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小児・高齢者について

小児・高齢者の服薬についての質問と答え集です。

小児が薬を服薬する時にはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

小児の生理機能で成人と大きく異なる点は、一定の年齢まで肝臓や腎臓の機能が未発達であったり、血液と脳のルートが未完成であるため、各臓器の薬に対する感受性に差が出ること、また、細菌やウイルスに対しての抵抗力が弱いといったことです。このため、薬の働きも低年齢になるほど成人と違った作用を現します。
たとえば、新生児(生後28日)の場合、胃腸機能が未熟なため、薬の吸収が悪く、薬が長く消化管内にとどまりますが、いったん吸収されますと薬は脳へはよく移行します。
また、薬の効果には個人差があり、特に小児ではその差が大きく、吸収の速い子と遅い子がいますので、母親は自分の子供の薬についての正しい知識を持つことが必要です。
さらに、次のような注意が必要です。
  1. 赤ちゃんに薬を与えるときは、胃の噴門部の緊張が弱く、すぐに吐くため、空腹時がよいと言われています。粉薬は、1回分を少量の水でお薬を練りあわせ、頬の奥の方に塗り付けるか、おちょこに少量の白湯で溶いてスポイトで与えたりします。1回分をミルクの中に溶かしこんで与えると、飲み残したり、ミルクの味が悪くなってミルク嫌いの原因にも成りかねません。
  2. 薬の時間だからといって、寝ているのを無理に起こしたりせず、子供の様子を見て、時間や食事にとらわれず与えた方が良いでしょう。
  3. 坐薬は、挿入してから15分くらいで溶け、4〜5時間効果が持続していますから、効き目が現れないからといってすぐに2個目を入れないでください。
  4. 4時間毎や6時間毎に飲まなければならない薬でも、服薬に関しては医師や薬剤師のかたに相談して、子供の生活時間に合わせて無理のない時間や回数を選んでもらうとよいでしょう。

<参考>小児

  • 新生児:出生〜28日間
  • 乳児期:1歳まで
  • 幼児期:7歳未満(就学まで)
  • 学童期:12歳まで(小学校時代)

高齢者が薬を服薬する時にはどんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

「老化は、脱水の過程である。」という至言があるように、高齢者では脱水を起こしやすく、体の水分の溜め池が小さくなってきます。
つまり、水分を多くとるとすぐに浮腫が出たり、少ししか摂らないと尿量が減少し、老廃物を尿として外に出せなくなります。水分一つにも注意が必要ですから、薬は、なおさら注意が必要です。
高齢者では腎臓や肝臓の機能が低下してくるので、薬の代謝や排泄が悪くなり、薬の効力が増強して効き過ぎたり、薬が体内に長く貯留したりして、予期せぬ副作用を引き起こすことがあります。
また、高齢の患者さんでは、様々な疾患を併発することが多く、服薬する薬の種類も多くなり、思わぬ薬剤の相互作用を引き起こす可能性も高くなります。そのため、高齢者は副作用の発生が若い人に比べて多いのです。
さらに、病気をしたり、お酒の飲みすぎや煙草の吸いすぎなど、若いときの不摂生で一人一人の生理機能の低下の度合が違います。薬の効き方も一人一人違いますので、腑に落ちない症状が出たら、自分勝手に飲むのをやめたり、増量したりしないで、医師や薬剤師に相談して下さい。
特に慢性の病気を持っている場合は、たとえ長期間、薬の処方が変わらなくても、一定間隔で医師の指示どおり、診断や検査を受けて体と薬のチェックを行いましょう。