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北海道で花を育てて

最終更新日:2018年02月15日

お二人の写真
Profile

Nさん ご夫妻

1997年 関東より移住

花き農家

移住を決めたきっかけはなんですか?

ダリアの写真 ピンクのダリア
敬人さん
東京の農業大学在学中にアメリカで農業研修を受けていて、いつか農業をやりたいとは思っていたものの、大学卒業後は大手花き会社に就職し、都内のホテルの中にある花屋で働いていました。そこで妻と出会い「実は農業をやりたいんだ!」と相談すると
安美さん
「花ならいいよ」と答えました。
  • アナベル写真 アジサイアナベル

    ブリザードフラワーの素材としても人気の花です。

敬人さん
社会人になって花業界も面白くなり「花もいいかなぁ」と思えて、そこから2人で都内にあった全国規模の就農サポートセンターへ行ったのですが『花農家』と伝えると当時は門前払いでした。
  • 紫のスターチス スターチス・シヌアータ

    白いところがスターチスの花です。出荷と同時にしぼみはじめてしまうので、キレイに咲いているところを見られるのは花農家さんの特権です。

敬人さん
花屋で勤務しているとき、夏場のきれいな生花として目についたのが北海道の花でした。そこで「北海道で切り花の生産をしよう」と思い、北海道農業担い手センターへ行くと「畑作と酪農ならいくらでもあるけど花はないねぇ」と言われ、ムリを承知で「施設園芸」で登録して帰って来ると、2~3カ月後くらいに北海道南部のある地域から声がかかりました。せっかく北海道まで行くのなら他の花農家も見たいと思い、アメリカ農業研修で知り合った方々にお願いしたところ、深川のとある農家さんを紹介してもらえたのです。もちろん他のまちも見て回りましたが、花屋の仕入れ先からも「花を育てるなら深川がいい」「切り花の産地として将来性がある」という後押しもあったため、深川へ行ってみることにしました。
安美さん
深川では紹介してくださったかたとの繋がりから、たくさんの人とのご縁をいただき、東京に戻ってからも出会った人達のことと、広い空と大地が忘れられませんでした。
敬人さん
実際に農業研修を受けてみると花を育てるのにものすごく適した環境であると感じました。そしてまちの人達や農家さんとの繋がりから「ここで花を育てよう」と2人で移住を決めました。
  • 花をみつめるお2人

畑はすぐに見つかりましたか?

スターチスとカエル
敬人さん
いやー、そこが難しかったです。農業研修の後半はいろんな農家さんとのご縁を繋いでもらって、あちこち声をかけてもらいました。やっとの思いでみつかった土地もすぐに賃貸できることにはならず、苦戦しましたね。いろいろな困難もありましたがなんとか借地で農業をはじめ、10年くらいしてから土地を購入することができましたよ。

実際に農業を始めてみていかがでしたか?

作業中の敬人さん
安美さん
「もぉー大変」なんて言っちゃダメかしら。
敬人さん
移住してくることよりも営農すること、そして続けていくことのほうが何倍も大変ですね。うちは営農して2年目に100年に1度と言われる風でハウスが壊されて、その2年後には50年に1度と言われる風でハウスが壊されて、なんじゃそりゃってなりました。でもそれからは、そんな風にも負けないもっと強いハウスを建ててなんとかやっています。
安美さん
新規就農に対する不安やプレッシャーはひとことじゃ言い表せないですね。失敗も多く、苦労の連続とも言えます。でもそれに比例して喜びも大きくなりました。
敬人さん
深川は花農家をやるには最高で、昨年設立20周年を迎えた「JAきたそらち広域連」というところで「北育ち元気村ホクレンの花」として全国販売してくれているので、生産者は品質のいい花を育てることに集中できています。
「みなさん花育てましょう!」

深川は暮らしてみていかがですか?

安美さん
子育てしていると「本当にここでよかったなぁ」って思います。朝子どもたちはバスで学校へ行くのですが、バス停までの道のりがうちの窓から見えるんですよ。
すると近所の人が子どもたちに声をかけてくれているのがわかって、地域の繋がりを大切にしている人たちの中で育児ができるということが、一番の安心と幸せだと感じています。

花農家と子育ての両立はいかがですか?

安美さん
1人目の子を出産した時はベビーカーに乗せてすぐに畑に出ていましたけど、不思議なもので「今寝てくれないと困る」という気迫で寝かせるとちゃんと寝てくれるいい子でした。2人目の出産のときはそういうわけにもいかず初めて人を雇いましたが、それまでは夫婦2人でなんとかやってこられました。苦労がないわけじゃないけれど、楽しいことのほうが多いですね。
最近は子どもに手がかからなくなってきたので、学校や市内の活動などに幅広く参加できるようになりました。
都会からみたら何もないかもしれないけど、深川ってすごく便利がいいし、本当に住みやすいまちですよ。そして都会にはない「人と人との繋がり」があります。
  • アナベルと安美さん

深川のオススメポイントや趣味があったら教えてください!

ピンクのスターチス
敬人さん
趣味は「家づくり」です。もう20年間ずっと作り続けていて、今も作っています。
鉄筋の納屋は大工さんに作ってもらったのですが、居住空間は全て自分たちでコツコツ作っています。だからいつでもずっと新築ですよ。
安美さん
深川のオススメポイントは『広い空』、そして『美味しいお米』、それに野菜もとっても美味しい。
あとはキレイな病院があるので、安心して暮らせるところですかね。
敬人さん

深川の花は「ホクレンの花」として全国に出荷されていて、花業界ではとっても有名です。
中でも「スターチス・シヌアータ」の生産量は北海道1です。
ただ、深川は農業をしやすいまちではあるけれど、農業を始めるということは簡単なことじゃない。
だからポンとやってきて「はい農家になりました」なんてことはなく、地道に人と人との繋がりと経験を築いていかなきゃならない。

  • スターチスとお2人

ありがとうございました。最後にこれから移住を検討されているかたへメッセージをお願いします!

移住を検討されているかたはぜひ積極的に足を運んでみてください。
深川はとっても素敵なところですよ。
赤いダリア
手作りのおうちの中で、パチパチと音をたてる薪ストーブ。
北国の暮らしを上手に楽しんでいる様子が伝わってきます。
そして、数々の試練を乗り越えて咲かせた綺麗な花の数々と、お2人の笑顔がとても印象的でした。
皆さんの近くのお花屋さんにも、お2人が咲かせた花が届いているかもしれませんね。

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