていただき、本当にうれしい思いをしたものでございます。この話を伺いまして改めて感じたのは、スポーツ振興室でこの間陸上合宿招致を進めてきたノウハウが、市内ホテル、旅館、飲食店でも大きな成果が上がっているといえることです。
経済情勢の低迷は、スポーツ・芸術の世界に一層厳しい環境をもたらしていますが、こんなときだからこそ、スポーツ・芸術の持つパワーでまちに活気を与えることが必要なのだと考えます。冒頭で、なでしこジャパンの活躍が国民に大きな勇気を与え、希望も持っていただけた、こんな考えも皆さんが共有できると考えます。
スポーツ振興室の任務は、スポーツ全体の振興であって、陸上合宿の招致だけではないと思います。これまで陸上合宿招致を進める中で培ってきたノウハウや市内の協力事業者の皆さんの力を生かし、他の競技団体も積極的に招致すべきで、先日までの質問の中でも各種答弁がありましたが、市内スポーツ・芸術団体にも呼びかけをすることについて改めて考えをお伺いしたいと思います。スポーツ振興室での陸上合宿招致を進めてきたこの間のノウハウで、この招致についてお伺いしたいと思います。
2点目、観光客などに代表される流入人口は、深川市の場合はほとんどが通過型という形で、市内の経済波及効果も乏しいと報告をされていると思います。滞在型の合宿招致をしているのですが、その効果を十分期待できる各団体が大会、合宿、イベントなどを招致する際に幾ばくかの支援をしても、市内全体で十分回収できると考えます。例えば、体育館の使用料収入の5%をその支援の原資にしていくことや、支援の審査を学識者などにしてもらうことで公平性を保つなどの工夫をしながら、支援制度を改めて創設していくべきと考えますが、市としての考えをお伺いします。
3点目、私も市外、道外へイベント参加のために出かけたときに、駅や公共施設、飲食店、コンビニなどにそのイベントの歓迎の短冊などが張られていることが非常にありがたく感じますし、隣町旭川などではいろいろなところで歓迎の短冊を目にいたします。お越しいただく方へのようこそ、ウエルカムの気持ちがよく伝わりますし、直接その競技・イベントに関係のない市民の皆さんにもそういった大会やイベントがあることを知ってもらう、情報発信のよい機会にもなると考えます。私も大会を運営したときに手づくりで短冊をつくり、ホテル、旅館、飲食店に張ってもらうようお願いしたところ、各事業者の皆さんも快く引き受けていただき、さらに大会で市外から来ていただいた方も、その短冊を目印にお店を利用いただくことができました。せっかくの各種イベントも、終わってから新聞等で知ることが多く、事前に知っていれば見に行こうと思ったなどということもしばしばよくあることと思います。市外から来る方には歓迎の気持ち、市民の皆さんにはイベント情報の発信も兼ねて、店舗等での歓迎の短冊が非常にありがたい、こういうことから、市全体で取り組んでみてはどうかお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
沢田教育部長。
〇教育部長(沢田敏幸君) 初めに、スポーツ・芸術イベントの積極的招致についての1点目、陸上合宿以外の招致についてお答えいたします。
市内のホテル、旅館などの宿泊施設では、スポーツ合宿の受け入れに際しまして心温まる対応をしていただいており、合宿されたチームの関係者から感謝のお言葉をいただいておりますことや特に食事については1日3食を提供し、練習メニューに合わせた献立など、心身ともにご苦労が絶えないと伺っております。11月に市内のホテル、旅館の方々と懇談する機会を設け、宿泊状況などもお伺いしたところ、最近は工事関係者など長期の宿泊者は少なくなっていること、また合宿でも以前より宿泊期間が短くなってきているなどのお話がありました。本市の施設を活用し、年間を通じてさまざまな大会やイベントなどが開催されますことは、それぞれの分野での普及振興とともに、宿泊に伴います経済効果などに期待が持てますし、合宿招致の拡大はスポーツの振興につながるものと考えておりますが、本市のスポーツ施設は市民の利用も多く、長期にわたる合宿などの専用使用には、市民の皆様や体育協会を初め、各競技団体などの理解と協力が必要となってまいりますので、陸上競技以外の合宿等の招致については、スポーツ施設の専用使用や招致活動の協力など、体育協会、各競技団体とも相談してまいりたいと考えております。
次に、2点目の各団体が大会、合宿、イベント等を招致するときの支援についてでありますが、芸術団体が行うイベント招致につきましては、市の文化団体が市の施設において開催する音楽会、演劇などの文化公演のうち、一定の要件を満たす事業に対して深川市市民文化事業開催助成金交付要綱に基づき、予算の範囲内で助成しているところであります。また、スポーツ関係につきましては、スポーツ合宿に対して選手の送迎などを行い、支援しているところでありますが、質問のありましたスポーツ大会への支援制度は、平成21年3月末でその助成制度を廃止し、現時点では制度的な支援等は持っていないところであります。お尋ねのありました支援制度の復活、創設につきましては、本年の第3回市議会定例会の東出議員のお尋ねにお答えしておりますが、どのような支援が考えられるか、さまざまな角度から検討を行っているところであります。
次に、3点目の店舗等での歓迎短冊の市全体での取り組みについてでありますが、スポーツ合宿で来られますチームを歓迎する取り組みの一つとして、総合体育館前とプラザ深川の壁面に、合宿に来られますチーム名などを記載した歓迎看板を設置して、チーム、選手の歓迎と市民の皆様へお知らせしております。
質問のありましたチーム名を記載した短冊につきましては、一昨年から、歓迎ムードを高めるために市街地のホテル、旅館、飲食店、商店に掲示していただいております。合宿チームの中には、個人のブログにこの短冊の画像などを載せ、本市での練習環境、宿舎の食事、グルメ、観光スポットなどをご紹介いただいたこともあります。この歓迎短冊の掲示は、歓迎の気持ちや市民の皆様へのイベント情報発信など、その効果に期待ができるものと思われますので、各大会を初め、イベント等におきましても同じような取り組みができるよう、大会等関係所管部署を初め、関係する団体等に対しても協力を呼びかけ、市全体で歓迎している気持ちをお伝えできるように努めてまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) 再質問させていただきます。
2点目のまずイベント招致に対する支援制度というところで、決して支援がないからイベントが招致されないとかそういうことはありません。ただ、大会、それからイベント等が開催されているにもかかわらず、ほかの関係者以外の方がだれも知らない、そういうようなことがないようにする意味でも、やはり市全体で歓迎の気持ちをあらわすというところにうまく活用できるのではないか。そういうような部分も含めて、やはりこの支援制度ということを活用しながら、市としての立場、教育委員会としての立場というものもその支援団体に対して明らかにしていくいいきっかけになると考えますので、改めてお答えいただきたいと思います。
それと、3点目の短冊について、これは答弁にありましたとおり、一昨年から実施しているという、私も何回か見ているのですけれども、必ずしも配られているというようには、張られていないという印象があります。聞くところによると、例えば各団体の事務局のほうにつくったものをお届けして、それぞれの構成団体が構成員の方に配っていただくような取り組みをしていると伺ったのですけれども、やはり、その団体なりあるいは担当者が1軒1軒回って、そこでフェース・トゥー・フェース、顔と顔の仲で説明しながら、そうしていくことで、もっともっと情報が口コミで広がっていくような、そういう取り組みも丁寧にやっていったほうが、より市民の皆さんに伝わるいいきっかけになるのではないか。決して短冊そのものを張るだけではなくて、それによっていろいろなものが動いていくということを取り組んでいくという意味でも、そういう部分が必要なのではないかと思いますので、短冊をただお配りする、提供するのだけではなく、開催する主催者の皆さんにもそういった取り組みをしていただくようなお願いをしていく、そういう立場もスポーツ振興室でやっていただければと思いますので、そういったことについて答弁いただきたいと思います。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
沢田教育部長。
〇教育部長(沢田敏幸君) 2点にわたり再質問をいただきましたのでお答え申し上げます。
最初に、支援制度のことについてでありますけれども、議員からご指摘がありました、歓迎する気持ちもあわせてというようなことでございました。繰り返しになりますけれども、現在あらゆる方向からいろいろと検討しているところでございますので、議員のご指摘も踏まえましていろいろ検討してまいりたいと思っております。
続けて、短冊のことでございますけれども、歓迎する気持ちということで、所管でつくりまして、一昨年から始めているところでありますけれども、議員ご指摘のように広がりを持たせるための方策として、今ご提言のありました主催者の方の力もかりてということでございますので、そのような協力が得られるような形で取り進めをしてまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) それでは、4点目に入らせていただきます。こめッちの商品化についてお伺いします。
市内でイベントがあるたびに、こめッちの着ぐるみが活躍しておりますし、私も4年前に非売品ですということでいただいたストラップ、ここにありますけれども、いつも携帯につけております。携帯を持ち込むわけにいかないので外してきましたけれども、非常にかわいらしくて子供たちにも非常に人気があると思います。ストラップ、それからシールなど、今や市内では知らない人がいないほどにネームバリューがあり、覚えやすいキャラに好感を覚えます。こめッちがつくられた経過は、道費補助100%の事業でつくられ、公費でつくったため売ることはできないものだったと聞かされたと記憶しておりますが、当時の経過の概要をお示しいただくとともに、全国的なゆるキャラブームの中、こめッちはネームバリューも定着していることから、非売品ではなく、こめッちのグッズの商品化と販売をJAきたそらちに働きかけてはいかがでしょうか。ストラップ、ぬいぐるみ、文具、ステンシルなど可能性は十分あると考えますが、いかがでしょう。
一方、道の駅にはネームバリューが余り広がらないまま8年を過ぎている玄くん、米ちゃんなどのキャラもございます。こちらは既に商品化されておりまして、道の駅でも販売されておりますが、残念ながら売れ行きは芳しくないように見受けられます。せっかくのキャラクター商品ですから、この際、ネームバリューのあるこめッちとのコラボレーションを図るなどして、認知度を上げるグッズ販売を促進する取り組みを進めてはいかがでしょうか。キャラクター商品はそのものの売れ行きも大切ですが、その普及とあわせ深川市の農産品のアピール、さらに深川市全体のアピールにつなぐことができるものと期待できるのではないでしょうか。道の駅を中心に玄くん、米ちゃんのキャラのコラボについて取り組みをお伺いします。
商品開発を進める上でターゲットを定め、そのターゲットのニーズを把握することが大切です。グッズ作成を進める上で、子供、女性の意見や市内高校生、大学生の意見も積極的に取り入れて、商品開発等に進めていってはいかがでしょうか。これを意識的に進めるべきではないか、お伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
藤田経済・地域振興部長
〇経済・地域振興部長(藤田正男君) こめッちの商品化についてお答え申し上げます。
初めに、こめッちの商品化と販売をJAきたそらちに働きかけることについてでありますが、深川産米キャラクターこめッちについては、平成18年度深川マイナリーの整備に伴いまして、この施設が市民等に親しまれるよう、JAきたそらちがデザイナーに依頼し、名称につきましては市民公募を経て決定されたものでございます。こめッちをキャラクターとしたグッズにつきましては、深川産米の消費拡大PRのため、議員の言われるとおり、平成20年度から昨年度まで3年間にわたりまして、北海道の100%の補助金である地域再生チャレンジ交付金を活用いたしまして、着ぐるみ、ジャンパー、はっぴのほか、ストラップやキーカバーなどを作成し、さまざまな場面で配布、活用してきているところでございます。
質問のこめッちグッズの商品化、販売についてでありますが、これまで配布してきておりますこめッちグッズにつきましては、消費者からの評判も非常に高く、また深川産米の知名度向上、消費拡大にもつながるものと思われますので、新たなグッズの商品化を含め、こめッちを商標登録されておりますJAきたそらちに積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、2点目の玄くん、米ちゃんとこめッちとのコラボについてであります。現在、道の駅のお米ギャラリーにおいて、玄くん、米ちゃんをキャラクターといたしました液晶パネルでのお米についてのクイズやゲーム、ビデオなどを放映し、来館者に対しましてわかりやすく本市農業の情報提供を行うとともに、このキャラクターを活用したTシャツ、缶バッジ、ポストカードなども深川振興公社で作成し、販売されている状況にございます。
質問のこめッちグッズとのコラボによる販売についてですが、これらのキャラクターグッズ販売にあわせまして、こめッちグッズを販売することにつきましては、相乗効果による販売拡大などにより、本市農業、深川産米の知名度の向上に寄与するものと考えますので、これらを商品化し販売することになれば、関係者と販売方法なども含め検討してまいりたいと考えております。
次に、3点目の市内高校生、大学生の意見を積極的に取り入れることについてでありますが、今後キャラクターグッズの商品化がどのような形で進んでいくのか、こうした状況によりますが、売れ筋商品の開発につきましては、さまざまな方々の発想、意見を踏まえることも重要なことでありますので、市内高校生、大学生の意見を取り入れることも視野に入れながら、JAきたそらちと十分に検討してまいりたいと考えております。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員。
〇15番(田中昌幸君) それでは、5点目の質問に入らせていただきます。市立病院の看護体制についてお伺いします。
市立病院の経営健全化に向けた、医師の皆さんを初めとするスタッフの皆さんの取り組みに敬意を表させていただきます。
2010年度決算報告からは、医業収益で計画を達成できていないが、人件費、材料費等の大幅節減で不良債務の解消が進んだとの報告があります。医業収益の減少は、病院経営の健全性をあらわす指標にマイナスの影響をもたらすことから、決して楽観視はできないものの、医師数の減少、病床数の減少など厳しい環境の中にあっては、スタッフの皆さんの努力の成果と思います。この間、7対1看護体制の導入、看護助手の削減、時差出勤体制など看護職場での見直しを進め、収益向上と経費の節減、そして何よりも患者本位の看護充実の実現に向け努力されていることと思います。
ここで1点目、7対1看護導入の成果と課題について、導入後丸1年を経過しておりますが、この間の収支、人員確保等について成果と課題をお伺いします。
2点目、看護師の資格を全員が取得した上で病院勤務についている、これは看護師としては当然なのですが、以前であれば注射等、看護学校時代に実技的な訓練は済ませてきていたことも、現在では病院勤務をしてからそれぞれ病院の研修計画に基づいて一つ一つ実務の範囲を広げることができる、そうしなければ実務ができていけないという仕組みになっていると聞いております。新人看護師が入ってきても、半年ほどの研修期間が過ぎるまではやらせることのできない業務が多数存在するなど、私の世代の方が看護師になったころは、看護学院時代からいろいろな実技、患者様にさわるようなことも平気でやっていましたが、今はなかなかそうではないという時代になっている状況では、大きくこの環境が変化していると言わざるを得ません。看護師の卵を指導、育成していくことが管理職、先輩看護師たちには求められ、新人看護師の側からすれば、これまで正看護師の国家資格を得るための学習の場から、患者と向き合う実践の場へと環境が大きく変化し、看護師となった大きな希望とは裏腹の不安感や無力感にさいなまれるときもあるということでございます。そんな状態のままで人員の限られた夜勤体制に組み入れていくことは、本人のためにはならないことはもちろん、ともに夜勤を行う看護師たちへの負担ははかり知れないものがある上に、結果として看護のミスの発生や医療事故につながる要素が多くなり、これは病院の経営にも大きく影響することになります。また、勤務時間の正確性は看護師定着の条件の一つですが、日勤で勤務していても帰りが何時になるかわからないような状況があるならば、看護師が定着しない要因ともなりますし、採用から何年もしない看護師がやめていってしまう状況もあると伺っております。深川市立高等看護学院で育成し国家資格を取得した後、深川市立病院でほんの数年だけ勤務し、ようやく自立できるようになったら別の病院に行ってしまう。こんな人材の流出こそが病院経営を圧迫する原因の一つとも言えますし、働き続けられないという思いを抱かせることは、病院にとっても、市にとっても大きな損失であります。将来を担い、今後も活躍いただく新人看護師に対しては、教育研修を充実する意味でも、半年ほどは夜勤体制への配置を控えるなどの対応が必要ではないのか、現在の仕組みの中でこれまでどおりの夜勤体制をとることが可能なのか、新人看護師の精神的な負担、先輩看護師の業務への負担など、以前とは大きくさま変わりをしてしまっている状況にどのように対応しているのか、看護師育成環境の変化とその対応についてお伺いします。
3点目、2次医療圏のセンター病院としての位置づけからも、休日・夜間外来を運営し、24時間365日、市民のみならず北空知地域住民の皆さんの安全を確保していただいておりますことに感謝するところでございます。
ここで、休日・夜間外来、病棟夜間体制の来院患者、入院患者、その対応の看護部の体制の現状と課題についてお伺いします。
4点目、夜間・休日外来を持ち入院患者を抱える総合病院においては、看護師の管理当直を配置し、緊急時の連絡体制、責任体制、適切な指導ができるように管理職を当直させているところがあります。時間外、夜間での各種対応など、その管理職の必要性は高く、危機管理の上からも配置は有効で必要なものと考えます。管理当直の配置の考え方と看護部としての危機管理体制についてお伺いいたします。
〇議長(長野勉君) 答弁願います。
川端市立病院事務部長。
〇市立病院事務部長(川端政幸君) 市立病院の看護体制について4点質問をいただきましたので、順次お答え申し上げます。
初めに、1点目の7対1看護導入の成果と課題についてでありますが、7対1入院基本料算定に伴う収支としましては、算定を開始した昨年9月から本年8月までの1年間における入院基本料の増収額は、それまでの10対1入院基本料と比べ約1億7,500万円の増収となっております。一方、経費面では、7対1入院基本料の算定基準を満たすため、この1年間で増員した看護師12人の人件費が約5,100万円となっておりますが、病棟看護助手の配置見直しで約1,200万円の削減を図っておりますことから、これら差し引き収支では約1億3,600万円のプラスとなっております。また、7対1入院基本料の施設基準には、看護師数のほか医師数が入院患者数の1割以上であること、入院患者の平均在院日数が19日以内であることなどがありますが、現状いずれの基準も満たしている状況にあります。このほか、7対1の看護体制になったことにより、看護師1人当たりの受け持ち患者数が減り、ゆとりのある手厚い看護が可能となるなど、看護ケアの質の向上や医療安全の確保につながっているとともに、職員にとっても労働環境の改善が図られたものと考えているところであります。今後の課題としましては、何といっても医師や看護師を安定的に確保していくことにあると認識いたしておりますことから、今後とも引き続き、医師及び看護師の確保に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えているところであります。
次に、2点目の看護師育成環境の変化とその対応についてでありますが、看護師育成環境の変化の背景やこれまでの取り組みといたしましては、医療の高度化や在院日数の短縮化、医療安全に対する意識の高まりなど、患者ニーズの変化を背景に、臨床現場で必要とされる臨床実践能力と、看護師養成学校で習得する看護実践能力との間に乖離が生じていたことから、厚生労働省では、平成16年、新人看護職員の臨床実践能力の効果的かつ効率的向上を図るため、新人看護職員の到達目標と研修指針を示したところであります。また、平成22年4月からは関係法令を改正し、新たに業務に従事する看護職員の臨床研修等が努力義務とされたところであります。さらに、平成23年2月には、新人看護職員が就労後1年以内に経験し習得を目指す項目とその到達の目安、目標などを示すガイドラインを提示したところであります。
市立病院の新人看護師の研修プログラムにつきましては、平成14年から、新人看護師実技演習や新人看護師現場研修基準に基づく指導とテクニカルチェックによる確認を行うとともに、特に新人看護師1人に対して特定の先輩看護師が、看護師として必要な知識や技術の指導、精神面の支援など広範にわたってサポートする、いわゆるプリセプターシップ体制を整えるなど、その都度必要な新人看護師の育成環境の充実に努めているところであります。今後におきましても、看護師育成環境の変化などに即した研修プログラムの見直しを行うなどしながら、適切な新人看護師の育成に努めてまいりたいと考えておりますことから、ご指摘のありました新人看護師を夜勤体制に組み込む時期につきましても、新人看護師の育成状況等を検証する中の1項目として位置づけてまいりたいと存じます。
次に、3点目の休日・夜間外来、病棟夜間体制の現状と課題についてであります。初めに、休日などの患者数について申し上げます。土曜日、日曜日及び祝日などの休日の午前8時30分から当日の午後5時までの1日平均の外来患者数は、市立病院が当番医に当たっている日では、平成21年度で20.8人、22年度で18.9人、23年度9月までで19.3人に、当番医以外の休日では、21年度で23.2人、22年度で17.2人、23年度9月までで17人となっております。また、平日、休日を問わず、午後5時から翌朝8時30分までの1日平均の外来患者数は、平成21年度8.7人、22年度7.2人、23年度9月までで7.7人となっています。このうち、病棟が夜勤体制となる午後5時から翌朝8時30分までに入院した患者数は、1日平均、平成21年度で1.4人、22年度で1.3人、23年度9月までで1.2人となっております。次に、休日・夜間の看護部の体制を申し上げます。時間外外来に配置している看護師数は、午前8時30分から同日午後5時までは3人、午後5時から午後9時30分までは2人、午後9時30分から翌朝8時30分までは1人となっており、また病棟に配置している看護師数は、午前8時30分から当日午後5時までは6人、それ以降翌朝8時30分まではそれぞれ3人体制となっております。これらのことから、現状において今すぐに改善を要する体制的な大きな課題はないものと考えております。
次に、4点目の看護部としての危機管理体制についてであります。看護師の管理当直につきましては、定時巡回のほか、外来患者や電話対応への応援などの当直業務を管理職の看護師が行うものでありますが、道央9市の市立病院を調査いたしましたところ、看護師の管理当直を配置しているのは砂川市立病院であり、他の病院ではそれぞれの病院の実情に応じた危機管理体制を講じておりました。
深川市立病院における危機管理体制としましては、当直医師や担当職員等がそれぞれ適切な対応を図ることとしており、看護部におきましても、当該勤務者だけで判断がつかない場合などの対応としましては、師長等へ連絡を行い、その指示に基づき対応することを基本としており、必要に応じて師長等が直接対応に当たることなどの徹底もしておりますことから、現段階におきましては、看護師の管理当直を配置する考えまでには至っていないところでございます。しかし、看護師には、医師を初めとした他職種との調整のほか、患者ニーズの多様化や苦情への対応なども求められ、それが時間外に発生した場合には対応に苦慮している場合もあると聞いておりますので、これらに対して適切な対応が図られるよう、より一層現場とのコミュニケーションに努めてまいりたいと存じます。
〇議長(長野勉君) 田中昌幸議員の一般質問を終わります。
〇議長(長野勉君) お諮りします。
常任委員会開催等のため、12月7日から9日まで及び12日から15日までの7日間休会したいと思いますが、異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇議長(長野勉君) 異議なしと認め、その7日間を休会することに決定しました。
〇議長(長野勉君) 以上で本日の日程はすべて終了しましたので、本日はこれで散会します。
なお、12月16日は午前10時から開議します。
(午後2時33分 散会)