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日本一のシードルを目指して

最終更新日:2019年03月22日

お二人の写真
Profile

Kさん

関東出身⇒2012年札幌市移住⇒2014年深川市移住

アップルランド山の駅おとえにてシードル醸造(元地域おこし協力隊)

移住のきっかけはなんですか?

Kさん
学生時代から北海道にはよく来ていて、北海道は空気が合う、 いつ来ても居心地がいい、 食べ物が美味しい、 自分にとって最高の環境だと思っていました。
ですが、関東の大学卒業後は首都圏の企業に就職。漠然と田舎暮らしに憧れを抱いていたものの、一歩踏み出せずの状況でした。
でも30歳を過ぎた頃、このまま都会で暮らし続けていていいのかと不安になったのが、移住を真剣に考えたきっかけですかね。
  • Kさんの写真
Kさん
そんな時、道南のとあるまちの「観光コンシェルジュ」として働く地域おこし協力隊の募集に応募しました。
結果はダメだったのですが、このままじゃいけないと思い、とりあえず札幌へと移住しました。

深川市に決めた理由はなんですか?

Kさん
元々道北か道東で暮らしたいと思い、札幌ではプログラミングの勉強をしながら就職活動をしていました。
新しい仕事の内々定も出てほっとしていた時に、深川市の地域おこし協力隊の募集が目に止まりました。
しかも市の特産品である「りんご」を100%使った『ふかがわシードル』の醸造方法を学び、商品化するという任務に運命を感じましたね。

  • 山の駅アップルランドおとえ
元々果樹栽培に興味はあったものの、パートナーや資金の問題もあり1人ではできないと思ったし、農業生産法人に就職の道も考えたけど、そこからどう独立するかのビジョンも描けずにいました。
地域おこし協力隊って、好きなことをやって欲しいとか、地域を盛り上げて欲しいといったような漠然とした内容の募集が多いのですが、その時の深川市の募集は非常に具体的で、協力隊卒業後のビジョンが明確に浮かぶものでした。
果実酒造りという専門性の高い仕事を3年かけてしっかり学び、憧れの北海道で「果樹」に関係する仕事が出来るなんて、まさに僕のためにある募集だろうと思いましたね。

協力隊としての日々はいかがでしたか?

Kさん
当時、醸造施設こそ完成していましたが、中身についてはこれから作り上げていくという状況でした。
機械の使い方を習いながら、醸造の師匠から酒造りを学び、瓶やラベルを決めるといったことまで、新たな製品を1から造り上げる過程を経験させて頂いたことは、とても貴重な体験でした。
  • 作業中のKさん
Kさん
ただ、酒造りは手順がわかったからといって、毎回同じものができるわけではないという難しさがあります。
協力隊として着任するまで酒造りの経験がなかった私にとっては、師匠から学ぶ全てが新鮮で興味深いものでした。

深川での暮らしはいかがですか?

Kさん
深川での暮らしは、想像以上に便利でビックリしました。
田舎暮らしを希望した時点で、ある程度の不便さを覚悟していましたが、実際来てみると、スーパー、コンビニ、本屋、レンタルショップ、ホームセンターにドラッグストアとなんでもあるため、日常の買い物は車で5分も走ればことたりちゃうんですよね。
そしてちょっとした買い物なら札幌や旭川へも車ですぐに行ける。
札幌までの一般道は信号も渋滞もないので、自然の中を快適にドライブできて最高ですよ。
  • 深川の景色

私は、深川市の魅力は「バランスの良さ」だと思っています。
北海道の田舎の開放感を満喫しつつ、日常の買い物は市内で、週末の買い物は旭川で、ちょっとお洒落な服を買いたい時は札幌でと、生活面での不便さはほとんど感じません。
また、車で1時間ほどの距離に旭川空港があるので、東京等へのアクセスも決して悪くないです。
広い北海道内でも、このようなバランスの取れた地域は、そう多くないと思います。

製造業は初めてとのことですが、やってみていかがですか?

Kさん
シードルは原料のりんごによって糖度や酸度も異なりますし、同じ温度でも季節や状況により、同じように発酵するとは限りません。
良い酒を造り続けるためには、経験を重ねて学ぶしかないと思っています。
うちのシードルはすっきりクリアで後味良い味わいにするため、師匠の発案で芯や種などの不要な部分を1つ1つ手作業で取り除いています。
手間はかかりますが、これを行うと実際に雑味が減って美味しくなっていることが実感できます。酒造りはとても論理的で工夫の余地が多くて楽しいですよ
  • シードル

これから深川でどんな暮らしがしたいか、教えてください!!

Kさん

果樹産地としての深川を、もっと盛り上げていきたいですね。
酒造りに良い原料は必須ですから、地名を冠したおいしい果実酒を造り広めていくことは、「北海道深川産の果物はおいしい!」という認識を広め、ひいては地域の産品全般のブランドを高める事につながると考えています。
そのためにも、まずは妥協せずに最高の酒を造り続けることが大事だと考えています。
 

  • Kさん
Kさん
その中で、りんご以外の果物にも可能性を見出していきたいと思っています。
特に近年、北海道内では醸造用ぶどうの栽培が広がり、その品質の高さは日本一と言われてきています。
気候変動で温暖化が進んできている影響もあり、かつて北海道では栽培が難しいとされていた欧州産の高級品種が栽培可能になってきたとの論文も発表されています。
将来的には深川産の醸造用ぶどうを使い、シードル造りで磨いている技術を活かして、世界でここだけしか造っていないような、すっきりクリアで後味の良いスパークリングワインを造ってみたいです。
また、これから果樹で新規就農を目指そうとしている方にとっても、こういった加工施設と連携できるということは経営の安定化に繋がると思いますので、一緒に北海道の果樹を盛り上げていきたいという仲間も求めたいです。
常に目標は高く。
このまちで美味しい果実酒造りに励みます。
  • シードル

ありがとうございました。最後にこれから移住を検討されているかたへメッセージをお願いします!

Kさん

一口に「北海道への移住」と言っても、地域の選択肢はとても多様です。
移住先の選択は、北海道でどんな生活をしたいのかによって、大きく変わってくると思います。
実際に移住地を考えるときは、移住先で新たに求めたい環境だけではなく、いま移住前に過ごしている生活を北海道でどう置き換えるのか、一つずつ洗い出して検討してみることが、大切だと思います。

名称
アップルランド山の駅おとえ
開館時間
4月から9月|6時から19時
10月から3月|8時から16時
休館日
12月29日から1月3日
住所
〒074-1273 深川市音江町字音江589番地28
電話番号
0164-25-1900
シードル

人との出会い、タイミング、どれが欠けても今の暮らしはなかったし、シードル造りの師匠が居てくれたからこそ、今の自分がある。
そう感謝の気持ちを笑顔で語る姿が爽やかな上平さん。
「あとはいつか家族をつくれたら・・・」と、話してくれたものの、まだ予定がないそうなので、募集中です。
これからもおいしいシードルを造りながら、ここでの暮らしを満喫して欲しいです。

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