教育行政方針

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1.はじめに

 令和3年第1回深川市議会定例会の開会にあたり、教育行政の執行に関する主な方針について申し上げます。

 社会の変化が加速度を増し、予測困難な未来社会を自立的に生きていくために必要な、資質・能力を身に付けていけるよう、新しい学習指導要領が令和2年4月から小学校において実施され、また本年4月からは、中学校においても全面実施となります。

 新学習指導要領は、今までの学校教育の中で重視されてきた知育・徳育・体育を一体的に育むという基本理念のもと、「主体的・対話的で深い学び」を実現することにより、学校で学んだことが社会に出てからも「生きる力」として生かせるよう、新たな学びへの進化を目指しており、その一つの手段として、GIGAスクール構想で整備した道具等を活用し、新しい時代を生きる子どもたちに必要となる資質・能力をより一層確実に育み、学校教育の質が高まるよう努めることが重要であります。

 本市といたしましても、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない状況下ながらも、こうした動きを注視しつつ、市民一人ひとりの成長を支え、社会を生き抜く力を育んでいく教育の実現に向けて、「第5次深川市総合計画」「深川市教育大綱」「深川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、新たな時代の教育振興に取り組んでまいります。

 こうした認識の下、教育行政の推進に臨む基本姿勢を申し上げます。

 第一に、深川市学校教育振興計画に基づく取り組みです。

 深川市学校教育振興計画では、4つの基本目標を掲げており、
(1)確かな学力を育成し、社会での自立に必要な基礎を育む教育の推進
(2)豊かな心と健やかな体を育成する教育の推進
(3)家庭や地域に信頼される学校づくりの推進
(4)安心して学び、安全に過ごすことのできる機能的な教育環境の整備
について、これらを着実に実行してまいります。

 第二に、生涯学習の推進に向けた取り組みです。

 本市は、「生涯学習基本構想」に掲げた生涯学習社会の実現のため、中核を担う社会教育とスポーツ振興に努めてきたところであり、本年度も引き続き「社会教育中期計画」及び「スポーツ振興計画」等に基づき、計画的かつ効果的な事業に取り組んでまいります。

2.主要施策の推進

 教育行政の推進に係る主要施策について申し上げます。

学校教育の充実

 子どもたちを取り巻く環境がめまぐるしく変化し、新型コロナウイルス感染症もあいまって、一層先行きの不透明感が増すなか、どれだけ知識を持っているかではなく、知識や情報をどう生かすかが重要となる、新しい時代が求める資質や能力の育成が必要となってきます。

小学校の新学習指導要領により、小学校3年生及び4年生が「外国語活動」、5年生及び6年生が「外国語科」として、それぞれ年間35時数の増で実施となりました。本市においては2人の外国人英語指導助手を小学校に配置するとともに、外国語指導の加配教諭を活用し、引き続き、外国語活動と外国語教育の充実を図ってまいります。

また、新学習指導要領が示す、児童生徒が自らの学習状況や学校生活、学校行事において目標を設定し、本人の考えや行動の変容により成長を自己評価する、キャリアパスポートを令和3年度より導入し、キャリア教育を推進してまいります。

全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報を共有することで、今までにない新たな価値を生み出すSociety 5.0時代の到来に対応するため、児童生徒一人一台の学習者用タブレット端末をはじめとするICT環境をしっかり活用することで「主体的・対話的で深い学び」をより効果的に実践してまいります。

これからの時代を担う子どもたちの確かな学力を、確実に定着できるよう、「全国学力・学習状況調査」等を活用しながら、学力や学習状況を把握・分析し、学校改善プランに基づく「学習サポートプログラム事業」の更なる充実に努めるなどして、市内全校において学力向上の取組みを一層進めてまいります。

特別支援教育については、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶインクルーシブ教育システムの理念を踏まえ、全ての学校において、子ども一人ひとりのニーズに応じた教育の場を提供し、自立や社会参加に向けた教育を進められるよう指導や支援に努めてまいります。

また、深川小学校と深川中学校に開設している通級指導教室を活用し、ことばや発達などに課題を抱える児童・生徒が、自身の持つ能力を十分に発揮できるよう支援を行ってまいります。

複雑化かつ多様化する現代において、子どもたちが抱える悩みも不登校、いじめなどの問題行動、虐待等と多様化しております。子どもたちやその保護者の悩みを受け止め、心理面からサポートする「スクールカウンセラー」と、子どもたちの抱える問題解決に向けて、関係機関と環境面からサポートや調整を行う「スクールソーシャルワーカー」を配置することにより、様々な問題の解決に向け、支援してまいります。
なお「スクールソーシャルワーカー」については、より迅速かつ的確に支援できるよう、教育委員会に配置している学校教育指導専門員がその業務を兼ね、関係機関と協力しながら問題の解決を図ってまいります。

また、様々な原因で学校に行けない児童生徒に対する教育相談の一環として、適応指導教室「しらかば」に専任指導員を配置し、子どもたちの基礎学力の補充や基本的生活習慣の改善に向け、学校と連携を図りながら、社会的に自立していける力の育成及び学校復帰に努めてまいります。

いじめは、ほんの些細な誤解や行き違いに端を発し、嫌なことをしたりされたりするいじめへとエスカレートしていきます。いじめ問題はどの学校においても生じうることを認識し、「深川市いじめ防止対策基本方針」及び各学校が定めた「いじめ防止対策方針」に基づき、未然防止・早期発見に努め、さらに「北空知地域いじめ問題対策専門家会議」と連携して適切な対応に努めてまいります。

読書については、市立図書館と連携して朝読書や家読を推進することで子どもたちの読書習慣の定着を図り、また、新学習指導要領が示す、主体的・意欲的な学びを支援できるよう引き続き学校図書の整備に努めてまいります。

社会を生き抜く力の土台となる「健やかな体」は人間の活動の根源であります。「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を踏まえ、各学校の実態に即した体力向上や運動に親しむ機会の拡充に努めてまいります。

また、学校保健においては、子どもたちの健やかな成長はもとより、将来においても健康な人生を送るための望ましい知識・習慣を身につける保健教育の推進に取り組みます。さらに学校給食においては、栄養教諭を中心に各学校と連携して、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけるよう取り組むとともに、地元農産物の利活用促進については北空知圏学校給食組合などと連携して取り組んでまいります。

未来を担う深川の子どもたちを、学校・家庭・地域が緊密な連携を図り、地域全体で育てていくことが大切であります。令和2年度に全ての小中学校で導入された「コミュニティ・スクール」について、地域と一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校」づくりに向けた取り組みに努めてまいります。

また、小学校間や小中学校間での交流や共同学習など、子どもたちの社会性を培い、小学校から中学校への円滑な接続にもつながる、学校間の連携に取り組んでまいります。

学校教育においては、高度化・複雑化する諸課題へ対応するため、新たな学びを支える専門性と実践力を備えた教職員の育成が必要です。学び続ける情熱と向上心に満ちた教員が求められていることから、教育振興会などを活用し、教職員の研修機会の充実に取り組んでまいります。

子どもたちの安全・安心の確保につきましては、防災教育や交通安全教育の充実を図るとともに、深川市通学路交通安全プログラムに基づき、関係機関による通学路の点検や交通安全対策を行うとともに、社会全体で子どもの安全を守るため、地域における連携の強化、通学路の合同点検の徹底及び環境の整備・改善等、家庭・地域の協力を得ながら、安全・安心な教育環境づくりを進めてまいります。

学校整備については、一已小学校の屋内運動場の照明耐震化工事を行ってまいります。

市内公立高等学校は、人口減少と少子化の影響により、入学者数の確保が年々厳しい状況になっておりますが、地域の未来を担う人材を育成する現在の普通科高校と商業・農業系高校の両校は、本市にとってかけがえのない存在であります。今後とも、それぞれの高校の魅力ある取り組みとそのPRなどに支援をするとともに、市内児童・生徒にとって身近な高校に感じられるよう市内公立高校と市内小・中学校との連携事業等を継続して実施してまいります。

社会教育の充実

 市民一人ひとりが充実した人生を送るため、生涯のいつでもどこでも、自由に学習の機会を選択して楽しく学び、その成果を生かすことができる生涯学習社会の実現が求められています。

 本市の貴重な教育機関の1つであります拓殖大学北海道短期大学の協力を得て実施している「市民公開講座」など、市民の自主的・主体的な学習活動を促進するため、魅力ある事業を継続して実施してまいります。

 公民館をはじめとする各社会教育施設においては、市民の多様な学習活動実践の場として適切な維持管理に努めてまいります。

 次代を担う子どもたちが生きる力を身に付けていくためには、家庭教育の充実とともに、異世代間や地域の人たちと交流する機会が必要です。そのため、学校・家庭・地域が連携した「家庭教育・学社融合推進事業」や、地域の豊かな社会資源を活用した「土曜日の教育支援体制等構築事業」などを実施してまいります。

 基本的生活習慣の乱れが、子どもたちの健やかな成長を阻害する要因の一つとされていることから、規則正しい生活が送れるよう「早寝早起き朝ごはん運動」や「ノーゲームデー」の取り組みを関係機関と連携し推進してまいります。

 また、生きがい文化センターに設置している「生き生きスポット」など、放課後等における子どもの安全・安心な居場所づくりの取り組みを引き続き推進してまいります。

 学校や地域の枠を越えた交流や活動の機会が減少している中、子どもたちの自主性やリーダーシップを養うためのリーダー養成事業や、子どもたち自らが企画運営する事業など、地域社会で実践できる場の提供に取り組みます。また、青少年指導委員による巡回指導や、少年相談窓口の設置など、青少年の健全育成に向け、学校・家庭・地域社会と連携し取り組んでまいります。

文化・スポーツの振興

 本市では、これまでも市民が心豊かで健やかな人生を送るため、芸術文化活動とスポーツ振興に積極的に取り組んできたところです。

 芸術文化活動については、「み・らい」や「生きがい文化センター」など、活動の拠点となる施設の指定管理者とも連携を深めて推進してまいります。
このうち、著名な芸術家を招聘して行う「アウトリーチ事業」は、芸術文化活動への関心を高める貴重な機会となることから、引き続き小中学校全てにおいて実施してまいります。
また、市内の芸術文化施設や有形・無形文化財について、学校の授業や各種社会教育活動で活用してもらえるよう、適切な管理と周知活動に努めてまいります。

 各種スポーツ事業については、誰もが気軽にスポーツや健康づくりに親しめるよう、スポーツ推進委員や各関係機関・団体等と連携を図り、取り組んでまいります。

 令和2年度に人工芝などを全面改修した、「深川市民テニスコート」や、3年次計画の最終年となります「桜山パワーアップロード」の改修などにより、市民の健康増進と市外からの流入人口の増を図るとともに、老朽化の著しい各種施設については、財源確保を図りながら計画的な改修を行い、適切な管理に努めてまいります。

 市民自らが優れた芸術文化事業や、各種スポーツ大会を招致・運営するための支援、また、文化・スポーツの分野で全国・全道大会に出場する市民に対する支援も引き続き実施してまいります。

 新型コロナウイルス感染症により、令和2年度は各種イベントなどの中止が相次いだほか、個人やサークルという小規模単位の学びや活動の場までもが自粛を余儀なくされましたので、令和3年度は感染症対策に十分に留意しながら、社会教育の充実と文化・スポーツ活動の振興に努め、市民の学習活動を後押しするための施策を積極的に推進してまいります。
 また、本市の重要施策の一つでありますスポーツ・文化の各種合宿も激減し、活力あるまちづくりに多大な影響を与えておりますことから、各種合宿数の回復に向け、これまで以上に誘致活動等の取り組みを強化してまいります。

3.終わりに

 以上、令和3年度の教育行政の執行に関する主要な方針について申し上げましたが、教育の振興に向けた取り組みを強化し、市民の皆様とともに創意工夫をするなかで、学校教育、社会教育全体の一層の充実に向けて取り組んでまいりますので、議員各位の特段のご指導ご鞭撻と、市民のみなさんのご理解とご協力を心からお願い申し上げまして教育行政方針の説明とさせていただきます。

問合わせ先・担当窓口

教育委員会 学務課

教育委員会 生涯学習スポーツ課